雨糸町アートパーク 

GM

しとしと雨が降る。

GM

都会の真ん中、古い街並。

GM

高層ビルに隠れてる。
小さなレンガの建物ひとつ。

GM

そこのおもちゃ博物館はなくなって。
セントラルパークができちゃって。

GM

まわりの古いおうちは美術館。

GM

失恋坂は観光地。

GM

街の思い出は少しずつ、みんな倉庫ゆき。

GM

そして、今日。

GM

長い雨宿りのはじまり、はじまり。

GM


 ご近所メルヒェンRPG

『雨糸町アートパーク』

GM

はじまりま~す!


 🧸 

GM

GM

「子供の頃にサンタクロースとか、ドラゴンとか、いるはずのない架空の生き物を心底いる、と信じることが人間には必要なんです」

GM

「その数が多ければ多いほど、子供の心の中に、椅子ができる」

GM

「大人になってゆくと、なあんだ、サンタクロースなんかいないじゃん。と、そこに座っていた架空の生き物たちは消えてしまいます」

GM

「でも、それまでその椅子を温めてくれたサンタクロースのお陰で、人は、大人になって愛を知った時、今度は本当に大事な人をそこに座らせることができる」

GM

── 『エルマーとりゅう』
日本語翻訳者:渡辺茂男 講話より

GM

『実在しないもののための椅子の話』

GM



 アートパークへようこそ 

GM

今日は……秋の真ん中のある日のおはなしです。

GM

みんなは秋休みの宿題か、はたまた先日の課外授業の忘れ物か、ひとり……ともうひとり、で。

GM

この「雨糸町アートパーク」に訪れました。

GM

高層ビルの建ち並ぶ都会。
その真ん中よりちょっとはずれの、路地裏。
古い町並みに、煉瓦の建物。

GM

昔々は炭酸飲料工場兼倉庫だったらしいそこは、おもちゃ博物館としてオープンしたけれど。
子供たちが少なくなって、一度は閉館。

GM

新しく、アートパークとしてオープンしたらしい。
アートパークは、美術大学の人や芸術家の人たちが町とひとつになってアートを楽しむ施設。

GM

もちろん、小学生も大歓迎!

GM

未来の芸術家かもしれないし、未来のお客さんかもしれない。

GM

今日はどんな理由でここに来てくれたのかな~?

GM

空はちょっと薄曇りだけど、雨が降らなくてよかったよかった!

GM

体験教室もできるし、ミュージアムショップもあるよ。

GM

ではみんなそれぞれの理由で訪れた、という感じで。

お姉さん

「こ、こんにちは~……アートパークへようこそ~……」

GM

小学生以下のお子様には職員がひとりついて案内してくれます。

お姉さん

(わ~……小学生のお客様~……子供って、苦手……)

GM

お姉さんは少し違うタイミングで入ってきたみやびちゃんとうのはなちゃんに声をかける。
小グループ制。

空摘 卯花

知らない人とグループだ……ちょっと控えめにぺこり。

羽ノ浦みやび

「よろしくおねがい、します!」げんきよくごあいさつ!

空摘 卯花

「よろしくおねがいします……」
ぽそぽそ、とご挨拶。

お姉さん

「アートパークではぁ……アート体験や、美術館のご案内を……させていただき……ましてぇ」

羽ノ浦みやび

「わ~!何年生?どこ小学校?」

お姉さん

こちらもぽそぽそ。

ファズ

「おおん?これが案内係か~!?
 たよりなさそうなね~ちゃんだな~!!」 つついてる

パーシヴァル

みやびの背後には背の高い大人が立っている。

空摘 卯花

情報量が多いよぉ……!

羽ノ浦みやび

「わっ!とりちゃんだ!」

パーシヴァル

スーツを着ているが、手や顔を見上げれば、それが人でないとわかるかもしれない。

空摘 卯花

おねえさんのお話に曖昧に頷きながら、視線はすらりとした男の人……の、人形? を見上げる。

ファズ

「おん?おん?お~~ん??」
振り返ってしゅ~んと飛んでくる。

パーシヴァル

「みやび、お姉さんの話はちゃんとlisteningしなければならないよ」

羽ノ浦みやび

「おともだち?あ、みやびはね、羽ノ浦みやび!六年生!……と……」

ファズ

「なんだぁ?動くマネキンか~??背後霊か~~??」

羽ノ浦みやび

「は~い」

ファズ

キツツキさながらコンコンつつき始める

パーシヴァル

「パーシヴァルさ。よろしく、guitarのおばけくん」
【 羽ノ浦 みやび / パーシヴァル 】CHARACTER DATA

お姉さん

(子供って……大人の話を聞かないんだもん~!)

ファズ

「ぬん!?おじょーちゃんコレ見えてんのか!?」

ファズ

遅まきながらめくばせ。

パーシヴァル

丁寧に礼

ファズ

「へっへん!かっこいいギタァだぜえ!!」

パーシヴァル

「もしや、そちらのLadyも?」

ファズ

一礼返しにギャンと鳴った

空摘 卯花

「うん……わたしは五年生で……えっと……」
お姉さん困ってる……お姉さんが困ってるの伝わってくるよ……!

羽ノ浦みやび

えへへ、とわらって頷く。
指でジェスチャー。ないしょの、おともだち。

羽ノ浦みやび

それからお姉さんに向き直った。気をつけ!

お姉さん

マニュアル通りのことをぽそぽそと話し続けている。

空摘 卯花

声に出さないことばに、少しだけほっとする。
ないしょのおともだちがいるのは、この子も同じみたい。

ファズ

「コイツはウノハナだぜ!!俺のナウでマブな相棒!」

パーシヴァル

「よろしく、うのはな」
【 空摘 卯花 / ファズ 】CHARACTER DATA

空摘 卯花

「いっつもつっつくくせに~……うう、よろしくおねがいします」
小さく文句を言って、パーシーさんにもぺこり。

ファズ

「マブだからこそだろ~ウノハナァ~~!
 ゴアイサツなスキンシップだぜぇ!」

お姉さん

「……と、いうわけでぇ……えっと。ではまず……マップをくばります」

羽ノ浦みやび

くすくす笑っている。

GM

館内図をぺたり。

ファズ

「お!?ネジ工場とかねぇ~かぁ~~!?
 オモチャ工場だったんだろ!?パーツ!パーツ!」
 おばけのなかでは情報が混線している。

空摘 卯花

「工場だったのは昔の話だよ……あれ?」

空摘 卯花

「開かずの扉ってなんだろう」

お姉さん

「この建物は……古くからある……で、中庭は……あ、」

パーシヴァル

「funnyな地図だね」

お姉さん

中庭を指さしたとき、ぴたりと動きを止めた。

GM

雨が降って来る。

GM

天気予報にない雨。

空摘 卯花

窓の外から雨音が聞こえてきて、ちいさく口を開く。

羽ノ浦みやび

「あ」

羽ノ浦みやび

「ゴリラ豪雨!?」

空摘 卯花

「ゴリラ!?」

パーシヴァル

「ゴリラが降ってくるのかい?」

ファズ

「ゲロゲロだぜ~~!!」

お姉さん

「か、カサもショップでうってま~す……」

お姉さん

かわいいやつ……。

羽ノ浦みやび

「いきなり降ってくるからゴリラなんじゃない?」

お姉さん

「生憎の雨ですが、さっそく行きましょうか……」

ファズ

「ゴリラって急にふってくんのかァ!?こええなゴリラ!!」

空摘 卯花

「う、う~ん……? そうなんだ……?」
にわかあめとかはきいたことあるけど知らなかったな……ゴリラがいきなり来るって意味だったなんて……。

お姉さん

小さな旗をふりふり。
同じ色の旗をふたりにもわたして。

羽ノ浦みやび

興味はすぐに旗にうつる。かわいい旗!

空摘 卯花

旗をきゅっと握ってお姉さんに続く。

GM

館内を歩く……と、

GM

天井裏からぱたぱた、と足音がする。

GM

こんこん、と壁を鳴らす音。
ぺちぺち、と床下を叩く音。

GM

館内にお客さんはちょっとまばら。
大人の人が多いかも。

空摘 卯花

ぱたぱた。上を見上げる。
こんこん。横を向く。
ぺちぺち。足元に視線を落とす。

空摘 卯花

大人の人たちは、この音が気にならないのかな?

ファズ

「ヒュウ!響くぜェ~!!」
 ホールや廊下で騒いでいるのがいる。

ファズ

でも多分、これは だれにも聞こえていない。

お姉さん

「えっと。倉庫の方は、おもちゃ博物館だった頃のしゅうぞーぶつを展示している、特別展示室……なんですが。
今日は館長がいないので休館中です……」

お姉さん

音を気にしていない様子。

空摘 卯花

どっちだろう? ファズに出会ってから、卯花は周りの人をよく窺うようになった。
これが見えているのか、聞こえているのか。
これはどっちの世界のもの?

ファズ

「おもちゃァ!?!?」 とびついて
「聞いたか!?ウノハナァ!!おもちゃだってよ!!!」

空摘 卯花

「わあっ」
とびつかれて小さく声を上げる。

パーシヴァル

「ずいぶんと賑やかなbuildingだね」

ファズ

飛び回る羽は風を切ってヒュンヒュンと音がする。

パーシヴァル

「退屈せずにすみそうだ」

羽ノ浦みやび

「ね、にぎやかだね」

お姉さん

(う~~~またネズミ?)

お姉さん

(やだなあ……)

空摘 卯花

「うん……」
この賑やかさは、どうやらないしょのものらしいと分かる。

GM

では、このまま時間を進めていきましょう。


 雨 

GM

みんながひととおりアートパークを見て回って、帰るころ。夕方。

GM

玄関がざわついている。

GM

「台風だって!?こんな季節に?」

空摘 卯花

「えっ、台風……?」

GM

「ええ、駅の方まで冠水……?」

GM

「電車もタクシーも動いてないってさ」

羽ノ浦みやび

「えっ、もしかして」

羽ノ浦みやび

「帰れない……?」

パーシヴァル

「oh」

羽ノ浦みやび

少し不安そうにパーシーを見る。

GM

スマホから流れるニュースの音。

空摘 卯花

「え、ええっ……うそ……」

ファズ

「なにしてんだよぉ~早く帰ろうぜ~」
 人間様の事情はおかまいなし。
 不機嫌そうに髪の毛を引っ張っている。
 目当ての物が見つからなかったからである。

GM

ざわつく数人の大人の声。

GM

異常気象ー、だとか。
過去に例を見ないーだとか。

GM

台風と言いつつ、雨足はそんな強くなさそうに見える。

GM

「僕は歩いて帰るぞ」

GM

言い出した青年が雨の中飛び出していく。

パーシヴァル

「今日はお泊まり会かもしれないね」

GM

飛び出して行って、数分後。

GM

濡れネズミになって帰ってきた。

GM

「???」

GM

「なんであんなに歩いたのに駅に行けないんだ……」とブツブツ言いながらショップのタオルで頭を拭く姿。

空摘 卯花

前が見えないほど大雨なのかなあ……。

羽ノ浦みやび

「なんだか……たいへん?」卯花ちゃんと顔を見合わせる。

羽ノ浦みやび

ちょっと、わくわくの気持ちが込められている。

お姉さん

「えっと、というわけで……ごめんね、今日はふたりともここでお泊りになります」

お姉さん

「お父さんお母さん……に連絡するから、えっと……電話いっしょにきてくれる?」

ファズ

「おおん?お泊りィ?? つまり……どういうことだァ!?」

お姉さん

大人同士の相談が済んだのかさっきのお姉さんがやってきた。

ファズ

お姉さんのあたまのうえをぐるぐる回っている
「せつめいしろ~!」「どういうことだァ~?」

羽ノ浦みやび

「わあ。そんなにすごいんですか」大人と話すのもけっこう平気。

空摘 卯花

「え、えっと」
ちょっとソワソワ。

お姉さん

「うーん……よくわかんないけど……救助も来れな……いやこれ、言っちゃダメなやつなのか……」

お姉さん

後半はぶつぶつと小さくすぼみながら。

羽ノ浦みやび

「んと……みやび自分でも電話できるけど、うのはなちゃんは?」

ファズ

「はっきりしやがれコノォ~~~!!腹に力ァいれてしゃべれェ!!」

空摘 卯花

その苦情お姉さんじゃなくてわたしとみやびちゃんにしか聞こえないよ! ただわたしが苦情言われてるだけだよ!

羽ノ浦みやび

ひとりで遊びに行くことが多いのでこども用スマホを持っている……

空摘 卯花

「うん、わたしも電話ならできる……」
機能制限つきだけれど、こども用のスマホは持っている。

パーシヴァル

「救助もこれない……hmm……」

お姉さん

(えっ……今の子、そんなちゃんとスマホ持ってるんだ……?)

空摘 卯花

習い事とかで日が暮れることがあるので……。

お姉さん

「うーん……なんか、……ごめんね?」

お姉さん

「せっかく来てくれたのに……っていうか」

空摘 卯花

大人の人に謝られるのもちょっと困るな、と思いつつ首を振る。

お姉さん

(うう、他の職員がみんな男の人だから、私が対応するしかないよぉ~……)

羽ノ浦みやび

「だいじょうぶです!」

羽ノ浦みやび

「みやび、こういうの楽しいので!」

お姉さん

子供に気を遣わせる大人である。

空摘 卯花

実はそう。ちょっとどきどきしているのだ。

羽ノ浦みやび

にこにこ。

ファズ

「謝るくらいならあそこのガラスをはずせ~!
 おもちゃをバラバラにさせろィ!!ネジを出せ~~」
 展示物を触らせてもらえなかったのを根に持っている。
 うるさい。

お姉さん

「じゃ……いろいろ準備しようか……」

空摘 卯花

色んなものがたくさん売ってるデパートでお泊まり……なんて、なんだか夢のよう。

空摘 卯花

めっちゃクレーム入れてるぅ~!


 おもちゃ博物館 

GM

そんなこんなで夜。

GM

まだ真夜中じゃなくてだいじょぶ。

GM

職員のシャワーを使わせてもらって、お泊りのお部屋。

GM

お姉さんがシャワーの順番のあいだ、お留守番をしているふたり。

GM

倉庫に近い体験教室の準備室。

パーシヴァル

「わくわくするね、みやび」

羽ノ浦みやび

「うん!」

パーシヴァル

「うのはなも、楽しみかい?」

空摘 卯花

「うん……じつは、ちょっとだけ」

空摘 卯花

三角座りで揃えた足がぱたぱたと動いている。

ファズ

「ウノハナまじかよ~~!?全然なんもないぜココ~??」
騒ぎつかれてややくったりしている。

ファズ

なんか妙に静かだし、音楽もテレビもない。
楽器おばけにとっては刺激の少ないばしょかもしれない。

羽ノ浦みやび

「んふふ。ヒニチジョータイケンだね!」

空摘 卯花

「お店に泊まるのってなんだかドキドキする……」

GM

そのとき。

GM

準備室に置かれている、ミニチュアハウスからカタン!と音。

GM

タタタタタ!

GM

小さな、足音。

空摘 卯花

びくっ。

GM

それに続く足音がもうひとつ。

GM

もう、ひとり?

GM

ネズミというよりも、人間の足音のように聞こえる。

GM

革靴を鳴らすような小さな、足音。

羽ノ浦みやび

まばたきして、耳を澄ます。

GM

タタタタタ、タン!

GM

ジャンプ!

パーシヴァル

「おや?」

GM

ミニチュアハウスの明かりがつく。

GM

「わっ!」

GM

「バカバカ!」

GM

小さなひそひそ声。

羽ノ浦みやび

「なんか、いるね……?」

空摘 卯花

「…………」
思わず手で口を覆ったまま、こくこくと頷く。

ファズ

いつもうるさい楽器おばけは、何も気づかずだらだらごろごろしている。
おかげか、小さな音も遮られずに伝わってくる。

???

そっと、ミニチュアの窓から覗く顔。

???

もうひとり。

???

もう、ひとり!

???

もうひとり?

???

もういっぴき!

???

???

!?

パーシヴァル

「oh」

羽ノ浦みやび

そーっと、そーっと。
よくできたミニチュアの窓を覗き込もうとして……目が合う。

空摘 卯花

つぎつぎ現れる人形たちと、おもちゃたちと、……さいごのはなに?

羽ノ浦みやび

道路とかで壊れてるやつ……!

???

「わっ、わわっ」

???

「見つかっちゃった……!」

???

「だから言ったじゃねえか!電気つけるなって……」

GM

言い争いをするおもちゃたち。

ファズ

「おん?」むくっと起き上がる

ファズ

「おんおんおん????」

ファズ

ずりずりずり にじり寄ってくる。

ファズ

「おい!ウノハナ!!!!なんかうごいてっぞ!!!!!!」

ファズ

爆音。

パーシヴァル

「彼らもおばけなのかな……?」

空摘 卯花

「うわわわわ、ファズ、声おっきいよ……!」
慌てて小声で止める。

???

ぴぇっ!

ファズ

「ホゴゴゴゴゴ!!」ギュイーーーッと、消音される。

GM

とん!とあいだに割って入る者がいる!

