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nkmn@memo『メモのはしきれ』

生産性のない話やメモをただただしている。 

nkmn@memo

No.1236

22:48

君たちはどう生きるか #感想

宮崎駿監督作品を見てきた人への手向けだなと感じるところ。

思うに、あれは今までどう生きたかの形でもあるとおもうんですよね。
全体的に今までの作品のオマージュ的な作品だなってのが一番の感想かな。
これをすごく「おもしろかった」って言える人はきっと宮崎駿作品のことが好きだし、
「つまらなかった」っていう人がいてもまたそれも愛と言えると思う……
衰えた老人の思い出話のような作品だなっておもったし、そこが好きなんだ……

そして、制作陣の豪華さですよ。
スタジオ4℃とかufotableとか、あの辺のスタジオが作画協力してるのって、
それだけ「宮崎駿作品」に携わりたいと思ってくれる別の道の同志がいてくれるってことで。
これはある意味でなんか、「これからの可能性」を示すものだなって感じたし、
「宮崎駿」というひとがどれだけのことをしてきたかっていう信頼でもあるとおもう。
画面もある意味「宮崎駿らしからぬ」ものが多かったのもそこだとおもう。
通して、オマージュなんですよね、すごく。

大きな大作を作ることはもうできない、それは改めてひしひし感じたし、
そういう「面白い大作を見たい」人のための作品じゃないんだろうなって言うのは強く感じた。
この「広告を一切うたない」のも、商業的戦略以上に、
まずは「宮崎駿」の名前で来てくれる人を呼び込んでるってかんじがして。
映画的評価じゃなくて、愛着の為のものだと思ったし感じたのですよね。

とはいえ面白い画面もワクワクする構図やおもしろさが無い訳ではなくて…
宮崎駿監督のイマジナリーの部分の継ぎはぎだなって。
わたしは弟とこれを見ていたのだけれど、これを通じてたくさん過去作の話をしたし
やっぱり「自分たちは宮崎駿監督の作品が好きだよね」って話をした。
わたしたちは、あのおじいちゃんが作るものがどうしようもなく好きだった。

同じように「あの作品をシリーズアニメで見たい。」という話もした。
いろんな経験を経て作られた作品の集大成が、「みたかった。」
でもそれは現実では叶わないし、それこそ魔法でもなければいけなくて。
宮崎駿というひとは道半ばなのですよ、まだまだ先があるはず。
それはあの大叔父様が言っていたことに近いとおもう。
けれど、同時にそれを引き継ぐ者はいなくてもいいんだと思う……
あれを跳ねのけて、違う道を行く同志のことがきっと好きなんだと……


ポニョの時から「もう衰えて描けない」と言っていたところからようやっと積み重ねた積み木。
これだけやって、たった「1日しか持たない」とか
「安定した場所にこの石を置くこともできる」とか。
インコの王様が積み木を乗せ切らずに叩き壊してしまうところも、
それを止めるでもなく見つめる大叔父様のことも、
ヒロインのヒミちゃんだけが落ちていく積み木を振り返る場面もすきだ。
それは作品と、宮崎駿監督作品の関係性の構図に近いというか…

若者たちには振り返らずに先を指し示す形なのがすきなんだ。
主人公の彼が、感動したのは大叔父様ではなくて
「君たちはどう生きるか」っていうお母さんが残した本で。
あたらしい道を自分の足で踏みしめられる人間なんだなっていうところ。

未来は、託されているんだな と一番にかんじたところ。
これはおじいちゃんがしてくれる、思い出ばなし。
このしわしわの手で、たくさん描いてきてくれたことを想う。私はうれしいよ。とじる

1437文字 No.1236鑑賞

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