nkmn@memo No.586 2022/05/31 00:25 三谷さんの2020年の舞台、「大地」を見た。#感想大地(Social Distancing Version)作/演出:三谷幸喜https://stage.parco.jp/program/daichi/とある全体主義国家。独裁政権が遂行した文化改革の中、反政府主義のレッテルを貼られた俳優たちが収容された施設があった。強制的に集められた彼らは、政府の監視下の下、広大な荒野を耕し、農場を作り、家畜の世話をした。過酷な生活の中で、なにより彼らを苦しめたのは、「演じる」行為を禁じられたことだった。役者としてしか生きる術を知らない俳優たちが極限状態の中で織りなす、歴史と芸術を巡る群像劇の幕が上がる!--通して三谷さんからのラブレターだなというのが一番思ったところ…俳優への演劇への、表現やもっと根本的な愛による脚本だなと感じました。以下、ネタバレ含めのあれこれ。つづき上にあるように、世界観は独裁政権で「演じること」が禁じられた社会。風刺的な内容でありんがら、三谷さんらしい始終明るい調子。特に語り部であるところのミミンコは大学演劇をしていたという若人。こんな状況下でも役者や道化師である皆の事を尊敬しておりすごくポジティブで。すごく、演じることに前向きな子なんですよね。ストーリーもそうだし、人々も喜劇やコントのノリなんですが、そこに一節影があるのが大泉洋さん……ここが本当によかったですね…ちょうど大河の手前に書いていた作品ということもあって、すこし重ねてしまうところでもあったりだとか。お話としては切ないというかやりきれない。演じることのすばらしさ、たのしさ、おもしろさを描いても「見てくれるひとがいなければ意味がない」とするオチ。明るい話を書かれる三谷さんが舞台として書いた脚本がこれなのは、まさにいま目の前にいるお客さんへの愛なんですよね。あなた方がいなければ意味がないんだと……ソーシャルディスタンス、それを感じさせるコロナ禍の舞台。宮藤官九郎さんは「獣道一直線」で役者の業を書いたけれど、三谷さんはあくまで客前のあなた方に向けた本なんだな……この2020年の舞台、いろんなことが問われていた時期で。オリンピックでは政治的に表現の是非が問われたりもした。そういうやるせなさを脚本に落そうとした結果なんじゃなかろうか。しかし巡り巡って、あなた方に向ける目線は暖かかったな。お芝居もずっと楽しさをまとった場面でもあったし…三谷作品だなぁと感じいる。鎌倉殿も引き続き、楽しみですね。やっぱ大泉洋さんはいい役者さんだ、改めて……とじる 1106文字 No.586鑑賞 もどる 全年月 (1458)2024年 (107)2024年06月 (17)2024年05月 (12)2024年04月 (17)2024年03月 (18)2024年02月 (19)2024年01月 (24)2023年 (401)2023年12月 (12)2023年11月 (16)2023年10月 (7)2023年09月 (52)2023年08月 (25)2023年07月 (37)2023年06月 (34)2023年05月 (41)2023年04月 (32)2023年03月 (42)2023年02月 (47)2023年01月 (56)2022年 (560)2022年12月 (36)2022年11月 (46)2022年10月 (49)2022年09月 (59)2022年08月 (46)2022年07月 (75)2022年06月 (54)2022年05月 (53)2022年04月 (48)2022年03月 (42)2022年02月 (28)2022年01月 (24)2021年 (384)2021年12月 (55)2021年11月 (39)2021年10月 (50)2021年09月 (57)2021年08月 (54)2021年07月 (68)2021年06月 (61)2017年 (6)2017年12月 (3)2017年11月 (3)新しい順(降順)時系列順(昇順) (カテゴリを選択)メモ (17)音楽 (93)作業 (132)鑑賞 (99)遊び (30)いま (1130)物置 (16) (ハッシュタグを選択) なう (143) 作業BGM (60) 感想 (60) メモ (46) 絵 (24) 読みログ (20) vrchat (16) 虚構作劇界 (13) 走り書き (8) 使い方 (6) yume (5) ごはん (5) ハグルマシティ (2) なう (1) ご挨拶 (1) Space in タグ (1) Powered by てがろぐ Ver 4.1.0.
2022/05/31 00:25
三谷さんの2020年の舞台、「大地」を見た。#感想--
通して三谷さんからのラブレターだなというのが一番思ったところ…
俳優への演劇への、表現やもっと根本的な愛による脚本だなと感じました。
以下、ネタバレ含めのあれこれ。
上にあるように、世界観は独裁政権で「演じること」が禁じられた社会。
風刺的な内容でありんがら、三谷さんらしい始終明るい調子。
特に語り部であるところのミミンコは大学演劇をしていたという若人。
こんな状況下でも役者や道化師である皆の事を尊敬しておりすごくポジティブで。
すごく、演じることに前向きな子なんですよね。
ストーリーもそうだし、人々も喜劇やコントのノリなんですが、
そこに一節影があるのが大泉洋さん……ここが本当によかったですね…
ちょうど大河の手前に書いていた作品ということもあって、
すこし重ねてしまうところでもあったりだとか。
お話としては切ないというかやりきれない。
演じることのすばらしさ、たのしさ、おもしろさを描いても
「見てくれるひとがいなければ意味がない」とするオチ。
明るい話を書かれる三谷さんが舞台として書いた脚本がこれなのは、
まさにいま目の前にいるお客さんへの愛なんですよね。
あなた方がいなければ意味がないんだと……
ソーシャルディスタンス、それを感じさせるコロナ禍の舞台。
宮藤官九郎さんは「獣道一直線」で役者の業を書いたけれど、
三谷さんはあくまで客前のあなた方に向けた本なんだな……
この2020年の舞台、いろんなことが問われていた時期で。
オリンピックでは政治的に表現の是非が問われたりもした。
そういうやるせなさを脚本に落そうとした結果なんじゃなかろうか。
しかし巡り巡って、あなた方に向ける目線は暖かかったな。
お芝居もずっと楽しさをまとった場面でもあったし…三谷作品だなぁと感じいる。
鎌倉殿も引き続き、楽しみですね。
やっぱ大泉洋さんはいい役者さんだ、改めて……とじる