くま

「落ち着けお前たち」

くま

ちょうど両手で抱えるサイズのテディベア。

くま

「ヘイ、お嬢ちゃんたち」

くま

みやびちゃんとうのはなちゃんをたばこで指して。

空摘 卯花

「……」
あっ、指されてる。一拍置いてお返事。
「……はい」

羽ノ浦みやび

「かわいい~~!!くまちゃん!」

くま

見ればテディベアの半分は猫。
半分は熊。ヘンテコな形をしているようす。

羽ノ浦みやび

「ねこちゃん……?」

空摘 卯花

「くまさん……?」

羽ノ浦みやび

「熊猫ちゃん……?」

ノワール

「おれはノワール。私立探偵だ」

ノワール

すぱーと煙草を吸う仕草。

空摘 卯花

吸えてるのかな……?

ノワール

吸えてるわけねえじゃねえか!

空摘 卯花

ええっ……そっかあ……。

ノワール

「スーー……どうやら、お前さんたち。厄介な事件に巻き込まれちまったらしいな」

パーシヴァル

「detective……」

ファズ

口をパクパクさせている(消音)

羽ノ浦みやび

「事件って?」

空摘 卯花

「小さい声なら喋っていいよ……」
音量調整。

ファズ

ギュイー

ノワール

「フーー……こいつぁ、“ヤラズ雨”だ」

ノワール

「たまにこの“失恋坂”周辺で起きる、超常現象ってやつだな……」

ノワール

「とはいえ、今回は……長いぜ」

ノワール

スパー。

空摘 卯花

「……超常現象? 台風じゃなくて……?」

ノワール

「大人は台風って言うだろうな」

ノワール

「で、だ。お前さんたちに頼みごとがある」

ノワール

「この私立探偵ノワールの助手をしてほしい」

羽ノ浦みやび

「助手!」

羽ノ浦みやび

「助手だって、パーシー!」

空摘 卯花

「助手?」
助手って、何するんだろう?

ファズ

「ジョシュゥ?? 
 オンオン!ちびどもとっつかまえて小間使いか~ァ!?
 報酬は弾むんだろうなァ!?」

パーシヴァル

「fantasticだね!」

ノワール

「それなりの報酬はくれてやる」

ノワール

「なぁに、ちょいとおもちゃどもの依頼をこなすだけさ」

GM

今回は学校フェイズがない代わりに「依頼フェイズ」が入ります。

GM

おもちゃたちの頼みごとを聞いてあげると、おこづかいかお菓子がもらえます。

ファズ

(ネジはねェのか~!?ボタンはよぉ~~!?)

GM

おもちゃたちは全員で6種類!
今回の事件は3日間。
そのうち、「依頼フェイズ」をこなせるのは3回だけ!

GM

誰の依頼を聞くのか色々吟味してね!

GM

全員の依頼を聞きたい?

ノワール

「ぜんぶの依頼をこなすのは、はっきり言って不可能だ」

GM

そのときは……この空間ははんぶんお化け屋敷になってしまっている!

GM

ので、それ以上の依頼をこなす場合、眠気を支払ってもらうことになる!

ノワール

「出来る範囲で頑張りな」

ノワール

「それとは別に、この“ヤラズ雨”についても調査しねえとな……」

ノワール

「……おっと、あ……姉ちゃんが戻って来るぜ。みんなずらかるぞ」

ノワール

「それじゃあ、大人のいないところでまた会おう」

GM

おもちゃたちが倉庫に引き上げていく。

羽ノ浦みやび

「あっ、……またね」
ヤラズ雨について詳しいことも聞きたかったけど……ばいばいする。

ファズ

「前報酬置いてけよォ!!! …あっクソ!!」
 つつこうとして、空振り。素早いおもちゃめ……

空摘 卯花

「えっと、……また」
今度は大人の人の足音が近づいてくる。
ひそひそ声であいさつだけして、ミニチュアハウスから身を離した。

パーシヴァル

「地道にchallengeしていくしかなさそうだね」

お姉さん

シャワー上がりのお姉さん。

お姉さん

「……ふー……あ、同室で……よろしくね」

お姉さん

「えっと……」

お姉さん

「……そうだ、名前。名前……」

お姉さん

「二人のお名前は?」

羽ノ浦みやび

「はい、羽ノ浦みやびです!」

空摘 卯花

「えっと……空摘卯花です」

ファズ

「ファズだぜェ~~~~!!」

お姉さん

「みやびちゃんに、うのはなちゃん……ちょっと、ぐうぜん」

都 紫陽花

「私は、都 紫陽花って言うの……よろしくね」

パーシヴァル

「よろしく、あじさい」

羽ノ浦みやび

「あじさいおねえさん!」

空摘 卯花

お姉さんもお花の名前だ。
「よろしくお願いします。……あじさいさん」

都 紫陽花

(名前負けしてるから、この名前嫌いなんだけどね~……)

GM

お姉さんは都内の美大生だということと、ここでアルバイトをしていることを話してくれました。


  

GM

サイクル数としては。
「依頼フェイズ」4回(4おもちゃぶん)
「放課後フェイズ」2回(各4人)
「真夜中フェイズ」2回(各4人)

GM

という感じでやっていきます。

GM

GM

さて、今回の仕様ですが。
放課後フェイズ(調査)と依頼フェイズをどっちか好きな方から始めることができます。

GM

続いても大丈夫。好みの方からはじめてね。

GM

依頼フェイズは学校フェイズの代わりにあるものなのでイノセントのみ挑戦できます!

GM

もちろんスプーキーがお手伝いすることもできる。

GM

では、決まってるうのはなちゃん側からやっていきましょうか。

空摘 卯花

はい! では依頼フェイズをお願いします……

ファズ

やるぜぇ!!!

GM

ご依頼フェイズではSETを振ってもらって、その後のエピをPSETで処理してもらおうかな。

空摘 卯花

SET 学校イベント表(12) > それぞれに色々なことがあった。イノセントは、各自1回ずつ2d6を振り、個別学校イベント表の指示に従うこと。

空摘 卯花

PSET 個別学校イベント表(8) > クラスでオバケの噂を耳にする。《うわさ話/友達3》の判定に成功すると、GMからそのセッションで出てくるオバケの外見や情報を教えてもらうことができる。

羽ノ浦みやび

PSET 個別学校イベント表(11) > 今日は全校集会があった。《がまん/友達5》で判定を行う。失敗すると貧血で倒れ次のサイクルは行動できなくなる。

空摘 卯花

2D6>=7 (判定:がまん) (2D6>=7) > 11[5,6] > 11 > 成功

羽ノ浦みやび

2D6>=6 (判定:優しさ) (2D6>=6) > 10[5,5] > 10 > 成功

GM

2人とも成功ですね!

GM

今回ご依頼をこなすのはうのはなちゃんなので~。

GM

ではうのはなちゃん!誰の依頼をこなしますか?

空摘 卯花

ファズからボタン取ってこいって言われてるからボタン持ってそうな子……。

空摘 卯花

ロボットさんかな?

ファズ

(熱いまなざし)

空摘 卯花

ロボットのRRRさんの依頼をこなしてみます!

GM

は~い。

ファズ

ヒュ~~ウノハナナイス~~!

ファズ

っぱ、マブだからな!!

空摘 卯花

なんなんだろマブって……。

ファズ

なんか…アレだよ……ゲキトモ的な……

空摘 卯花

分かんない言葉の説明に分かんない言葉来ちゃった。


 RRRの依頼 

RRR

ピガーッ

空摘 卯花

「え、ええと……ロボットさんの困りごとは……?」

RRR

「トモダチ……トモダチ……」

ファズ

「オウ!マブだぜ!ダチだぜ!」

ファズ

「ネジよこせ!!」

ファズ

ギュン! 飛んでってつつく

RRR

「トモダチの コト……知リタイ……」

RRR

「ウワサバナシ……」

ファズ

コンコンコン!!
「……ダチ?ウワサ?」

RRR

「ピガーーッ 小学生!」

RRR

「テンサイハカセ!」

GM

うのはなちゃんの学校にそんな子がいたような……。

空摘 卯花

「え? え? う~ん……」
そういえばそんなあだ名のクラスメイトがいたっけ。

RRR

「ガピッ」

空摘 卯花

「ハカセくんの噂が知りたい……のかな?」

RRR

「ピーッ!知リタイ!知リタイ!」

ファズ

「おんおん?ウノハナなんか知ってんのか?」

RRR

「ハカセ!トモダチ!」

RRR

「RRRノ……トモダチ」

空摘 卯花

「そうなんだ……」
あの子もオバケと友達なんだ。知らなかったな。

ノワール

「このおもちゃどもは一昔前のおもちゃどもだ」

ファズ

「ハァン…ダチのダチはダチっつーもんな……」

ノワール

「おそらく父親かじいちゃんのことかもな」

ノワール

「でも関係ねえ!孫のことだろうが、子供のことだろうが……」

ノワール

「うれしいもんだぜ、近況が知れるってえのは」

ファズ

「? ジジイともダチになれんのか?」

RRR

「ガピピ」

空摘 卯花

「そ、そうなの……?」
いいのかなあ。このロボットさんが聞きたい人とは家族だけど別の人の話になっちゃう……。

空摘 卯花

「……あ」
ハカセくんの家族といえば、そういえば。

空摘 卯花

「うーんと……ハカセくんね、好きな食べ物は酢昆布なんだ」

RRR

「ピーッスコンブ!」

RRR

頭のアンテナがフル回転。

ファズ

「スコンブ!」 言ってみたけどなんのこっちゃ

空摘 卯花

「年寄みたい、ってみんなで笑ったんだけどね。ハカセくんはおじいちゃんと一緒に食べてたから好きになるのも当然なんだ、って自信満々」

RRR

「ピーーッ……」

RRR

「ハカセ……」

空摘 卯花

「ハカセくんの言うことだからそうかも~なんて、みんな言っちゃって。ちょっと面白かったなあ」

RRR

「ワレ モ」

RRR

「スコンブ ダイスキ」

ファズ

「ロボもスコンブ食うのか~~!!?」

空摘 卯花

「食べられるの……!?」

RRR

「ワレ オバケダゾ」

空摘 卯花

「たしかに……?」

RRR

「アリガトウ ハカセ ノ コト 聞ケテ ウレシイ」

ファズ

「な~な~ウノハナ、
 スコンブって……電池みたいなやつなのか……?」

ファズ

「ハカセって…………ヤベーダチだな……」

RRR

「ガピッ」

空摘 卯花

「え……? よく知らないけど電池ではない……かな」

RRR

「スコンブ ヤロウカ?」

RRR

ネジではなく。

ファズ

「ギュイー?」首をかしげる

ファズ

「いらね~~~よ!!!」

ファズ

「それよかネジだよ!!ネジ!!!」

GM

もらうのはおこづかいかお菓子を選べます。

ファズ

ネジは!!?!?!?

空摘 卯花

ボタンもネジもないのだった!

空摘 卯花

「あっ、えっと……それじゃわたしがもらうね。ありがとう」

ファズ

詐欺だァ!!!!!

空摘 卯花

お菓子をもらいます!

GM

お菓子をプレゼント!

ファズ

「なんっっっでだよォ!!!!!」

GM

食べると眠気が1d6回復します。

空摘 卯花

やった~!
[ 空摘 卯花 ] お菓子 : 0 → 1

RRR

「ガピピーッ スコンブ スコンブ」

ファズ

「こんのポンコツロボット!!!!」

ファズ

スコンスコンスコン

ファズ

連打している。

空摘 卯花

「やめなよファズ! よけいに壊れちゃうよ……」

RRR

「ガピピーッ」

ファズ

「ネジを出せェ~~~~ッ」 ギュイ~

空摘 卯花

連打を手で受ける。スココココ

ファズ

ムニニニニニ

空摘 卯花

アワワワワ


 失恋坂 

GM

では、みやびちゃん。
ちょっとくらくらしながらも調査に向かいます。

羽ノ浦みやび

ふにゃふにゃ……

羽ノ浦みやび

ちょっとだるいけど、ヤラズ雨のことが気になった。
もしもこのまま帰れなかったらみんな大変だし……

羽ノ浦みやび

「ノワール……さん、ヤラズ雨って、なにか原因があるの?」

ノワール

「ウワサじゃあ“失恋坂”のおひいさんの呪いだとか言われてるが」

ノワール

「あ……姉ちゃんならここの歴史も知ってるだろ、聞いてみたらどうだ」

羽ノ浦みやび

「しつれんざかのおひいさん」哀しいロマンスのかおり……

ノワール

スパー。

羽ノ浦みやび

「あ!あじさいおねえさん!」

羽ノ浦みやび

「そうだね。聞きに行こうか、うーちゃん」

空摘 卯花

「う……うん」

空摘 卯花

いつの間にかあだ名になってる。

羽ノ浦みやび

おててつなご!

空摘 卯花

わわ……控えめにつなぎます。きゅ。

ファズ

「お!連結ごっこか!?」

空摘 卯花

「電車ごっこじゃないんだから」

羽ノ浦みやび

わ~!ぱたぱたぱた…… 
あじさいおねえさんを探しましょう。

羽ノ浦みやび

「ファズちゃんもつなぐ?」

ファズ

オレもまぜろ~~!!!! 背中を押しているぐりぐり

パーシヴァル

ふわふわしている

ファズ

「ったりめェよ!!」

ファズ

腕とかないが……

都 紫陽花

非常事態なのに~非常事態だからか~仕事がある~。

空摘 卯花

ワ~ッ じゃあ空いてる方で……お手手どこ? 分からないので羽をきゅっ。

都 紫陽花

事務室で仕事をしています。

ファズ

テロン… 腕にぶら下がっている 

都 紫陽花

「え~ん……災害時のマニュアル……各所連絡……」

羽ノ浦みやび

おとながいそうなところ…… 事務室!
「あじさいおねえさん!いまちょっとだけだいじょうぶですか!」

都 紫陽花

「ほぅア!だ、だいじょうぶ」

都 紫陽花

「だよ~……」

空摘 卯花

ちょっとだいじょうぶじゃなかったかもしれない。でもヤラズ雨のこともだいじなんです……。

羽ノ浦みやび

「えっと、あのね、失恋坂のことを……調べてます!」

都 紫陽花

「失恋坂……」

羽ノ浦みやび

「おひーさん?がいた?のかな?本とかありますか?」

都 紫陽花

「ええと、さっき案内した通り、このへんは昔失恋坂って呼ばれてて……」

都 紫陽花

「このあたり、流れのはやい小川があるのね……江戸時代?あたりからあるらしくて」

都 紫陽花

「工場の~……用水路?にも使われてたらしいんだけど……」

都 紫陽花

「その、小川っていうのが失恋したお姫様の流した涙でできたっていう昔話があってね……」

都 紫陽花

「お姫様のお墓……っていうか、ううん……記念碑?が中庭にあるんだけど」

都 紫陽花

「深井戸で危ないから閉鎖してるの」

パーシヴァル

「なかにわ」

空摘 卯花

「いど……」

羽ノ浦みやび

「おひめさま……!」

ファズ

話なげぇな~とブンブン飛んでいる

空摘 卯花

「ええと……お墓なのに、井戸なんですか?」

都 紫陽花

「ン~~……」

都 紫陽花

(これ子供に話していいやつなのかな~……?)

都 紫陽花

「えっと……」

羽ノ浦みやび

好奇心のまなざし……

都 紫陽花

「とびこみ~……!みたいな……」

都 紫陽花

「……わかる?」

パーシヴァル

「oh」

羽ノ浦みやび

「み……身投げ!」

羽ノ浦みやび

「このよをはかなむやつだ!」

ファズ

「お!バンジーか!?」

空摘 卯花

「とびこみ~……」
ぽくぽくぽく、チーン。
なんか……ドラマとかで見たかも。

都 紫陽花

(知ってた……!)

パーシヴァル

「悲しいstoryなのだね」

ファズ

「?? 楽しくて叫ぶやつじゃねェの??」

空摘 卯花

「バンジージャンプと違って、ひもがないの……」

羽ノ浦みやび

「昔の人はねえ、かなしいことがあるとすぐ死んじゃったんだよ」

羽ノ浦みやび

哀しいstoryだね……

都 紫陽花

(小学生ってこんななの……?)

ファズ

「オイオイまじかよ!!スリリングじゃねぇか!!」

空摘 卯花

「そうなんだ……なんだか、こわいね」

ファズ

「むかしのニンゲン、めっちゃロックじゃねェの……」

都 紫陽花

「夜になるとそのお姫様の幽霊が出るとか、出ないとか」

都 紫陽花

「ウワサもあるらしいけど~……」

空摘 卯花

「ゆうれい……!」

パーシヴァル

「おばけかな」

羽ノ浦みやび

「おばけ!!」

都 紫陽花

「よくある都市伝説だよねえ」

都 紫陽花

「皿屋敷の井戸だってそこらじゅうにあるし……」

ファズ

「ふ~ん!ロックなおばけなら会ってみてェな!」

羽ノ浦みやび

「おねえさんは、おばけ会ったことありますか?」

都 紫陽花

「え?」

都 紫陽花

「な、ないかな~……」

都 紫陽花

「いるわけないよ~」

羽ノ浦みやび

パーシーをちらっと見る。

ファズ

「いかにもつまんね~顔してんもんな~」

ファズ

「そうだ!井戸に突っ込んでみよ~ぜ!!仲間入りだ!!」

空摘 卯花

あじさいおねえさんに、あいまいな笑みを返し。

パーシヴァル

肩を竦めて鳴らす

空摘 卯花

「怖いこと言わないでよ、ファズ~……!」
ひそひそ声でおばけに怒るのでした。

ファズ

「ギャギャ!オレサマだっておばけなんだぜ~~!?」

都 紫陽花

こちらも曖昧な笑みを返す……。

都 紫陽花

※笑ってない

羽ノ浦みやび

「んと、じゃあ、……ありがとうございます。また何か訊きにくるかも!」

都 紫陽花

「あ、うん~……うん?……そう、じゃあ……」

都 紫陽花

(とりあえず手を振った)

空摘 卯花

「ありがとうございます。えっと、それじゃ……しつれいしました」

羽ノ浦みやび

ぺこ!と元気よくお辞儀すると、うーちゃんの手を引っ張ってせかせかと去って行きました。嵐のごとく……

空摘 卯花

ぺこり。

都 紫陽花

(子供、よくわかんないよ~……!!)

