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nkmn@memo『メモのはしきれ』

生産性のない話やメモをただただしている。 

nkmn@memo

No.54

22:51

カリギュラは、体をもって血の味を体現しているところがねぇ好きなんですよね……
一番嫌いなのはこの味だ、ムカムカするようなその……
己の真芯に向かうとき感情と反するようにただしくあろうとすること、それにより体を削るような痛みを伴う、そのことを思うんですよね。

神を投げ出し恐怖する人々はある種愚かしくあって、そして、曲がらず芯を持つものはいつも尊いなと思うのです。
カリギュラはそれすら否定し知性を持ってその言葉に刃を振るうのですが……
理解し真摯であった詩人が旅立つ時に私は思う……カリギュラが己が孤独を救えるとしたらそこにあったのではないかなと。
そこで罪を抱えず告白したのであれば……でもそれは叶わない。
カリギュラの立場は皇帝で、ずっと正しく残虐に殺し続けた。その罪は消えない。その罪はけして許されない。
カリギュラがカリギュラで有る限り、きっとカリギュラがそれを許さないのだろうし。
きっとケレアはその高潔さを知っていた。
だからこそ「ひとりになる」ことを待ったのですよね。
その孤独が訪れる日を。
詩人を追放した時、その時は来たと告げる…

抱えきれないほどの屍はカリギュラを捉えて離さない。
罪の意識は苛む、人々がうしなわれてゆき、孤独に震えている。
その孤独すら忘れてしまえるとカリギュラは言うけれどきっとそんなことはないよと私は想う。

カリギュラは最後の最後に手を下したのは愚かしい愛だった。
でも最後まで捨てられなかったのはその愛だったんですよね、カリギュラは。
守られることのない王は死を待つのみで。
作り上げた虚を見つめて息絶えたのだろうか、などなどと。とじる


#感想

695文字 No.54鑑賞

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