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nkmn@memo『メモのはしきれ』

生産性のない話やメモをただただしている。 

nkmn@memo

No.567

07:30

小さい子供がないていた。
たぶんまだあかちゃんってくらいのちいさなこども。
ベビーカーに乗せられて運ばれて。
デパートのレジの前で元気に泣いていた。
全身全霊をつかってまだ幼い温かそうな血がめぐってて
まるで生命みたいな身体をぜんぶつかって主張していた。
特に意味などないんだろうな、ただ泣くしかないから泣いてるみたいな。

その様子がもうえらい、命で、いきもので。
こんな、田舎のデパートの一角みたいな
整然と人の手で整えられた四角い場所でに運ばれて……
それは、そこに唯一くらい、生命の形をしていて。
桃色の薄皮に包まれた肉そのもので。
小さく取り付けられた手足を伸ばしていのちを主張をしていた。

わたしはそれが妙にほほえましくって、おもしろく。
ちょっと芽生えたいたずらごころに習って、念じる。
「おぬしは何を思うものか」「なにを感じておるのか」

そうしたら、一呼吸ふた呼吸泣いたあと、ふと目があって。
ぴたりと泣き止み、それが、こちらを見る。
まだ未熟なうすいもちみたいな目蓋を広げてじっ…とこちらを。

なんかいるなと認識されただけかもしれない。
ただ、この生き物の曖昧な世界に、突如として私が存在している…
そんな心地がおもしろくてしばらく、目を合わせていた。

まぁ、なんかちょっと照れたので、手をぱくぱくさせて
きつね!!なんてやったりしたけども。
やっぱり子供という生き物はおもしろい。
何もしらぬちいさき者よ…息災であれ……

624文字 No.567いま

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