GM

判定をしてなかった。

GM

そうだな……【集める】で。

羽ノ浦みやび

2D6>=7 (判定:優しさ) (2D6>=7) > 7[1,6] > 7 > 成功

GM

成功!

GM

では~ン。

パーシヴァル

すごいぞみやび

GM

お姫様のお名前がわかりました。

GM

「おみなえし」というお名前だったそうです。

GM

GM

情報タブにペタリンコしておきました。


 Mr.takoの依頼 

GM

調査フェイズ残りの手番はファズくんとパーシーさんが残ってる感じ。

GM

手分けする感じでパーシヴァルさんからやっていきましょか。

パーシヴァル

yes

GM

誰にinterviewしますか?

GM

1d6できめてもいいです。

パーシヴァル

では、1d6でたまたま見つけたおばけにきいてみようか

パーシヴァル

1d6 (1D6) > 4

GM

Mr.tako!

パーシヴァル

Mr

Mr.tako

Hey

Mr.tako

Hola!

パーシヴァル

偶然にもencounterした彼に、interviewだ!

Mr.tako

レゴのほうれん草を刻んでいる。

パーシヴァル

「ciao、Mr」

Mr.tako

「Hola! 君は~ン~、Mr.パーシヴァル!」

パーシヴァル

「yes!ご機嫌なレゴ捌きだね」

Mr.tako

「そうだろう!そうだろう!今日は野菜いっぱ~いのピンチョスを作っているのサ」

パーシヴァル

ふわりと飛んで手元(足下?)をのぞき込む

Mr.tako

オリーヴのレゴ。
パプリカのレゴ。

Mr.tako

「何か用か~い?」

パーシヴァル

空中に足組をしてとどまり

パーシヴァル

「yes、実はね」

パーシヴァル

「ここのgardenに井戸があるだろう?」

Mr.tako

「Ah! 見たことはないけどね」

Mr.tako

おもちゃのナイフでトマトを刻む。

Mr.tako

もちろんレゴだ。

パーシヴァル

「おとながいうには、『おみなえし』というおばけが関係しているらしいんだが……」

パーシヴァル

「do you know?」

Mr.tako

「Sí 不思議な名前だよね」

Mr.tako

「ン~その前に出来上がったこのピンチョスを食べてくれないか!」

パーシヴァル

「oh」

Mr.tako

「パクパク、パクパクと!おいしそうに!」

Mr.tako

※レゴ

GM

おばけ判定でレゴを食べてもらうか……。

パーシヴァル

2d6>=9 (2D6>=9) > 7[2,5] > 7 > 失敗

パーシヴァル

お助け2で成功するよ!
[ パーシヴァル ] 魔力 : 15 → 13
[ パーシヴァル ] 魔力 : 13 → 12

パーシヴァル

あとおばけ判定分だ

GM

成功です!

パーシヴァル

マナーは大事だからね!

パーシヴァル

スーツのポケットから取り出したhandkerchiefを首元へはさみ

パーシヴァル

「いただくよ」

パーシヴァル

片手で木彫りの口元を隠すように、ピンチョスを口へ運ぶ

パーシヴァル

がり、がり。

Mr.tako

「Muy bien...!たくさん食べてくれ」

パーシヴァル

「うーん、delicious!」

Mr.tako

よろこんでいます。

パーシヴァル

手を離したときには完食している。

羽ノ浦みやび

(がりがり言ってる……)

パーシヴァル

「トマトがいいaccentになっているね!」

Mr.tako

「だろう!」

パーシヴァル

「素晴らしいchefだ」

Mr.tako

胸をはる。

Mr.tako

「ああ、そうだ。Princesa.おみなえしのことだったね」

パーシヴァル

「oui」

Mr.tako

「ギャラリーのどこかに彼女の肖像画と彼女にちなんだ花の作品が飾られているらしいよ」

Mr.tako

「お墓に行くならそっちも見て見たらどうだい」

パーシヴァル

「hmm」

パーシヴァル

「ありがとう、Mr。友人と相談してみるよ」

Mr.tako

手を振り振り。

Mr.tako

手?

GM

Mr.から得られるお話はこんな感じです。

パーシヴァル

thank you


 雨の中庭 

GM

では次はファズくん行きましょうか。

GM

お墓の方でよいかな?

ファズ

それじゃあお墓に行っちゃお!

GM

中庭に行くには~。傘が必要だ!

GM

傘たての傘を借りてGO。

空摘 卯花

ついてきます。傘は……ちょっとだけ借りちゃう。

GM

降りしきる雨。
中庭もザーザー。

ファズ

オー!雨降りの最中だったんだぜ!

空摘 卯花

深井戸だから閉鎖してるんだっけ。落ちなきゃ大丈夫だよね……。

ファズ

「ウノハナまだかよォ~!!
 早くついてこねェとオレが濡れちゃうぞ!!!」

空摘 卯花

「地面もびしょびしょで歩きづらいんだよぉ」

ファズ

急かすように暴れまわっている 傘の中で

空摘 卯花

ちょっとだけ急ぎ足。

GM

空はなんか不思議な雰囲気。
遠くのビルがけぶっていて、なにもみえない。

ファズ

時々骨にツノがかすめて バツン!と雨をはじく。

GM

灰色の世界。

GM

到着。


 おみなえしの井戸 

GM

深井戸、という言い方のわりに小さな井戸。
今はイノセントひとり通れない。

ファズ

「オオン!?危なっかしいなァ!? コケんじゃねェぞ!!」

ファズ

「オレまで濡れちまうからな!!!」

空摘 卯花

大人用の傘はこども一人には大きいけど、賑やかなスプーキーと一緒ならちょうどいいくらい。
でもちょっと重いよね。

空摘 卯花

傘を後ろに傾けて、井戸をよく見てみる。
思ったよりも小さい。

GM

危ないから封鎖されてしまったのだろう。
覗き込むと、ちょっとだけ中が見える。

ファズ

傾けた傘の水滴が頭をかすめて びゃ!と首をひっこめる。

GM

封鎖された板をどかせば、イノセントひとりぶんくらいは入れるだろうか……?

GM

そばに小さい石碑がある。

GM

失恋坂伝説
「おみなえしの井戸」

GM

黄色いお花が落ちている。

ファズ

「ほ~ん?ここが例のダイブスポットか~??」 コンコン

ファズ

雨に濡れるのは嫌なのかちょっとひかえめだ。

空摘 卯花

「ダイブしないでよ、しんじゃうよ……」

ファズ

「オレァそんなドジじゃねェよぉ!」

空摘 卯花

けぶるような灰色の中で、黄色が鮮やかにひかるように見えて視線を落とす。

空摘 卯花

「おみなえし、もお花の名前なんだっけ」

ファズ

「オマエこそもっとちゃ~んと傘にぎってんだぞ!!
 足ふんじばっとかねェとクルクル~のヒョイでドボンだぜェ!」
花の名前にはあまり興味がないらしい。 首を傾げている。

空摘 卯花

わわわ。両手でぎゅっと傘の柄を握る。

GM

おばけ判定をしてもらうか。

GM

目標値は9だぜ~。

ファズ

そういやこいつの名前も花なんだっけか。
どうせ雑草みたいなやつなんだろうな!!

ファズ

そんなことをあれやこれやしながら、隙間からのぞき込む。

空摘 卯花

失礼なこと考えてる気がする……!

ファズ

2d6>=9 (2D6>=9) > 9[3,6] > 9 > 成功

ファズ

これぞ鍛え上げられたコンコンパワー!

GM

ではファズくんは~。

GM

蜘蛛の巣にひっかかります。
ねばっ。

ファズ

「ギュア!!!」 歪んだノイズが吐き出された

空摘 卯花

「うわあっ! どうしたの!?」

GM

ねばねば~ん。

ファズ

「ウノハナァ~~なんかキモいのくっついたァ~~」

GM

魔力を帯びた糸。
黄色いお花にもつながっている。

ファズ

首を突っ込んだ分だけ、蜘蛛の巣がべっちゃり

GM

数本束ねるのに使用されているらしい。

空摘 卯花

「うええ、蜘蛛の巣だ……よく見ないからだよぉ」

ファズ

ついでにお花がいくつかぶら下がっている。彩り。

ファズ

「だからってこんなの聞いてねェよぉ~~」

ファズ

とって とって

空摘 卯花

そろりと指を伸ばして蜘蛛の糸を摘まむ。ぺいっ。

ファズ

ぶるぶる。顔を振るうと残った蜘蛛の巣がとびちる。おはなもちょっと

ファズ

「オヒメサマとやらはこんなばっちいとこ棲んでんのか~!?」

空摘 卯花

「閉鎖されてるんでしょ、人もあんまり来ないんじゃないのかな」

ファズ

「ウエ~~ッ 手入れくらいしろよなァ~!!」

ファズ

「なんか変な気配もすっしよ~~ なんだこの蜘蛛の巣 ペッペ!」

空摘 卯花

ファズの顔から卯花の指に蜘蛛の糸が移って……これどうしよう。
その辺の草で拭っていいかな……。

GM

イイヨ。

空摘 卯花

ゴシ……。

空摘 卯花

ぺぺぺ。

GM

おばけの気配は今はない様子。

空摘 卯花

「へんな気配って、おばけの感じ?」

ファズ

骨折り損のなんちゃら儲けってやつかよぉ~

ファズ

「どっちかってーと、残り香?ミナモトとか~マリョク的な?」

GM

魔力を帯びた糸があったのと、それで束ねられたお花があった。

空摘 卯花

「のこりが……えっと、今はお留守なのかなあ」

GM

お姉さんは夜に幽霊が~って言ってたので、夜にはおばけがいるかもしれませんね。

ファズ

「そこの花がそーだな。誰かが持ってきたヤツかもな~」

空摘 卯花

「……?」
黄色い小さなお花を再び見る。
「誰かがお墓参りに来てるのかな」

ファズ

「どっちにしろここにオタカラはなさそ~だぜェ…」

空摘 卯花

「ネジやボタンはなさそうだもんね」

ファズ

「あのロボから無理矢理にでもせしめておけばよかったぜェ…」

空摘 卯花

「らんぼうなことしないでよ~」

空摘 卯花

ともあれ、今は“おみなえし”さまは居ないみたいで。
いないのならお話を聞くなんてこともできないだろう。

ファズ

「オレはジブンにショージキに生きてるだけだぜ~」

ファズ

その結果がこれであるが。

GM

中庭を歩く二人を、窓から眺める影。

ノワール

「……」

GM

その姿に気づいてもいいし気づかなくてもいい。

ノワール

たばこをくゆらせている。(煙は出ない)

ファズ

「とにかくここには洋ナシのスケってワケよ。ずらかろ~ぜ~!」
ついつい、傘の軸に絡んで骨をつついている。

空摘 卯花

「うん……引っ張らないでね、ふらふらしちゃうから」

空摘 卯花

傘を握り直して踵を返す、その隙間に。

空摘 卯花

ねこのようなくまのような、あの不思議な姿が窓の向こうにちらりと見えた。


  

GM

GM

さて、真夜中フェイズに入る前に~。

GM

展示室見に行くなら手番なしで見に行って大丈夫です。
マスターシーンあつかい!

パーシヴァル

「みやび」

羽ノ浦みやび

「ん」

パーシヴァル

「さっき、紳士的なMrに伺ったのだけど」

パーシヴァル

「なんでも、Ladyおみなえしの肖像画と、彼女のflowerにちなんだ作品があるらしいよ」

ファズ

ぶんぶん!身体をふりふり帰ってくる。
湿ったからだではいい音はでない!!
ギュルギュルまわって乾燥体操のようす。

空摘 卯花

二人がお話をしているところに、控えめにドアの開く音がする。
顔を覗かせるふたりは、顔やら足元やらがしっとり。

羽ノ浦みやび

「じゃあ、展示室に行って……あ、うーちゃん、ファズちゃん」

羽ノ浦みやび

「わ~、濡れてる!」

羽ノ浦みやび

だいじょうぶ?とハンカチを持ち出す。

ファズ

「聞いてくれよォ~!さっき井戸でえらい目にあってよォ~~!」

羽ノ浦みやび

緑のタオル地の、猫ちゃん柄ハンカチ。

空摘 卯花

お礼を言ってハンカチを受け取り、手や膝を少し拭く。
ネコチャン柄かわいいなぁ。

ファズ

構わずふたりの周りをぐるぐる飛び回っている。
おれのはなしを きけぇ~~

GM

みんなでかくかくしかじかまるまるうまうましよう。

パーシヴァル

「井戸に行ったのかい?」

空摘 卯花

かくしか~。

空摘 卯花

「うん。おみなえしさまには会えなかったけど……」

ファズ

まるうまぁ~!

パーシヴァル

hmhm

羽ノ浦みやび

「もしかしてその黄色いお花が、おみなえしなのかな?」

ファズ

「そ~なのか?」 くりっ 首傾げ

空摘 卯花

「そうなのかも」

羽ノ浦みやび

「みやびたちはね、展示室におみなえしさんの絵があるって聞いたから、みにいこうとおもって」

パーシヴァル

「みてみれば、同じお花かわかるんじゃないかい?」

空摘 卯花

「うん。わたしたちもいっしょに行っていい?」

ファズ

「お!競争か!? いくぜいくぜェ~!!」


 展示室 

GM

ではでは、展示室。

GM

ギャラリーの真ん中あたりにありました。

空摘 卯花

わ~っとファズを追いかけつつ、展示室到着。

パーシヴァル

ふよふよ

羽ノ浦みやび

「これかな?」

ファズ

ぎゅ~~んと行き過ぎて急回転。
「そっちか!!!」

パーシヴァル

華麗なる妖精族のぽーず

GM

肖像画に描かれていたのは、

GM

2人と同じくらいの歳の女の子の肖像画。

GM

裏地が蜘蛛の巣のきれいなお着物を着て。
すん、とすましている姿。

パーシヴァル

「素敵な女性だね、みやび」

GM

飾られている展示品はおみなえしの簪。

GM

井戸のほとりで見つけた黄色い花と同じだ。

ファズ

「女性ってーかコドモじゃネェか」

羽ノ浦みやび

「……うん、きれいな子だね」

空摘 卯花

「あ……井戸のとこにあったのと同じ花だ」

羽ノ浦みやび

「こどもでもレディはレディなんだよっ」

ファズ

「そういやおんなじ色だな!!」

パーシヴァル

「ほう」

ファズ

「フゥン!でもガキはガキだぜェ~~??」

羽ノ浦みやび

「やっぱり、このお花がおみなえしなんだ……」

羽ノ浦みやび

「ファズちゃんお口わる~い」つんつん。

GM

……そして、肖像画をよく見ると。
イノセントとスプーキーにならわかるかも。

ファズ

ふんふん!ロックだろ~~! エヘンエヘン

GM

肖像画に描かれている影に見えるそれは、たぶん人型のスプーキー。

パーシヴァル

「amazing」

GM

パーシヴァルさんにちょっと似てる。

羽ノ浦みやび

「……パーシー……なわけないか」

羽ノ浦みやび

パーシーを見る。

空摘 卯花

「……居るね……パーシーさんじゃないけど」

ファズ

「オバケのソラニってやつかァ~!?」

パーシヴァル

じっ

羽ノ浦みやび

「……知り合い?」

パーシヴァル

「hi」

パーシヴァル

手を振ってみる

パーシヴァル

「ここにいるわけではないようだね……」

ファズ

首をかしげて 交互に見る

パーシヴァル

「これをdrawingした画家は、おばけがみえていたのかな」

空摘 卯花

「それに、いっしょに描かれてるってことは、おみなえしさまもオバケと友達だったのかな」

羽ノ浦みやび

近づいて、じっと覗き込む。

ファズ

「それはアメージングなサムシングだぜェ!?」

GM

ただの絵だけれど、表面にてらてらとしたもの。

GM

蜘蛛の糸。

羽ノ浦みやび

「あ。蜘蛛の糸だ」

ファズ

「ウエッばっち!!!!」

羽ノ浦みやび

指でとっちゃう。

ファズ

「オオ……」

空摘 卯花

掃除がちゃんとされてないのか、それとも……。

空摘 卯花

「ファズ、これもへんな気配する?」

GM

他の空間はきれいに掃除されてます。

羽ノ浦みやび

「お墓にも、蜘蛛の巣あったんだもんね。関係あるかも」

パーシヴァル

「誰のものかな」

GM

魔力を帯びている。

ファズ

スンスン……
「ウェ~……マァ、そうだな………ウン…」

ファズ

「さっきとオンナジ感じのヤツがする……ゥ」

羽ノ浦みやび

「やっぱり!」

パーシヴァル

「detectiveみやびだね」

羽ノ浦みやび

えへん

ファズ

身震いをして跳ね上がる

空摘 卯花

さっきも嫌がってたもんね……。

GM

ギャラリーはこんなとこです。
マスターシーンとしてはこんな感じ!

羽ノ浦みやび

お手々をハンカチで拭き拭き……

GM

GM

では真夜中フェイズに入っていきましょう!

GM

次回は真夜中フェイズから!


 1日目:夜 

GM

ではではあ~。

GM

やっていきましょう!
[ ファズ ] 魔力 : 15 → 14

GM

ではまずは~ぬけだしが成功するからかだ!

GM

【隠れる】を目標に。

羽ノ浦みやび

2D6>=9 (判定:ウソつき) (2D6>=9) > 2[1,1] > 2 > ファンブル(【眠気】が1d6点上昇)

空摘 卯花

2D6>=11 (判定:読書) (2D6>=11) > 7[2,5] > 7 > 失敗

羽ノ浦みやび

1d6 眠くなっちゃうよ~ (1D6) > 5
[ 羽ノ浦みやび ] 眠気 : 0 → 5

GM

ねむむだね……。

GM

さて、ふたりがおふとんのなかでもぞもぞしていると……。
天井裏で物音。

ノワール

「し~っ、黙ってな。お嬢ちゃんたち」

羽ノ浦みやび

「んん……?」おふとんから顔を半分だけ出して、天井を見る。

ノワール

【ねないこ誰だ】を紫陽花に使用します。

都 紫陽花

2d6 (2D6) > 7[1,6] > 7

都 紫陽花

すや……。

空摘 卯花

「……!」

ノワール

しゅた!天井裏から降り立つ。

ノワール

「ふう、ようやく寝たか……」

ノワール

紫陽花お姉さんの頭をぽんぽんとやさしく叩いて。

ノワール

「さ、行きな」

羽ノ浦みやび

「わあ」

羽ノ浦みやび

「ありがとノワールさん!」

空摘 卯花

「ありがとう……」
お姉さんを横目に窺いつつ起き上がる。

ノワール

ぽす、とテディベアよろしく布団にころりと転がった。

羽ノ浦みやび

布団からもぞもぞ抜け出す。いつもならわくわくで抜け出していたのに、今日はなんだか身体がちょっと重い。雨のせいかな……。

ノワール

「おれに構わず行くんだ!」

羽ノ浦みやび

「そ、そんな!置いてけないよ!」ノる。

空摘 卯花

映画みたいな台詞が、なんとなくハードボイルドな格好に合っているような、でもぬいぐるみのかわいらしさとちぐはぐなような。

空摘 卯花

「……の、ノワールさんの犠牲をむだにしない~……」

空摘 卯花

「な、なんちゃって」

羽ノ浦みやび

「ううっ……ノワールさん…… あとで絶対助けにくるからね……!」

ノワール

2人が去って行ったのを眺めながら。

ノワール

「こういうのも随分と久しぶりだ、なあ……」

GM

GM

真夜中フェイズ開始!


 モリーの依頼 

モリー

「モリーの依頼をこなしてくださるのって、あなた?」

モリー

ビーズの目を輝かせて。

羽ノ浦みやび

「うん!何をお手伝いしたら良い?」

羽ノ浦みやび

「この名探偵みやびちゃんにど~んとおまかせ!」ちょっとねむだけどね!

羽ノ浦みやび

SET 学校イベント表(11) > 体操服や水着、宿題に提出物などなど、今日は学校に持ってこないといけないものがあったはず!《計画性/大人7》で判定を行う。失敗すると、先生に怒られてしょんぼり。【眠気】が1d6点増える。

羽ノ浦みやび

2D6>=6 (判定:お料理) (2D6>=6) > 5[1,4] > 5 > 失敗

パーシヴァル

お助け!

羽ノ浦みやび

ぱ~し~~
[ パーシヴァル ] 魔力 : 12 → 11

GM

成功!

モリー

「えーっとね……モリー……いつかこの博物館を抜け出して冒険の旅に出るのが夢なの」

モリー

「旅の計画書を一緒に考えてくれない?」

パーシヴァル

「それはfantasticだね」

モリー

来館者が落としたレシートの裏に途中まで書かれている計画表。

羽ノ浦みやび

「旅の計画書!」

羽ノ浦みやび

目を輝かせて小さな紙を覗き込む。

モリー

みみずののたくったような字。

モリー

ちびた鉛筆を渡して。

モリー

「まずはポリーに見つからないように抜け出すところからなの」

モリー

「おばけはどうやっておばけの目を盗めばいいんだろ……」

羽ノ浦みやび

「ポリーちゃんとは一緒に行かないの?」

モリー

「まあ!それじゃ、ひとり旅にならないわ」

モリー

「モリーは、ひとりでもがんばれるとこをお姉さまに知っていただきたいの」

羽ノ浦みやび

「なるほど……!」

羽ノ浦みやび

ちっちゃい鉛筆を摘んで、う~んと考える。

パーシヴァル

「but」

パーシヴァル

「secret travelでは心配するんじゃないかい?」

モリー

「みやびはどう思う?」

羽ノ浦みやび

「たしかに……もしかして、旅っていうか、家出……?」

羽ノ浦みやび

「……でもでも、ちょっと気持ち、わかるよ」

羽ノ浦みやび

「みやびのお父さんもお母さんも心配性だもん~」

モリー

「むずかしい心なの。心配させたいような、させたくないような……」

パーシヴァル

「hmm……」

モリー

「だから冒険をしたいの」

羽ノ浦みやび

「みやびが冒険行くときはいつもパーシーがいるけど、そっか~」

パーシヴァル

「では、letterポイントを作るのはどうかな」

羽ノ浦みやび

「おてがみ送るの?」

パーシヴァル

「ずっといないと心配だけど、きっと」

パーシヴァル

「letterが届けば、安心するさ」

モリー

「おてがみ……!」

モリー

わあ!というしぐさ。

羽ノ浦みやび

「いいかも」

羽ノ浦みやび

「でも、まず抜け出さないとだもんね」

羽ノ浦みやび

「そういうときはよーどー作戦だよ、物音とか立ててね……」

羽ノ浦みやび

つらつら……

GM

レシートの裏にないしょの旅行計画。

GM

ちょっとずつ実現にちかづく夢のおはなし。

GM

依頼達成!
お菓子かおこづかいをプレゼント!

羽ノ浦みやび

おかし!

GM

ミントミルクヌガーをもらいました。

GM

ロビーのサービスお菓子からこっそりくすねたやつ。

羽ノ浦みやび

わ~い
[ 羽ノ浦みやび ] お菓子 : 0 → 1


  

GM

GM

ではでは調査の方。

空摘 卯花

はい!

空摘 卯花

う~む どんなことを調査しようかな

GM

夜に出るという話だったので……。

空摘 卯花

そうだった!

空摘 卯花

もう一度井戸に行けば会えるかも?

GM

先に判定してもらっちゃうか。

GM

じゃあ~【空想】か【絵】で!

GM

判定をお願いします!

空摘 卯花

では~ 【空想】の方で振ろうかな!

空摘 卯花

2D6>=6 (判定:読書) (2D6>=6) > 8[4,4] > 8 > 成功

GM

すばらしい!

GM

では~、うのはなちゃんは【空想】します。

空摘 卯花

ほわんほわんほわん……(空想する音)

GM

失恋坂で涙するおひめさまの姿。
井戸の淵でお召し物の袖を濡らし。

GM

頭の先からつま先まで、雨に濡れて。

GM

このあたりは昔はきっとそんなに明るくなかっただろうし。
こんなに建物もなかったかもしれない。

GM

ひとりきりで、“傘をさしだしてくれる人”もなく。
だから身を投げてしまったのだろうか……。

空摘 卯花

失恋とかは、よく分からない。
けれどきっと、とても寂しい思いだったのだろう。

空摘 卯花

手を握ってほしい人に手を握ってもらえないこと。

空摘 卯花

笑いかけてほしい人が隣に居ないこと。

空摘 卯花

雨に濡れて凍える夜から守ってくれるぬくもりも、傘を差し出す手もなく、ひとりきりでいることは。

空摘 卯花

夜闇と雨に襲われるような、怖くて寂しくて、絶望的な気持ちになるのだろう。

空摘 卯花

……自分だって、ファズに出会う前にはそんな気持ちだったのだから。

空摘 卯花

「…………」
想像していたら、自分の思い出も相まってより悲しい気持ちになってきた。

空摘 卯花

唇をきゅっと噛んで、胸の中にある塊を押さえつけるような気持ちだ。
寂しくて悲しいとは、そういう気持ち。
おみなえしさまも、そんな気持ちだったのだろうか?

空摘 卯花

……そのとき、おみなえしさまの“友達”は。

空摘 卯花

そばにいてくれなかったのだろうか?

GM

傘なら、昼間にも使った。
現代のなんてことないビニール傘だけど。

GM

数は人数分よりも多くそろっている。

ファズ

雨音をつんざくようにして風を切る。

ファズ

「オイッッ!!」

ファズ

「そんなトコでな~~にやってんだよォ~~オマエ!」
ギャン!と耳元まで迫ってくる。

ファズ

水しぶき。
裏庭の雨ごと吹き込んで、それらが頬にあたる。

空摘 卯花

「ひゃあっ!」
肩が跳ねる。思わず出てしまった悲鳴に遅れて口元を覆った。

ファズ

「オッマエこんな時間にフラフラフラフラ!!
 布団にもいね~し、建物はだだっぴれーし
 オレがどんだけ探したと思ってんだよォ~~!!」

空摘 卯花

ファズの翼が風を運んで、雫を散らす。
それにつられて寂寥もどこかへ散らされて。

ファズ

頭の上でギュンギュンと回っている。
どこまで飛んでいったのだろうか、
これみよがしに水しぶきが当たって散る。

空摘 卯花

「う……ファズだっていつも勝手にどっか行くんだから文句言わないでよぉ!」

空摘 卯花

負けじと言い返す。夜だから小声だけど。

ファズ

「は~ん???そりゃオッマエ!ジリツシンの違いだろ~がよォ!」

空摘 卯花

「じゃあわたしだってジリツしていいじゃん……!」

空摘 卯花

文句を言い合うような、ちょっとした喧嘩のようなやり取り。
けれどそうして息を吸い込めば胸はすっかり温まる。

ファズ

「ケッオマエひとりじゃな~~~んにもできないクセに!
 ど~せまたはぐれてメソメソ泣いてたんだろ~~」

ファズ

やーいやーい!

空摘 卯花

「な……泣いてないもん」

空摘 卯花

ちょっと泣きそうだったのはヒミツ。

空摘 卯花

想像しちゃうと、寂しくてつられそうだったから。

空摘 卯花

「夜ならおみなえしさまいるかなって、見に来ただけだもん……」

ファズ

「ホ~ン??オマエが~~~~??」

ファズ

「怖がりクラヤミべそっかきのウノハナがァ~~??」

ファズ

「ひとりでトイレにも行けないオマエがァ~~~??」

空摘 卯花

「いっ……行けるよ!」

空摘 卯花

「トイレくらい行ける!」

空摘 卯花

廊下の電気全部点けるけど!

空摘 卯花

何なら居間も電気点けるけど!

空摘 卯花

しかしたまに怖くてベッドから降りられないときがあるのだった。
ファズならそうして夜にもぞもぞしているのを見たことがあるかもしれない。

ファズ

出会った頃はもっと臆病な顔をしていた。
最近ではそういう顔も随分薄れたような気もするが
ファズは変わらず、出会った頃と同じような口ぶりで冷やかしてくる。

ファズ

「ど~だろな~ ど~だろな~?
 案外またトイレが見つからなくって泣いてたんじゃねェの?」

空摘 卯花

「地図見れば分かるっ、しぃ……!」

ファズ

「やっぱトイレなんじゃね~~か!!」

空摘 卯花

「ち~が~うってばぁ!」

空摘 卯花

「も~、そこまで言うなら一緒に来てよ! 井戸のとこ行くんだから……」

ファズ

「へへ~ん!怖がりウノハナに頼まれたンじゃあ仕方ねーな!!」

空摘 卯花

あとは傘を取って中庭に向かうだけだ。
むすくれた様子のまま傘立てから拝借する。

空摘 卯花

卯花が一本借りた所で、傘立てに立てられた本数はまだまだ余裕がある。

空摘 卯花

「……そういえばここ、傘多いね?」

GM

忘れられてたまっていったのかもしれませんね。

羽ノ浦みやび

「あ、うーちゃんいた~!」駆け寄ってくる。

空摘 卯花

「みやびちゃん!」

空摘 卯花

「さっき眠そうだったけど大丈夫?」

羽ノ浦みやび

「うん、へ~きへ~き。まだまだ夜はこれからだっ」むんっ

羽ノ浦みやび

「うーちゃんも中庭?」

ファズ

「お!オレサマが目覚めの一発やってやろーか!?」
ビュンっと風を切って雨を散らす 迷惑。

空摘 卯花

「うん。夜ならまた様子が違うかなって……」

空摘 卯花

「ファズ~……!」

ファズ

ギュイ~!とゆかいな音が鳴っている。

羽ノ浦みやび

「あはは」

パーシヴァル

「いい夜だね、ふたりとも」

空摘 卯花

ひとりぼっちの雨の夜だったのが、今はもう賑やかな四人組だ。

空摘 卯花

「それじゃ、一緒に行こう? おみなえしさま、いるかなあ」

羽ノ浦みやび

「みやびも傘借りちゃお。パーシーもいる?」

羽ノ浦みやび

おばけの見えるこどもたちは、なかなかひとりぼっちにはなれない。

ファズ

「ひ~ ふ~ み~ こーいうとき用に使うんだろなコレ!」
 傘立てからピョイピョイと傘をはじいて。

ファズ

唯一傘が持てないおばけは、なんとなく首から傘を下げている。

パーシヴァル

「お邪魔しようかな」

空摘 卯花

差せないでしょそれ……と思いながら、開いた傘の下にファズも招いた。

パーシヴァル

傘立てにぺこりと頭を下げてから、その中の一つを手に取り肩へ。

ファズ

そりゃもう当然のように傘の下に潜り込む 傘in傘

空摘 卯花

ファズの首に掛けられた傘はそのまんま。首飾りみたいにぷらぷらしている。

GM

ではみんな中庭へ……。


 夜の中庭 

GM

夜の雨。
昼間よりもずっと冷たく、どこか重たく感じる。

GM

夜でもついたままの街灯は、ほっとするはずなのになぜかさびしい。

GM

中庭から遠くに見える、けぶるビル街にはまだ大人たちのはたらく明かりがみえる。

GM

井戸に到着。

GM

かすかに、雨を弾くような空間が見える。
見えない誰かがそこにいる気配。

空摘 卯花

あ、と、ちいさく漏らした声は雨音に飲み込まれる。

羽ノ浦みやび

少し大きな傘の向こう、持ち手を両手で支えて、雨の中に目を凝らす。

ファズ

「ンオッ!?」 数倍大きな呻き声。
 はずみでぺちんと傘がスカートに当たった。

空摘 卯花

「ひゃっ」

空摘 卯花

ちょっと冷たい。

GM

その姿は動かずに、じっとしているように見える。

GM

うずくまって、こちらを見上げているのかもしれない。

羽ノ浦みやび

「おみなえしさまかな……」
卯花ちゃんに、小声でひそひそ。
雨の音に紛れないよう、ちょっと顔を近づけて。

空摘 卯花

「そう、かも……。
 声かけたらお話、してくれるかな……?」

ファズ

「オイ!ウノハナ!ウノハナ!!なんかいるぞ!!?
 もっと近づけ!こっからじゃあなんもみえね~ぞ!!」

パーシヴァル

「あのこは……濡れてしまっているのかな」

ファズ

ひそひそ話を無視して首をぎゅうぎゅう伸ばして興奮している生き物がいる。

羽ノ浦みやび

「しーっ、ファズくんしーーっ!」

羽ノ浦みやび

ぎゅむぎゅむ

空摘 卯花

「もっとひそひそして……!」

ファズ

ギュイーー……

空摘 卯花

音量調整

GM

姿は見えない。
声も聞こえない。

空摘 卯花

パーシーのいうように濡れてしまっているのなら、傘が必要だ。

空摘 卯花

ファズの首にかかった傘を手に取る。

GM

気配だけがそこにあって、雨がふちどるようにその姿があることだけを教えている。

ファズ

「オイコラ!!!ソレオレの!!!!」……と、いっているパクパク

空摘 卯花

一歩、一歩。そうっと近付く。
雨音に混じって砂利と草を踏む音。

空摘 卯花

「……あ、の」

GM

雨の輪郭が顔をあげる。

空摘 卯花

自分の傘は肩で支えて、もう一本の傘をそうっと開いた。

ファズ

『ギュイー…?』 不服げな顔が一緒に覗き込む。

羽ノ浦みやび

その横から、卯花の傘が落ちないように軽く支えて。

空摘 卯花

新しく開いたそれを、雨に縁どられた輪郭に控えめに差し出す。

空摘 卯花

「……さむくありません、か」

GM

傘の下だけ、雨が途切れる。

GM

止まった時間が動き出すように。
雨の輪郭が色づいた。

おみなえし

「……」

おみなえし

ふたりと同じ年頃の少女。
雨に濡れた髪を手櫛で整えて、差し出された傘を受け取った。

空摘 卯花

肖像画で見たのと同じ、涼やかな輪郭。

おみなえし

「……ありがとう……」

空摘 卯花

「いえ……」

羽ノ浦みやび

「こんばんは」

ファズ

「~~~!! !!!!」 バタバタバサバサ

パーシヴァル

「hi」

おみなえし

「こんばんは、」

おみなえし

パーシィさんを見て目を瞬かせ。

空摘 卯花

「あ、ありがとねファズ……傘持ってきてくれて……借りたけど……」
小声で事後報告しつつ音量調整。びっくりしないくらいの音量。

おみなえし

「……このからだになってからというもの、傘がなければ人前にも出れなくてな」

ファズ

「……ンャシヤガレコンチクショウ!!」

おみなえし

「助かった、礼を言う。……お前たちは?」

おみなえし

楽器のおばけに対してはきょとんとした顔で眺めている。

空摘 卯花

「空摘……卯花です。こっちはファズ」

ファズ

「ダイオンジンサマだ!!」

羽ノ浦みやび

「あ、えっと、羽ノ浦みやびです」ぺこり。

パーシヴァル

「よろしく、lady。私はパーシヴァルだ」

おみなえし

「よろしくお頼み申す」

おみなえし

「わたいはおみなえし。どうぞごひいきに」

おみなえし

「……いや、この場合は……仲良くしてね?か……」

空摘 卯花

「あ……なかよく、してくれるとうれしいです……」

羽ノ浦みやび

言い方がちょっと面白くて、わらった。

空摘 卯花

年の近い見た目なのもあって、少し親しみを感じる。

おみなえし

白い肌、上等なお着物。
口調は涼やかで、軽やかだが。
泣きはらした目元だけが赤い。

おみなえし

「人と話すのもどれくらいぶりだろう……」

おみなえし

「……おばけと話すのも……」

空摘 卯花

自分でなっているのをよく見るから、他人のそれも分かる。
たくさん泣いた後は、あんな風に目元が赤くなってしまうこと。

パーシヴァル

「おばけとも……?」

ファズ

「オン??オマエ、おばけじゃねーのォ?」

羽ノ浦みやび

「もともとは、にんげん、だよね」

羽ノ浦みやび

失恋坂のおひめさま。かなしくって、身を投げたって。

ファズ

「ギュイ~?」首をかしげて。

おみなえし

「そう、わたしはもともとただのおなごだった」

おみなえし

「今のわたいは幽霊。人とおばけのあいだほどのものよ」

おみなえし

「お前たちのように不思議な力などありんせん」

空摘 卯花

「ゆうれい……」

おみなえし

スプーキーふたりを見て。

ファズ

「つまり半おばけってヤツだな!?」

空摘 卯花

幽霊といえば怖いイメージだったけれど、おみなえしさまはものしずかで、きれいだ。

おみなえし

「長らくここの失恋坂に縛りつけられておる」

パーシヴァル

「oh」

ファズ

「ウェ~マジかよ!? 何年?何十年?何百年??」

おみなえし

「ざっと500年くらいか」

ファズ

「ギョエー!」

空摘 卯花

「500年も……」

おみなえし

「江戸の頃よりあると記念碑にも書いておる」

おみなえし

指さしつつ。

ファズ

「オイオイウノハナ、このオミナエシサマ、やべェ胆力とガッツだぜ……」

空摘 卯花

「江戸って500年くらい前なんだ……」

羽ノ浦みやび

「500年だと、室町時代だから…… 400年くらい前かな?」ひいふうみ。

空摘 卯花

「へえ~……」

パーシヴァル

「数えるのは大変な時間だね」

羽ノ浦みやび

「……」

羽ノ浦みやび

「失恋、しちゃったの?」

羽ノ浦みやび

訊いて良いものかちょっとの間を置いて、訊いた。

おみなえし

「……」

おみなえし

「……きっと、した」

空摘 卯花

”きっと”?

空摘 卯花

「……はっきりは、思い出せなかったり……?」

パーシヴァル

「事情があるようだね」

おみなえし

「あれを恋と」

おみなえし

「呼んでいいものかすら」

おみなえし

「わからないだけだ」

羽ノ浦みやび

またたく。

ファズ

「自分のことなのにわかんねーの?」

おみなえし

「わからんものはわからん」

おみなえし

「そういうお前はしたことがあるのか」

空摘 卯花

あるの? という視線を向ける。

ファズ

「オレかァ!?!?」

空摘 卯花

ファズは恋をしたことが……?

空摘 卯花

あるの……?

空摘 卯花

(興味のまなざし)

ファズ

「ン~~~~~~~~ンン……」

羽ノ浦みやび

両方の頬に手を当てる。

ファズ

「ねーーーーーな!!!!」

空摘 卯花

なかった。

空摘 卯花

「ないんじゃん……」

パーシヴァル

「ないのかい?」

羽ノ浦みやび

「え~~」

空摘 卯花

「パーシーさんはあるんですか!?」

ファズ

「ウッソだろォ!?!?」

羽ノ浦みやび

「!?」

パーシヴァル

口が消え、その前に人差し指を立てる。

空摘 卯花

「ひ、ひみつ……!?」

ファズ

「やべ~~~~ッ!!」

パーシヴァル

にこ。

空摘 卯花

オトナ~……!(たぶん)

羽ノ浦みやび

「ふ~~~~~~ん……みやびにもないしょにするんだ……」

羽ノ浦みやび

「ふ~~~~ん………………」

おみなえし

「ふ」

おみなえし

「やはりヒトのからだに近いと、そういうこともあるのかもしれんな」

おみなえし

うむ……という顔。

おみなえし

パーシィさんを眺めつつ。

パーシヴァル

「聞きたいのはladyおみなえしの話だろう?」

羽ノ浦みやび

「……う~」

空摘 卯花

「で、でも、おみなえしさまは恋だったかわからない~ってことだし……」

おみなえし

「……わたいのは、わからんが」

おみなえし

「……アレのは、絶対に“恋”であったのだろうな」

おみなえし

たっぷりとした着物を広げ、裏地を見せる。
蜘蛛の巣の柄。

おみなえし

「わたいにも人には見えぬ友人がいた」

おみなえし

「名をオオツチという。蜘蛛の化生だ」

おみなえし

「ヒトのからだと、蜘蛛のからだを持ち。時計を身に着けておった」

おみなえし

「……わたいが12の頃に」

おみなえし

「いなくなってしまった、が……」

おみなえし

「……今もこの都市のどこかに巣をつくって、わたいがどこぞに行かぬようにしているのだろう」

おみなえし

「……わたいには見えぬ。向こうも、もはやわたいのことが見えぬ」

パーシヴァル

「…………」

おみなえし

「そんなあわいを続けるだけの場所なのだ、ここは」

ファズ

「…?? ……ってーと、オマエここにいんのはそのおばけのせいってェことかァ~!?」

おみなえし

「そうだ」

パーシヴァル

「もしや、ヤラズ雨も」

羽ノ浦みやび

「オオツチさんが降らせてるのかな……?」

ファズ

「オオン?オオン?オオン??
 こりゃあキナクセェ~~話になってきやがったぜェ~!」

おみなえし

「この雨のことか……」

ファズ

わくわくしている

おみなえし

雨に手をかざすとそこだけ、存在が掻き消える。

羽ノ浦みやび

「わ」

おみなえし

「……オオツチの気配も感じるが……」

おみなえし

「……“もうひとり”」

パーシヴァル

「hmm」

おみなえし

「誰かを帰らせたくない者がいる」

空摘 卯花

「おみなえしさまじゃなくて……誰だろ?」

ファズ

「ヨウギシャはひとりじゃねェってことかよォ~!!フクザツカイキだぜ!」言いたいだけのおばけ

パーシヴァル

「ヤラズ……か」

羽ノ浦みやび

「むう」

空摘 卯花

「帰らせたくない誰かが来たから、えっと……他のオバケが帰らせないように降らせてるかも……」

羽ノ浦みやび

「そうなのかも。いま、このアートパークにいるだれか……」

空摘 卯花

「お客さんの中に居るのかな……」

ファズ

「つまり……ハンニンはこの中にいる!!!!!! ってェことだな!」

おみなえし

「遣らず雨とは、わたいらの言葉で“帰ろうとするものを引き留めるようにふる雨”のことを言う」

パーシヴァル

「おばけか、人間か……」

ファズ

「どっちにしろメーワクなヤローだぜェ~!」

ファズ

「オレサマ達でとっちめてやろーぜェ!」

羽ノ浦みやび

「とっちめるかどうかは別にしても、誰が雨を降らせてるかわからないと帰れないんだもんね」

空摘 卯花

「うん。どうにかして見つけないと……」

おみなえし

「……その者の呪いを解いてやることだな」

おみなえし

「……別れはいつか必ず来ると、」

GM

シーンとしてはこんなとこです。

GM

雨が降り続ける。

GM

誰かを帰さないための雨。

GM

その“どこにでも”、“よくある”さびしさを。

GM

ほんとの夢にするために。

GM



  

GM

真夜中フェイズ途中から

GM

では調査の続きかな?

パーシヴァル

oui

ファズ

やるぜやるぜェ~!

GM

前みたいにおばけに聞きに行ってもいいし~アートパークのなかをしらみつぶしに探検しに行ってもいい。

GM

どのみちふたりはおばけ判定だからね!

パーシヴァル

そうだね!

ファズ

イエイイエイ!

ファズ

ファズ君的には犯人探すぜ~~!というモードで挑みたいところ。
パーシィさんについていくのもまたよし!

パーシヴァル

ここは同じトンガリ族(?)のコーン氏に聞き込みを行おうかな

ファズ

トンガリ仲間w

GM

いいですね。


 コーン氏の依頼 

GM

ミニチュアの町が広がる一角。
スイッチをこっそりいれれば、街に明かりが灯る。

GM

コーン氏はその街の道路の安全を守っている誇り高きトンガリ族(?)とされます。

コーン

やや丸くとんがっています。

パーシヴァル

安全第一だね

コーン

安全第一です。

コーン

コーン氏は佇んでいます。

パーシヴァル

「Hey、そこの君」

コーン

その場でゆっくり回転します。

パーシヴァル

町と同じ高さに視線をあわせ。

パーシヴァル

目はないのだが。

コーン

道路のぴかぴかをひからせて歓迎しています。

パーシヴァル

「ヤラズ雨についてsurveyしているのだけれど」

コーン

やや左右に傾いてなるほど?とでもいうような動きをします。

羽ノ浦みやび

「うごいてる……コーンが……」

パーシヴァル

「君たちは、最近strangeなことを見かけなかったかい?」

コーン

しばらく沈黙したあと。

コーン

マトリョシカのようにコーンの中から小さいコーンがたくさん出てくる。

パーシヴァル

「oh」

コーン

そのコーンたちによってコーン文字が作られていく。

羽ノ浦みやび

「!?」

空摘 卯花

「……!? ……???」
目を白黒させて見守るばかり……。

コーン

🐻

コーン

くまのマーク。

羽ノ浦みやび

「くま!」

空摘 卯花

「くま……」

パーシヴァル

「bear……?」

コーン

そのマークをつくったあと。
しばらく集まってなにやら相談している。

コーン

長引きそうだ。

ファズ

(うず…そわ……)

GM

ちょっと判定してもらうか。

パーシヴァル

おばけ判定だ!

パーシヴァル

2d6>=9 (2D6>=9) > 3[1,2] > 3 > 失敗

パーシヴァル

bad……

ファズ

じり…じり…………
(首が前後に揺れている 今にも飛び込みそうな気配)

パーシヴァル

1d6>=9 (1D6>=9) > 6 > 失敗

パーシヴァル

1d6 (1D6) > 2

パーシヴァル

まりょく!
[ パーシヴァル ] 魔力 : 11 → 10

GM

成功!

パーシヴァル

sorry

羽ノ浦みやび

どんをーりー

GM

追記:もう1手番使うということで振り直してもらいました。

GM

パーシヴァル氏のトンガリ力によってやる気を出したコーンたちが頑張りを見せていく。

コーン

トンガリ族同士にだけ通じる、誇りの力がたまってゆく……!

パーシヴァル

good!

コーン

ふたたびコーン文字が形作られていく。

羽ノ浦みやび

固唾を呑んで見守っている……

空摘 卯花

ドキドキ……。

コーン

🐻

コーン

たんてい

パーシヴァル

ふわりと浮き上がって大妖精のポーズで眺める。

コーン

さいかい

コーン

した

パーシヴァル

「Mr.ノワール……?」

ファズ

「なァなァ、もう倒していいか!? なぁなぁ!」

パーシヴァル

「non……」

空摘 卯花

「だめだって倒したら……!」

空摘 卯花

ファズを押しとどめている。

ファズ

ギュムムムム……

羽ノ浦みやび

「くまさんが探偵を再開して、?」

羽ノ浦みやび

急かす。ファズくんが飛び込んでくるまえに!

パーシヴァル

「どうやら、Mr.ノワールが知り合いを見つけた……ということかな」

パーシヴァル

「but、Mrはhalf bear」

パーシヴァル

「半分だけ再開したのかもしれない」

パーシヴァル

何かが

コーン

さいかい

コーン

ひらがなしか出せないらしい。

パーシヴァル

「探偵を再開……?」

パーシヴァル

「hmm……」

ファズ

「ア~~~!!しゃらっくせェ!!」

羽ノ浦みやび

「ん~~?」首をかしげる。

パーシヴァル

「ファズ……」

ファズ

「もうあいつに直接きこーぜェ!!」

パーシヴァル

「それがbetterだね!」

コーン

コーン氏は道路の明かりをぴかぴか光らせてエールを送った。

パーシヴァル

「thank youコーン氏!」

ファズ

バサバサバサ!!激しく羽ばたく。
幸いコーン氏から探偵に興味は移ったようだ。

パーシヴァル

前髪をさらっとする

空摘 卯花

コーンたちが倒されなくてよかった……。

羽ノ浦みやび

ほっ……。

羽ノ浦みやび

「ありがと、コーンさんたち!」

GM

こんなところですね。


 寝室 

GM

ノワールはさっきのところにいます。

GM

みんなが寝泊まりしている部屋。

ファズ

「ウオオオオ~~~イ!!!!」
 風切り音と共にキンと響く声が寝室に響く。
 …その声で起き上がる者はいないが。

空摘 卯花

あじさいおねえさんがおばけ見えなくて良かったな、とちょっと思った。

ファズ

「探偵!!探偵サンはいね~~かよォ!?」

都 紫陽花

「うう~ん」

羽ノ浦みやび

出来るだけ足音を立てないようにパタパタ追いかけてきた。

都 紫陽花

ぼんやりとうなされる声。

都 紫陽花

あまり大きな音を立てると起きるかもしれない。

ノワール

「みんな寝てるんだぞ、静かにしねえか」

空摘 卯花

そっと忍び足でおねえさんの横を通り過ぎて、ノワール氏の前へ。

ノワール

おふとんに鎮座しています。

パーシヴァル

「but 私とファズの声は聞こえないのでは?」

ファズ

「オレサマイズマイウェーイだぜェ!!」

ファズ

「この美声がとどろくなら大歓迎だぜェ!!」

ファズ

といいつつも叫び足りたのか、満足そうに布団に着地した スポンヌ。

ノワール

「夢を見てるあいだはちょっとばかり別ってのはヨル族のあいだじゃジョーシキなんだぜ」

ノワール

スパー。(吸えない

空摘 卯花

「え、そうなんだ……」

ノワール

「現実との境目があいまいになるからな」

ファズ

「わけわかんねーこと言うもんな!ヨル族のヤツら!」

ノワール

「大人もおばけを見ることもある……」

羽ノ浦みやび

おねえさんの寝顔を、ちらっと見た。

パーシヴァル

「…………」

ファズ

「そ~なのかァ??」 うなされているおでこを覗き込む。

ファズ

つついたら、ウッカリ痛がったりするだろうか?

GM

おばけ判定してみますか?

GM

してみましょう!

ファズ

そうだったぜェ!! するぜ!するぜ!

ファズ

2d6>=9 (2D6>=9) > 11[5,6] > 11 > 成功

ファズ

元気につついたな……(?

GM

ぶすり。

空摘 卯花

「ああっちょっと……!」

都 紫陽花

「ん゛き゛ゃっ」

ファズ

「ギャア!!!」

都 紫陽花

「んわわわわ……な、なになに……」

空摘 卯花

「しーっ、しーってば……!」

都 紫陽花

めがねめがね……。

羽ノ浦みやび

「わあっっ」

パーシヴァル

「oh」

空摘 卯花

たいへんだ! 起きちゃう!

羽ノ浦みやび

おふとんをばっとしてうーちゃんと一緒に隠れる!

ファズ

「やっべェ!!起きたんじゃねェこれ!?」

都 紫陽花

「あ、まさか……ごきぶり……?」

パーシヴァル

「ばっちり刺さったね」

羽ノ浦みやび

「ファズくんが起こしたんだよ~~っ」小声。

空摘 卯花

「……すー……」
嘘寝。

ファズ

ペイッ! メガネを遠くに弾き飛ばした

羽ノ浦みやび

「ぐー……ぐー……」

ファズ

「ギュイイ~」 ただの野良ギターですよォ~

都 紫陽花

「んん……」

パーシヴァル

優雅に浮いている

空摘 卯花

「……ぐ、ぐぅ~……すぅ~……」

都 紫陽花

一瞬おばけたちに焦点をあわせたように見えたが、すぐに視線は子供たちに戻った。

ファズ

「ギュオ~…?」 チラッ チラッ

パーシヴァル

「む?」

パーシヴァル

手を振ってみる

都 紫陽花

見えてはいないようだ。

ファズ

じい…… ぱちくり。 ちょっぴりツンツン。

都 紫陽花

「うーん……一人でごきぶり探すのいやなんだけど、こんな夜中に……子供を起こすのは……」

都 紫陽花

ツンツンにも気がついてはいない。

パーシヴァル

「ゴキブリだそうだよ、ファズ」

ファズ

「アアン!?!?」

都 紫陽花

「まあ、私ダメな大人だしな……今更、かあ」

都 紫陽花

「ねえ、起きて~……」

ファズ

「ゴキブリって……オレのことかァ!?!?!?」

都 紫陽花

ゆさゆさと2人を起こし始める。

パーシヴァル

「maybe」

ファズ

「オマエ!!オマエ!!!オマエ~~~!!!
 オレサマがなんだって~~!?!言ってみろい!!!」

ファズ

ぴょんと飛び上がって頭をつつきはじめる。

羽ノ浦みやび

「う、う~~?……はっ」

空摘 卯花

大音量の文句を聞きながら起きたばかりのふりをするのはちょっと難しいけど……。

空摘 卯花

「うぅ~ん……、お、おはようございます……?」

都 紫陽花

「まだ夜なんだけどぉ……」

羽ノ浦みやび

「う~ん」

都 紫陽花

「ごきぶりがぁ……」

ファズ

後ろでギャンギャン鳴っている。
「オマエ!!今度は無視かよォ!!!オマエッ!オマエッ!!」

パーシヴァル

「hahaha」

空摘 卯花

「ごッ……、ほん、ごきぶりが!?」

羽ノ浦みやび

「ご、ごきぶり!それは!たいへんですね!」

空摘 卯花

ちょっと噴き出しそうになったのを堪えた。

都 紫陽花

「なんか……おでこにざわ……ってしてぇ……」

ファズ

「お望みならもっとつついてやろうか!?!?」

空摘 卯花

「ひぇえ……」
正体はゴキブリではないとは知っているのだが、想像してぞわっとした。

都 紫陽花

「事務室までゴキKO取りに行くの手伝ってくれない……?」

空摘 卯花

やーめーて! と口だけでパクパクする。

ファズ

「オイ!!ウノハナァ!!?!?!」ゴキブリで想像しただろおまえ!

空摘 卯花

「あっ、はい……いいですよ」

ファズ

「ギュオ~~~ッ!!」こういう時にいつも無視しやがんだ!こいつ!

パーシヴァル

「ガンバ!」

都 紫陽花

「ありがと~……」

空摘 卯花

じごーじとくでしょ! 振り向いてファズの方に口パク。

羽ノ浦みやび

ちょっと不安そうにパーシーを見た。

パーシヴァル

「こっちはオマカセさ」

ファズ

「オレのせいじゃねーもん!!」こいつのせいです。

パーシヴァル

「ファズ君にね」

パーシヴァル

喧嘩は苦手さ

GM

ではちょっとふたてに分かれましょう。

ファズ

「ギュイ~…」

GM



 事務室 

都 紫陽花

「ん~あれ~」

都 紫陽花

がさごそ。

都 紫陽花

「このへんって聞いたはずなんだけど……」

都 紫陽花

新人マニュアルを手に持ちつつ。

羽ノ浦みやび

「……おねえさん、新人さんなんですか?」

羽ノ浦みやび

卯花ちゃんとくっついてその様子を見ている。

都 紫陽花

「……先輩の代理で来たんだよねえ」

都 紫陽花

「押し付けられたっていうか……そんな感じだけど」

都 紫陽花

掃除用具入れを探し始める。

空摘 卯花

「たいへんですね……」

都 紫陽花

「大人ってたいへんだよお」

都 紫陽花

「なるもんじゃないね……あ、いや。うん。ひとによる、ひとに……」

都 紫陽花

「ふたりはしっかりしてるし、大丈夫だよ、うん……」

羽ノ浦みやび

「おつかれさまです……」一緒に探そうか。ごそごそ。

空摘 卯花

開けて大丈夫そうなところを控えめに開けて、中を確認してみたり。

羽ノ浦みやび

お父さんとかお母さんとか、先生とか、お店の人とか。
そういう以外のおとなって、実はあんまり見たことないかも。

羽ノ浦みやび

ちょっと面白そうにその様子を横から眺めている。

都 紫陽花

そのあいだも終始気まずそうにしている。

GM

いっぽうその頃に戻しましょう。


 寝室 

ノワール

「おもちゃどもの相手をしてくれてるみたいだな」

ノワール

「助かるぜ、あいつら全員みなしごみたいなもんだからな」

ファズ

「オウよ!!ばっちり話を聞いてやってんぜ!!」※主にパーシーさんが

ファズ

「それよかそうだぜ、何でこんな探偵じみたことしてんだ?」

ファズ

「別にわざわざ構ってやる必要もねェだろうがよォ。」

ノワール

「そうだなあ」

ノワール

「お前たちはスプーキーが死ぬ瞬間を見たことがあるか?」

ファズ

「スプーキーが……死ぬ?」 首をかしげる。

ファズ

埃だらけ、錆まみれ、汚れだらけになる姿は想像できる。

ファズ

けれど、死 という話になると、まるでピンとこない。
特に若いおばけならば、なおさらだ。
「ウ~~ン? なんだ急に。わけわかんねーコト聞くんだな。」

パーシヴァル

「死……」

パーシヴァル

首を横に振る

GM

このまま調査を続けるなら判定してもらって、ほかの行動するなら一旦ここでお話切り上げる感じにしよかなと思ってます。

ファズ

判定しようかな!お話もう少し聞きたいです!

GM

では判定を~どうぞっ。

ファズ

2d6>=9  (2D6>=9) > 4[1,3] > 4 > 失敗

ファズ

ない頭ふりしぼるぜェ!!
[ ファズ ] 魔力 : 14 → 9

ノワール

「想像してみろ」

ノワール

「いままでの友達との思い出も、なにもかもぜんぶ倉庫に入れられて、誰も迎えに来ない、誰も話しかけにこないような」

ノワール

「そんな日々を過ごすスプーキーの行く先を」

パーシヴァル

「…………」

ファズ

「…………トモダチ……」
 思い浮かんだのは少女の後姿。

ノワール

ひょい、と立ち上がって部屋にあるミニチュアハウスへ歩く。

ノワール

ミニチュアハウスから一体のおもちゃを取り出す。

ファズ

部屋の片隅に置かれたギターと、だれもいないベッド。

じっと、小さな家をみつめている。

GM

ここに来た夜に、いたのに。
そのあと一度もみんなと会話を交わしていないアヒルさんだ。

ノワール

「こいつは、このあいだまで生きてた」

ファズ

「……う、うそつけェ…」

ノワール

「もう動かない、おばけのおれたちとも話さない」

ファズ

ツンツンと頭をたたく ころん

ファズ

「そ、そうやってオレたちのこと脅してんだろ!?」

GM

地面に転がった。

ファズ

「こんなのただのアヒルのおもちゃじゃねーーか!」

ノワール

「お前は」

ノワール

「元はなんだったんだろうな……」

パーシヴァル

「…………」

ノワール

「おばけになる前、おれたちはなんだったんだろう」

ファズ

「オレは……オレサマは…………ッ」

ファズ

「………………」 ギュイ…と歪んだ音がする。

ノワール

「人はいつか死ぬなら、おばけもいつかは……」

パーシヴァル

「おばけはおばけだよ、Mr」

ファズ

「うるせェうるせェ!!」

ノワール

「知ってる」

パーシヴァル

「こどもがこどもで、スプーキーがスプーキーであるように」

ファズ

「そうだぜ!!オレはさいっしょっからオレサマだ!!!」

ファズ

「ナニモノでもねェんだ!!! オレは……オレは……ッ」

パーシヴァル

スーツのポケットに手を入れる

ファズ

ギュイン! っと音を立てて扉を開けてゆく。
あいつなら、よく知ってる。

ファズ

あいつなら、オレのことなんでも!!

ノワール

その出ていく姿を見て。
煙草を消す仕草。

ファズ

高い風切り音を残して姿をくらます。

ノワール

「死んじまっただけ、アヒル隊長はマシだったかもな……」

ノワール

誰にともなく呟いて。

パーシヴァル

「…………」

ノワール

マネキン人形に沈黙を共有した。

GM

出てくるお話としてはこんな感じです。

GM

ので……あとはしたいお話をしてね……。


 廊下 

ファズ

部屋を飛び出してしばらく。
廊下のあちこちから音のない音が飛び交って。

ファズ

「ウ~~~ノハナァ!!!!!」
探し物をする三人に割り込むように
恫喝するような声がギュンと飛び込んでくる。

空摘 卯花

「わ……ッ」
肩を竦ませて振り返る。

羽ノ浦みやび

わあ!と声を上げそうになるのをがんばって押さえた。

羽ノ浦みやび

おねえさんをうかがう。たぶん気付いてない。……たぶん、

ファズ

「どこまで探しに行ってんだよぉ!!メ~ッチャクチャ探したんだぞ!?オオン!?」

都 紫陽花

気づいていない。

ファズ

髪の毛のなかにうずもれるようにして飛び込んでくる塊。
なんだか今日は強めにつついてくる。

空摘 卯花

「おねえさんが事務室って言ってたでしょ……お布団あるとこからそんなに遠くないよ」
おねえさんに気付かれないようにひそひそと言い返しながら。

空摘 卯花

「…………」
なんだか、いつもと様子が違うような、なんて。

パーシヴァル

「みやび」

ファズ

「オレサマがめっちゃ探したんだからそれは遠いってコトなんだよォ!」

羽ノ浦みやび

「あ、パーシィ」

空摘 卯花

「も~、わがまま……」

パーシヴァル

「Mrから話を聞いたのさ」

羽ノ浦みやび

「ノワールさん、なんて?」

パーシヴァル

「……」

ファズ

「ケッ!!インチキ探偵の言う事なんて聞く意味ないぜェ!!」

羽ノ浦みやび

戸棚を見るふりをして立ち上がる。パーシィの顔を見上げる。

パーシヴァル

「お別れの話さ」

空摘 卯花

「また悪口言う……」

ファズ

ツーンとしたまま、腕のなかに収まっている。

羽ノ浦みやび

最近、そこにいるのに、いないふりをするのが、すこしうまくなった。

空摘 卯花

パーシィの言葉が耳に引っ掛かるような気がした。

羽ノ浦みやび

「おわかれ?」

パーシヴァル

「si」

パーシヴァル

「おばけと、人間とのね」

空摘 卯花

埃と蜘蛛の巣を嫌うファズ。
少しずつ色あせていくおもちゃ箱。
使わないものの掃除なんて、いつだって後回しになっていく。

羽ノ浦みやび

「……」

パーシヴァル

後ろから、みやびの髪を纏めるように少し撫でる。

羽ノ浦みやび

パーシィの、仕立ての良い燕尾服の裾をぎゅっと握る。

空摘 卯花

お父さんやお母さんが物置の片付けをするときに言うのをよく聞いている。

『いつかはまた使うと思ってたんだけどねえ』

羽ノ浦みやび

「ノワールさん、だれかとおわかれしたの?」

羽ノ浦みやび

それが自分にもいつかやってくるとは、まだ知らない。

羽ノ浦みやび

知らない、はず。

ファズ

「ケッあんなのただのオモチャだぜ!!」

空摘 卯花

「ファズだってオモチャなんでしょ」

パーシヴァル

「スプーキーの、死……」

ファズ

「ア~~~~ン?!?!
 この"オレサマ"がただのオモチャに見えってかァ~??」

パーシヴァル

「ここのtoyスプーキーが亡くなったらしい」

空摘 卯花

「ただのじゃないけどお……すっごくうるさいし……」

空摘 卯花

「…………」

パーシヴァル

うのはなを見て、ファズを見て

空摘 卯花

スプーキーに死があるなんて、知らなかった。

ファズ

「そーだろ!そーだろ!
 オレサマはトクベツなスプーキー!超おばけなんだ!!」

ファズ

「生まれた最初っからず~~っとず~~っとそうだ!!」
 それは、いつものようにがなり立てている。いつものように。

空摘 卯花

けれど、ファズが恐れているもの。
それが、死に近づくものだからこそ恐れているのだとしたら。

空摘 卯花

お姉さんの方を少し窺って、少し迷って。

空摘 卯花

「……あじさいおねえさん。えっと……少しトイレに行ってきていいですか?」

空摘 卯花

「こわいから……みやびちゃんもついてきてくれるとうれしいんだけど」

都 紫陽花

「あ、気を付けてね……」

羽ノ浦みやび

なくなるっていうのは、しんじゃうってことだ。
スプーキーも死んじゃうんだ。……
きゅうに不安に襲われて、ぐっと顔が厳しくなる。

羽ノ浦みやび

「あ、うん、……いく……」

パーシヴァル

その後ろを歩く。

パーシヴァル

背筋を伸ばして。

空摘 卯花

いってきます、と挨拶をして少し歩く。

羽ノ浦みやび

おとなのいないところへ。

ファズ

楽器おばけは、まとわりついたまま。
何かをまくしたてている。雑音に紛れながら。

羽ノ浦みやび

なんとなく、不安な空気。おとなには言えない、ひみつの。


 side:卯花 

空摘 卯花

外は雨。月の光も見えないけれど、なんとなく外を見ていたくて中庭の見える廊下に出た。

GM

街の明かりだけが中庭を、人が危なくない程度に照らしている。

GM

つまずいたり、転んだりしないように。

空摘 卯花

埃を被り、蜘蛛の巣に覆われたオモチャは使われなくなってしまう。

空摘 卯花

ならば手に取って、埃を払って、遊んであげればいい。

空摘 卯花

ファズの弦を爪弾く。

空摘 卯花

ギターのコードは分からないけれど、単音なら出せる。

ファズ

ギターよりも柔らかい弦がピンと跳ねた。

空摘 卯花

指が跳ねて、弦が震える。

ファズ

至極単純な音だ。とてもシンプルな。
「……ンだよ。」

空摘 卯花

「ファズは楽器のおもちゃなんだから、弾いてあげないといけないんでしょ?」

ファズ

寄り添った顔を軽くつついた。
「……バッカでぇ。」

空摘 卯花

最近習ったかんたんな曲が、ロックだけれど何処か柔らかい音で紡がれていく。

ファズ

「オレサマは……オマエなんかにどうこうできるよーなおばけじゃねーの。」

ファズ

いつもなら ギャン! と歪んだ音が鳴る はずの。

ファズ

弦が震えて、つま弾かれる。
その細い指がふれたように、低い音が。

空摘 卯花

「じゃあもう蜘蛛の巣取ってあげなくてもいいの?」

ファズ

「…………!!」 ぱく ぱく。

空摘 卯花

4人のおしゃべりも含めて、大人たちには聴こえないひみつの演奏会。

ファズ

すこし、弦が震えるのをかんじる。
「………………それは、困る。」

空摘 卯花

「ほら、困るんでしょ」

ファズ

ググ……と力がはいって
「な、な………ナマ言ってんじゃねェ~~~!!!」

ファズ

ギャーーーン!!ばりばりとすごい音が響いた。

空摘 卯花

「あ! もぉ~~~、うるさいよぉ!」

ファズ

指先を弾き飛ばすようにびりびりと弦が揺れた。

ファズ

「フン!おとなしく触らせてやってたらす~~ぐコレだァ!」

ファズ

「やっすいコード弾きやがってよォ~~
 ファズさまを扱うにはケンサンが足りねェんだよ!!」

空摘 卯花

「だってギター習ったことないもん」

ファズ

「オレだってねェよ!!」
 こうやって、弾いてもらった記憶だって ない

ファズ

「ま、でも そーだな。」

ファズ

「ちょっとくれェは教えてやってもいいぜ!! 特別レッスンだ!」

空摘 卯花

「なんか、ギューンとかそういうのじゃなくて、ちゃんと教えてね……」

空摘 卯花

いつもの調子を少しは取り戻したようでほっとする。

ファズ

「ハン!知らねェなぁ~~!」 オレは好きにさせてもらう!

ファズ

…と、いうようなそぶりで。

ファズ

「ま、オマエがついてこられるレベルにしてやんよ。」

ファズ

腕にかかる重さが、すこしだけ深くなる。

空摘 卯花

「うん」

空摘 卯花

「ここから出たら、次はレッスンだね。約束」

空摘 卯花

もう一度、戯れに弦を爪弾いた。

空摘 卯花

こうして触れる手が、いつまでもそばにありますように。

空摘 卯花

自分でなくても、誰かが、そのまた誰かが。

空摘 卯花

オモチャたちを見つけて、一緒に遊んでくれますように。

ファズ

ゆびきりげんまん ……をする指の代わりに。

ファズ

誰にも聞こえない高い音がはじけて消えた。

ファズ

ひとつ足りないボタンが、今は届かない音を響かせた。

空摘 卯花

失くしたボタンを見つけるまで。
ギターのレッスンが終わるまで。

空摘 卯花

それが済んだとき、いっしょに居られるのか。

空摘 卯花

そんなものは、想像もできやしなかった。

空摘 卯花

ただ、今はいっしょにいる。
それだけが確かだった。

ファズ

弦の音は今は声の代わりに
いつかその声が取り残されたとしても
今はただ雨音と共に。非現実を象っている。

ファズ

夜は夢と現の合間のなかに。
けれど、おばけにとっては、それだけがたしかなことであり

ファズ

かけがえのないことだと 気付くのはたぶんまだすこし先のこと。

ファズ

今はただあるこの時を楽しむように響く。
このおばけにとって それが確かだという他に言葉はなかった。


 side:みやび 

羽ノ浦みやび

夜の雨の音が、近くにいるはずの卯花とファズの声を遠くしてしまう。

パーシヴァル

足音が止まってしまう。

羽ノ浦みやび

心細くなって、どうしていいかわからない。

羽ノ浦みやび

「パーシィも」

羽ノ浦みやび

「いつか、死んじゃう?」

羽ノ浦みやび

そういうとき、いつも。

羽ノ浦みやび

傍に居るのはパーシィなのに。

羽ノ浦みやび

いじけるようにうつむく。
ちょん、とマネキンのつま先を自分のつま先でつつく。

パーシヴァル

「…………」

パーシヴァル

「どうだろう」

パーシヴァル

向かい合って膝を曲げる。

パーシヴァル

「…………私の恋した人は、死んでしまったよ」

羽ノ浦みやび

「はじめて聞いた」

パーシヴァル

「聞かなかったろう?」

羽ノ浦みやび

「……知らなかったもん、パーシィにすきなひといたなんて」

羽ノ浦みやび

「にんげん?」

パーシヴァル

頷く。

パーシヴァル

「上品で可愛らしい老婦人でね」

パーシヴァル

「私は、死んだ旦那に似ていたそうだ」

パーシヴァル

スーツを正す。

羽ノ浦みやび

じっと見上げて。

パーシヴァル

「これを着せてもらってね」

パーシヴァル

「彼女にとってはどうだか、わからなかったけれど」

パーシヴァル

「あれは、私にとっては恋だった」

羽ノ浦みやび

「……」

羽ノ浦みやび

「じゃあ、あのときパーシィがひとりでいたのは」

羽ノ浦みやび

こんなに、口にしようとするだけで怖い言葉があるなんて、知らなかった。

羽ノ浦みやび

先を継げずに視線が惑う。

羽ノ浦みやび

しんじゃうってことは、もうあえないってことで。

パーシヴァル

「君に」

パーシヴァル

「出会うためかもね」

羽ノ浦みやび

「え」

羽ノ浦みやび

「そ、っかあ……」

羽ノ浦みやび

結ばれない恋にかなしんで、身を投げてしまったおひめさま。
おみなえしちゃんは、すこし違うようだったけれど。

羽ノ浦みやび

パーシィは、……

羽ノ浦みやび

「んん……」

羽ノ浦みやび

よろこぶのともちょっとちがうし、照れるのともなんだかちがう。

羽ノ浦みやび

「パーシィ、みやびといて、たのしい?」

パーシヴァル

「もちろんさ」

羽ノ浦みやび

「……さみしくない?」

パーシヴァル

「どうして?」

羽ノ浦みやび

「だって、すきなひとがしんじゃったら、かなしい……」

羽ノ浦みやび

いま、自分がパーシィがいなくなることを想像して、怖くなってるみたいに。

羽ノ浦みやび

パーシィもきっと、怖くて、かなしくて、さみしかったんじゃないかって。

パーシヴァル

「ladyおみなえしも言っていただろう」

パーシヴァル

「別れはいつか必ず来るものさ」

羽ノ浦みやび

じわ、と目頭が熱くなる。

羽ノ浦みやび

「……やだ」

羽ノ浦みやび

「そんなのやだ」

羽ノ浦みやび

木の身体に抱きつく。顔を埋めて、ぐすぐすと声を上げる。

パーシヴァル

木製にしては柔らかい胸にみやびを抱いて

パーシヴァル

「いつも傍にいるよ」

羽ノ浦みやび

「お別れがくるっていったあ」

羽ノ浦みやび

泣いている。低学年の子みたいにべしょべしょの声を上げて。

パーシヴァル

「おばけの方がずっと長生きだからね」

羽ノ浦みやび

「うう~……」

羽ノ浦みやび

「ほんとに?ほんとに、長生き?」

羽ノ浦みやび

「みやびが大人になっても死なない?」

パーシヴァル

「死なないよ」

羽ノ浦みやび

「………………ぐす」

羽ノ浦みやび

パーシィは、嘘はつかない。

羽ノ浦みやび

いつも紳士的で、ちょっとおまぬけだけど頼りになる。

羽ノ浦みやび

みやびがひとりで冒険に行けるのも、パーシィのおかげだから。
いなくなっちゃうなんて想像もつかない。

羽ノ浦みやび

それを、はじめて考えて。

羽ノ浦みやび

「ぜったい?」

パーシヴァル

「約束しよう」

羽ノ浦みやび

「……うん……指切りね……」

パーシヴァル

「ああ」

羽ノ浦みやび

木でできた小指と、こどものながさの小指を絡めて、ようやく少し涙がとまる。

羽ノ浦みやび

みやびとパーシィは、いつまで?

羽ノ浦みやび

「嘘ついたらのこぎりでばらばらにしちゃう……」

羽ノ浦みやび

針千本だと飲んじゃいそうだから。

パーシヴァル

「それはとってもscaryだね」

パーシヴァル

「約束だ」

パーシヴァル

「ずっと傍にいるよ」

羽ノ浦みやび

「ゆびきった」

パーシヴァル

大切なものが失われただけ

パーシヴァル

心にぽっかりと穴が開く

パーシヴァル

それを満たす必要はないし

パーシヴァル

心に開いた穴が大きいほど

パーシヴァル

いつまでも残るほど

パーシヴァル

誠実だとか、偉いわけでは

パーシヴァル

決してないよ。

パーシヴァル

そうだよね。


  

GM

ふたりがもどってきたとき、お姉さんは結局探し物が見つからないまま。

GM

代わりのアルコールスプレーを持って、部屋の消毒だけをした。

GM

やらないよりはやったほうがいいから……。
そんなことを言っていたようなきがする。

GM

お布団に潜り込むころ、みんなはもうねむねむだったので、よくおぼえていない。

空摘 卯花

1d6 (1D6) > 2

羽ノ浦みやび

1d6 (1D6) > 6
[ 空摘 卯花 ] 眠気 : 0 → 2
[ 羽ノ浦みやび ] 眠気 : 5 → 11

GM

夜の帳に雨音だけが響く。
まだおうちに帰れない一日目の夜。

ノワール

「……」

ノワール

楽器のおばけに突かれたおでこをそっとなでてやる。

GM

GM

次回、2日目。
最後のサイクルです!


  

GM

前回からのあらすじ!

GM

おみなえしさまに会ったみんなは、昔彼女と友達……?だったスプーキー、オオツチの話を聞きました。

GM

「ヤラズ雨」の原因はそのスプーキー……と、もうひとり?

GM

長い雨宿りはまだ、もうちょっと続く!

GM

GM

イノセントは依頼フェイズか調査フェイズをえらべます!

GM

では~依頼からこなしていきましょうか。

羽ノ浦みやび

はあい

羽ノ浦みやび

SET 学校イベント表(4) > とても退屈な授業が始まった。イノセント全員は、《いねむり/不良3》の判定を行う。失敗したキャラクターは、【眠気】が1d6+1点増える。

羽ノ浦みやび

ビューちゃんの依頼を~ 受けに行く!

GM

は~い。


 ビューの依頼 

ビュー

ビュー~ンととびまわっている。

ビュー

「ムッ 貴公は……?」

羽ノ浦みやび

「こんにちは、みやびだよ」

羽ノ浦みやび

飛んでる~!目で追いかける。

ビュー

「ふむ、ほかのおもちゃどもの依頼は見る間にこなしたようだが……」

ビュー

「我が依頼はそう簡単には行かぬぞっ」

羽ノ浦みやび

「ええっ……」

羽ノ浦みやび

「ど、どんな依頼なの?」

ビュー

「心して聞けィ!」

ビュー

「貴公にはこのおもちゃ博物館の歴史をおべんきょうしてもらうぞっ!」

ビュー

※すでに一昨日やった※

羽ノ浦みやび

「えっ、もう聞いたよ!」

ビュー

「予習!復習!皆の衆!」

ファズ

「そんなことより実戦しようぜ!実戦!!」

ビュー

「数が大事だ!」

ビュー

ビューンビューン

羽ノ浦みやび

「ええ~~~~!そうかなあ!?」

羽ノ浦みやび

「あっ、じゃあテスト、テストにしよ!」

ビュー

「ならん!ならん!」

羽ノ浦みやび

「あ~~ん」

ビュー

「さあ!はじめるぞ!」

ビュー

「気をつけ~ィ!」

羽ノ浦みやび

ぴし!思わず気をつけ。

羽ノ浦みやび

ミントミルクヌガーをこっそり食べちゃおう……
[ 羽ノ浦みやび ] お菓子 : 1 → 0

羽ノ浦みやび

1D6 (1D6) > 5
[ 羽ノ浦みやび ] 眠気 : 11 → 6

羽ノ浦みやび

ちょっぴり甘い大人味……

羽ノ浦みやび

2D6>=7 (判定:ウソつき) (2D6>=7) > 3[1,2] > 3 > 失敗

空摘 卯花

う~ん、まだ酢昆布は取っておいて……

空摘 卯花

ストレッチしてなんとか目が覚めないかな?

空摘 卯花

2D6>=8 (判定:柔らかい) (2D6>=8) > 4[2,2] > 4 > 失敗

空摘 卯花

だめだった。ねむい……。

羽ノ浦みやび

1D6+2 (1D6+2) > 2[2]+2 > 4

空摘 卯花

1d6+1 (1D6+1) > 4[4]+1 > 5

ビュー

くどくど……。
[ 空摘 卯花 ] 眠気 : 2 → 7

羽ノ浦みやび

ふら…… ふら……

羽ノ浦みやび

あっ だめだ ねむい……

空摘 卯花

うと…… うと……

空摘 卯花

すぅ~……。

羽ノ浦みやび

がっくんがっくん揺れる。

ビュー

けんけん がくがく。

空摘 卯花

お舟を漕ぐ二人。

ビュー

「ムッ!」

羽ノ浦みやび

あったかくていいきもち……

ビュー

「いねむりとはなんたるふぬけ!」

ビュー

「ねむれねむれ!いい子はねむるものだ!」

ビュー

「いや……っ」

ビュー

「ねむるな!」

空摘 卯花

「ど、どっち~……!?」

ビュー

ぎっこ ばった。

羽ノ浦みやび

「スヤ……またたび……」

ビュー

「どっちもだ!」

空摘 卯花

ああ……ぎっこんばったんがちょうどいい音……。

空摘 卯花

ぐう~……。

羽ノ浦みやび

眠りに誘うリズムが……

ビュー

「ねむるな~!」

ファズ

(め、めちゃくちゃなヤツだぜェ~~ッ)

空摘 卯花

「うえ~ん……!」

ビュー

ビュンビューン!

羽ノ浦みやび

「はっ!」

ビュー

「おべんきょうのつづきだ!」

空摘 卯花

目をこすりこすり、頭をふりふり、なんとかして起きようと奮闘するのだった。

パーシヴァル

「みやび、ガンバ!」

羽ノ浦みやび

「え~ん、ねむいよお~」

ビュー

昔の家庭教師だったころを思い出せていきいきとしている。

ビュー

由緒あるおもちゃスプーキーなので……。

ファズ

「ま、これもシャカイベンキョーってヤツだよな!付き合ってやろーぜ!」
当の本人は飛び回っているため全然元気だ。

ビュー

「よくぞ最後までたえぬいた!」

ビュー

「礼をやろう。何がいいか?」

GM

おこづかいかお菓子がもらえます。
[ 羽ノ浦みやび ] 元気 : 6 → 7
[ 羽ノ浦みやび ] 元気 : 7 → 6
[ 羽ノ浦みやび ] 眠気 : 6 → 10

羽ノ浦みやび

わんもあお菓子……!

GM

データ的には効果のないお菓子です。
フレーバーでね……。

羽ノ浦みやび

あむあむ……

GM

チョコをもらいました。

羽ノ浦みやび

やった~ うーちゃんとわけわけ……

空摘 卯花

おいしい~。

空摘 卯花

ぱっちり目が覚めたりはしないけど、ほっこり。

GM

依頼フェイズは以上!


 紫陽花 

GM

では次は調査フェイズのつづきですね。

空摘 卯花

はい!

空摘 卯花

あじさいおねえさんの話で少し思ったんだけど……。

空摘 卯花

もしかして、お客さんじゃなくて新人さんがおばけの誰かと再会した~ってことかもしれない?

空摘 卯花

ということで、う~ん……あじさいおねえさんに詳しく聞きたいかな。

GM

は~い。

GM

職員のひとたちはこまごまとした対応に追われている……。

空摘 卯花

こ、声をかけづらい……。

都 紫陽花

箱を持ったお姉さんが事務室から出てきた。

都 紫陽花

「あ。」

都 紫陽花

「うー……のはな、ちゃん」

空摘 卯花

「あ、は、はい。えっと、こんにちは」

空摘 卯花

「ええっと……あの……」

都 紫陽花

「?」

都 紫陽花

箱からおもちゃがぽとんと落ちた。

都 紫陽花

「あ、ご、ごめ~ん……拾ってくれる……?」

空摘 卯花

「あっ、はい。……どうぞ」

都 紫陽花

「ありがとう……」

空摘 卯花

拾い上げて差し出す。何のオモチャだろう。

GM

古い、誰かのおもちゃ。
使われた形跡のないおもちゃ。

都 紫陽花

「……これ倉庫に持っていかなきゃなんだ、用事……なら歩きながらでもいい?」

空摘 卯花

「はい……えっと、用事でもないかもなんですけど……」

都 紫陽花

「ん……」

都 紫陽花

「えと……」

都 紫陽花

「な、なにかな?」

空摘 卯花

「えと……おねえさん、新人さんって言ってたけど……」

空摘 卯花

「ほ、ほんとに来たばっかりなのかなって、えっと……もしかしたら、わたしたちが来た日に一緒に来たくらいの、来たばっかりなのかなって……」

空摘 卯花

いきなりこんなこと訊いたら変だろうか。

空摘 卯花

「……だったら、えっと、すごく大変だなって!」

都 紫陽花

「そうだよ……?」

都 紫陽花

(きょどってるの変に思われてるんだろうな~)

空摘 卯花

「やっぱり……」

都 紫陽花

(仕方ないじゃん~)

空摘 卯花

卯花としては推測が当たったことで思わず出た言葉だったが、これではいかにもお姉さんの頼り甲斐のなさの理由を見つけたような一言になってしまった。

都 紫陽花

「やっぱり……!?」

都 紫陽花

(やっぱりって何~~!)

都 紫陽花

(子供わかんないよ~~)

空摘 卯花

「あっ、あのっ、そしたらわたしたちもえと、同じ日に来たし手伝えることないかな~って……!」

都 紫陽花

「え、」

都 紫陽花

「て、手伝い……?」

都 紫陽花

かたまってしまった。

空摘 卯花

「あぅ……」
かたまり・その2。

GM

このあたりで判定してもらおうか~。

GM

【おしゃべり】か【勇気】で……。

空摘 卯花

はあはあ……おしゃべりむずかしい……でもがんばるぞ……!

空摘 卯花

【おしゃべり】で判定します!

空摘 卯花

2D6>=7 (判定:がまん) (2D6>=7) > 11[5,6] > 11 > 成功

GM

成功!

都 紫陽花

(この子似てるな……昔の私に……)

都 紫陽花

(……あっちの子も、ちょっと……似てるか……)

都 紫陽花

「……」

空摘 卯花

卯花も感じていた。
たぶんおねえさん、わたしと同じでおしゃべりするのはちょっと苦手なんだな。

空摘 卯花

そういうときは、ちょっとずつ助け合えばいい。
苦手なこと同士でも、苦手な部分が分かるからこそできることはあるのだ。

空摘 卯花

「……おもちゃ運ぶのとか。
 お仕事はだめなら……えっと、昔のお話とかしたら、りらっくす~……できたり、しませんか?」

都 紫陽花

「……え、んと……」

都 紫陽花

「お、おねがいしちゃお!……かな……」

空摘 卯花

「……! ありがとうございます! あ、えと……わたしもえと、やることなかったので……えへへ……」

都 紫陽花

「まだいくつかおもちゃ箱があるから……」

GM

ダンボール箱にはいったおもちゃを抱えながらお話。

空摘 卯花

わっせわっせ。

都 紫陽花

「そろそろあの倉庫もいっぱいになっちゃうから……」

都 紫陽花

「これ……捨てるか売るかしちゃうのかな……」

空摘 卯花

箱に収められたおもちゃたちが、揺れているのを眺める。

都 紫陽花

「……今、ほしいものってたいてい手に入るもんねえ……」

空摘 卯花

「さびしい、ですね……。もったいない気もするし」

都 紫陽花

「……うのはなちゃん、おもちゃ捨てたことある?」

空摘 卯花

「……お父さんやお母さんが、捨てるのを見たことはあるけど……」

都 紫陽花

「だよね……」

都 紫陽花

「これ……おもちゃ博物館だった頃の、寄付の名目でここ来てる子たちなんだけどさ……」

都 紫陽花

「結局、みんな……自分で捨てるのがいやだから、誰かに押しつけてるだけなんじゃないかな……って思うよ……」

都 紫陽花

「あ、いや……」

空摘 卯花

ちくりと、刺されるような気持ち。
なんとなく隠してたものを言い当てられたような。

都 紫陽花

(子供に言ってもわかんないか……ってのも失礼か……)

都 紫陽花

「……おもちゃ、捨てるの」

都 紫陽花

「いやだよね……」

空摘 卯花

「はい……」

空摘 卯花

「誰かが捨てるのを見てるとき、なんだかとても……ええと……薄情? な気がして」

空摘 卯花

「でもそれって、自分がするときが来たら、今度は自分に思うんだろうなって」

都 紫陽花

「……そうだね……」

空摘 卯花

「わたしとか、他の人も、おもちゃと遊んで、楽しい気持ちになったけど」

空摘 卯花

「おもちゃ側にはお返しできなくて、最後には捨てるしかなくて……」

空摘 卯花

「……ごめんね、みたいな……そんな気持ち」

都 紫陽花

「おかえしか……」

都 紫陽花

「……私はなにもできなかったなあ」

空摘 卯花

「おねえさんも?」

空摘 卯花

「……で、でも、何かできる人って、いるのかな」

空摘 卯花

「無理するんじゃなくて、嘘吐くんでもなくて、本当に、おもちゃに何か、お返しができる人……」

都 紫陽花

「……いるといいな、って思う、だけだね……」

都 紫陽花

「サンタさんみたいに、そういう……」

都 紫陽花

「いたらいいな、って思うだけ、の感じ」

空摘 卯花

本当は空を飛んで世界中の子供にプレゼントをくれる人なんていない。
彼らを迎え入れるための煙突だって、今やこの辺りにはいくらもない。

空摘 卯花

それが分かるくらいには、卯花も背が伸びて、色んなものが見渡せるようにはなっている。

空摘 卯花

けれど。

空摘 卯花

「……でも、サンタさんも、実はいるんですよ」

空摘 卯花

「えと……北の、ええと、ノルウェー? だっけ?」

都 紫陽花

(……サンタをまだ信じてる子だったらどうしよう……)

都 紫陽花

「えっ」

都 紫陽花

「あ、ああ……」

空摘 卯花

「サンタクロース協会とか……?」

空摘 卯花

「……世界中は無理でも、そういうサンタさんが居るんだよって、してくれる人はいるから」

空摘 卯花

「おもちゃにお返しできる人も、いるのかも」

都 紫陽花

「……おもちゃに、お返しできるひと……」

空摘 卯花

「どうやったらお返しできるか、みんなで集まって考える、おもちゃにお返し協会……?」

都 紫陽花

「……あ」

都 紫陽花

「……おもちゃ病院って、みたことあるな……」

空摘 卯花

「おもちゃの病院があるんですか!?」

都 紫陽花

「うん……見たことある」

空摘 卯花

「すごい……」

都 紫陽花

「……あるんだなあ……」

都 紫陽花

「サンタクロースの村、みたいなこと」

都 紫陽花

「……今からでも、なにかしてあげられるのかな」

都 紫陽花

「もういなくなちゃった、おもちゃも」

都 紫陽花

「喜んでくれるといいね……」

空摘 卯花

「はい……」

都 紫陽花

「……」

空摘 卯花

自分はおもちゃじゃないから、喜んでくれるはずとか、できることがあるとか、言い切れることはない。
だから、そうだといいなと、一緒に思うだけだ。

都 紫陽花

「喜んでくれるかな……」

都 紫陽花

ひとりごとのようにぽつりと零した。

GM

おもちゃをだいじにするということは。

GM

一方的な約束をする日々を続けるということ。

GM



  

GM

では通常の調査フェイズに移行しましょう。

GM

やることが決まっている人はいますか?

GM

依頼します?

空摘 卯花

依頼したいです!

GM

いえ~

空摘 卯花

ポリーちゃんにお話をお伺い……。

空摘 卯花

SET 学校イベント表(9) > 自習の時間だ!GMは、「勉強」の分野の中からランダムに特技1つを選ぶ。イノセント全員は、その判定を行う。成功したキャラクターは、1回だけ自由行動ができる。

GM

RTT5 指定特技(勉強)表(6) > 《計算/勉強6》

空摘 卯花

2D6>=5 (判定:計算) (2D6>=5) > 10[5,5] > 10 > 成功

羽ノ浦みやび

2D6>=7 (判定:マナー) (2D6>=7) > 2[1,1] > 2 > ファンブル(【眠気】が1d6点上昇)

羽ノ浦みやび

1D6 (1D6) > 4
[ 羽ノ浦みやび ] 眠気 : 10 → 15

空摘 卯花

みやびちゃんお菓子食べる……!? スコンブ……!

羽ノ浦みやび

だいじょうぶ……! まだがんばる……!


 ポリーの依頼 

ポリー

「お、お前らちょうどいいとこにいるな」

空摘 卯花

「ひゃい!?」

ポリー

「せっかくだから、おれの依頼こなしていけよ」

ファズ

「オウオウ!随分図のたけェ~~ガールだな!!」

空摘 卯花

ちょうどさっき、おねえさんとあんなお話した後だし……。

ポリー

「いい女は心にヒールを履いてんのさ、図が高くて当然だね」

空摘 卯花

「うん……えっと、困ってることは何?」

ファズ

「ウノハナもなんか言ってやれよォ~」

空摘 卯花

「え……!? なんかって何……!?」

ファズ

「って、受けんのかよ!?」

空摘 卯花

「受けるよ……? せっかくだもん」

ポリー

「そうだなあ……じゃあ、おもちゃどもの点検と人数確認してもらうか」

ファズ

「ぜってーこいつ、ボタンとかもってねーぞォ…」しぶしぶ。

羽ノ浦みやび

「てんけん」

羽ノ浦みやび

うーちゃんと顔を見合わせる。

空摘 卯花

「思ったよりもなんだか……しっかりした依頼」

ポリー

「そうだ、ここにゃおもちゃがた~くさんある」

ポリー

「どいつがおれらみたいなスプーキーになるかわかんないからな」

パーシヴァル

「count timeだね」

ポリー

「ちゃんと見ておいてやるのさ」

ファズ

「ふぅん……ダチ候補ってワケか……」
 ちらと、あひる隊長の姿が浮かんで…… ブンブンとかぶりを振った。

空摘 卯花

「うんと……並べ直したり、数を数えたり?」

ポリー

「ふだんはおれとノワールとモリーでやってるんだけどよ、追いつきやしねえ」

羽ノ浦みやび

「いっぱい……いるもんねえ」見回す。

ポリー

「そうだそうだ、分類通りに並べたり、かたづけたりな」

ポリー

「なにせ、ここに運び込まれちまったらみんな“おもちゃ”なんだぜ」

ポリー

「おもちゃっぽく見えなくても気をつけろよ!」

空摘 卯花

「う、うん」
コーン氏の方をちらりと見た。

コーン

やや安全に丸くとがっている。

空摘 卯花

安全に丸くとがってるなあ……。

羽ノ浦みやび

いっこほしいな…… 机に……

ポリー

「おれは食器どもを点検するから、お前らはそっちの箱を見てくれ」

空摘 卯花

机にコーン氏……道も作って……建物とか……。
机に広がるミニチュアシティを思い浮かべた。ほわわん。

GM

わちゃわちゃといっぱい入ってる箱。

空摘 卯花

「はぁい……わぁ、色々あるなあ……」

羽ノ浦みやび

「あ、みやびこれおんなじの持ってる!」

ファズ

「オイオイ!トロトロしてんじゃネェぞォ!」

ファズ

「なーにカンタンな依頼じゃねーか!とっとと とっちめてやろうぜェ!」

ファズ

イチ!ニ! びしばし ぺしぺし ポイポイ~
雑多にオモチャ達を箱から出している

空摘 卯花

「同じの持ってるとかあるんだね……みやびちゃんのお家のもスプーキーになったりするのかな?」

空摘 卯花

「ファズ! 散らかさないでよお~」

ファズ

サン・シ・ゴ……ロク、ハチ、キュー!!

パーシヴァル

「整列していただこう」

空摘 卯花

ぺしぺし取り出されていくおもちゃたちを拾っては検めて、少し遠くに並べる。

羽ノ浦みやび

「うーん、どうかなあ。スプーキーがはじめて動くときって、どんななんだろ……」

空摘 卯花

似たようなものがあれば近い所に置いて。
ついでに大きさも順になるように。

空摘 卯花

「ある日急に目覚めたり……するのかな? 他のおもちゃに聞いてみたらわかるかなあ」

空摘 卯花

お話をしている間も手は止まらない。

空摘 卯花

カチャ、トン、カチャカチャ、トン……。

羽ノ浦みやび

「はーい、こっちに並んでね~」
言いながら、てくてく歩かせる。

羽ノ浦みやび

「ファズくんは覚えてる?はじめて動いた日」

空摘 卯花

10人グループにまとめつつ……ファズの方を振り向く。

ファズ

「キュジュキュの…………ああ?オレかぁ?!」

羽ノ浦みやび

ぴっぴっぴ。日に褪せたピンク。誰かの名前。閉まらないフタ。

パーシヴァル

ノワール氏の話を思い出すね

ファズ

クイと首をかしげる。
むかしのこと、動いた日のこと……………

ファズ

「アアッ!?!!? 何個かわかんなくなったじゃねーーか!!」

空摘 卯花

「ええ~!?」

羽ノ浦みやび

「ああっ、ごめんごめん!」

空摘 卯花

「今は63個だよ」

ファズ

「も~~~さいしょっからやりなおしかよぉ~~~~!!」

ファズ

「ウソだろ!?!?」

空摘 卯花

ふふん……。
珍しく自信ありげに眉を上げた。

羽ノ浦みやび

「え!うーちゃんすごいすごい」

パーシヴァル

「うのはなは計算masterだね」

空摘 卯花

「ファズは数えるの苦手だもんね~。わたしは算数得意だもん」

羽ノ浦みやび

「みやび算数ぜんぜんだめなんだよねえ」

ファズ

「う、うるせ~な!!
 ちょっと活躍したらいい気になりやがってェ!!」

ファズ

ナマイキな!!

空摘 卯花

「いいじゃん! モチツモタレツだもん!」

空摘 卯花

得意なこととか……得意な人がやるといい というようなこと!

ファズ

「モチモ、モツラレ・・・・・・・
 オ、オレサマの知らね~コトバを使うんじゃねェ~~~ッ」
 頭をつついている 

空摘 卯花

「もお~! 痛い!」

羽ノ浦みやび

(算数、中学生になったらもっと難しくなるの、やだな~)

羽ノ浦みやび

考えるだけでねむねむになる……

空摘 卯花

中学生になったらみやびちゃんに算数教えてあげよう……。

空摘 卯花

※学年が違うのである。※

GM

依頼はこんな感じかな~。

ポリー

「おっ、きれいに整頓、計算、点検されてるな!ありがとよ」

空摘 卯花

えへへ。

ポリー

こづかいとおかしどっちがいい?

空摘 卯花

う~ん……お菓子をお願いします!

ポリー

レモンキャンディをやろう。

空摘 卯花

さっぱりしたレモン味だ。
[ 空摘 卯花 ] お菓子 : 1 → 2


  

GM

あと追加自由行動があります!

空摘 卯花

みんなで遊びたいです!

GM

いいぞ~!

空摘 卯花

RTT4 指定特技(遊び)表(3) > 《ゲーム/遊び3》

空摘 卯花

2D6>=8 (判定:音楽) (2D6>=8) > 7[2,5] > 7 > 失敗

空摘 卯花

助けてファズ~!

ファズ

お!遊びならまかせろォ~~!!
[ ファズ ] 魔力 : 9 → 10
[ ファズ ] 魔力 : 10 → 8

ファズ

フヤシチャッタ

ファズ

お助けするぜェ!!

空摘 卯花

おたすけしてもらって成功!

GM

やったね!

空摘 卯花

1d6 (1D6) > 5

GM

1d6で誘える人数をふやそう~。

空摘 卯花

おもちゃたちもいっしょに遊べるのかな。

GM

もちろん!

GM

スプーキーも誘えます!

空摘 卯花

じゃあおもちゃのみんなを……誘っちゃお!

GM

イエーッ!

ファズ

ヒュゥ~~巻き込むぜェ!!

GM

データ的には5人までだけど……せっかくこのお話だからね。
フレーバー的には全員誘える……ことにしておこう!

空摘 卯花

あじさいおねえさんも誘えるのかあ……。スプーキーと一緒にあそんでるけどだいじょうぶかな? でもおねえさんもおもちゃが喜んでくれるといいなって言ってたし……。

空摘 卯花

いっしょに遊んでもらおうかな。

空摘 卯花

データ的には5人だけど……フレーバー的におもちゃのみんなとあじさいおねえさんも誘っちゃうことにします。

GM

いいぞ~

都 紫陽花

呼ばれた。

都 紫陽花

(なに……?)

空摘 卯花

「えと……いきぬき的な……」

空摘 卯花

「……休憩ってことで、あそび……ませんか!」

おもちゃたち

ワーーッ

空摘 卯花

ぐっ、と控えめガッツポーズ。

おもちゃたち

ワイワイ

羽ノ浦みやび

わーっ

ファズ

ギュイ~!!

おもちゃたち

キャッキャッ

パーシヴァル

にこにこ

空摘 卯花

ノワールさんも……どうですか!?

ファズ

遊びたいんだろぉ~!? オモチャだもんなァ!!

ファズ

やいのやいの

ノワール

「いや、俺は見てるよ」

ノワール

スー

空摘 卯花

あう……。はい……。

ファズ

「意地はってんじゃあねェよぉ~~」

ノワール

「ふっ、子供は子供で楽しんできな」

羽ノ浦みやび

「ハードボイルドだ!」

ノワール

「それに俺は……いや、」

ファズ

「ケーーッ!かっこつけやがってよォ~!
 オレァ、その細っこいのもフェイクだって知ってんだからな~!」

ファズ

たばこぴっぴ!

空摘 卯花

「逆に本物だったら困るよ……」
ぬいぐるみが煙草吸ってる場面、大人にどう説明していいかわかんないからね。

ノワール

たばこがはじきとばされてサングラスもはじきとばされる。

羽ノ浦みやび

「あっ」

パーシヴァル

「oh」

空摘 卯花

「あっ! ファズ~!」

ノワール

なにごともなかったのように拾い上げてかけなおす。

羽ノ浦みやび

「こらっ ファズくん!めっ」

ファズ

「お!かーいいつぶらな目ェしてんじゃね~か!」

ノワール

「行ってきな」

羽ノ浦みやび

むんず……

空摘 卯花

「い……いってきます」

都 紫陽花

所在なげにしている。

都 紫陽花

(……遊ぶ……?)

空摘 卯花

なにして遊ぼう? 手遊び歌?
アルプス一万尺とか、ずいずいずっころばしとか……?

空摘 卯花

お人形さんもいるから小さなファッションショーをしてもいいかもね。

おもちゃたち

だるまさんがころんだもいいぞ!

空摘 卯花

コーン氏もいるし、Mr.Takoのレゴもあるから街を作ったっていいかも。

羽ノ浦みやび

おもちゃ博物館だから、いっぱい遊ぶのあるね~

おもちゃたち

おもちゃたちもわいわい意見をだす。

ファズ

かっこつけヤローの当てつけに盛大にやってやろうぜ~~

ファズ

うらやましがらせてやる!

空摘 卯花

だるまさんが転んだ、おもちゃたちも参加するってなかなかスリリング……。

空摘 卯花

「じゃああじさいおねえさんが鬼で、わたしたちとおもちゃが動くので……」

空摘 卯花

おもちゃが自力で動くというのはアレなので、コーン氏とかを持って軽く動かす。

空摘 卯花

わたしたちが動かす、ということで……誤魔化していこう。

都 紫陽花

「え、私……?」

パーシヴァル

「それは楽しそうだ」

都 紫陽花

「鬼……が、がんばるね……」

空摘 卯花

「はい! お願いします……!」

ファズ

「勝負かァ!? まけねーぞォ!」

都 紫陽花

(おもちゃと……だるまさんがころんだ!?)

都 紫陽花

「で、ではぁ……」

都 紫陽花

後ろをむいて。

都 紫陽花

「だーるま、さーんが」

都 紫陽花

(……もうちょっと溜めた方がいいかな……?)

空摘 卯花

わちゃわちゃわちゃ……。(動いている)

空摘 卯花

あっ! こう……おもちゃ動かしたっぽいポーズになっておこう!

羽ノ浦みやび

わちゃわちゃわちゃ……

ファズ

いったり きたり ビュンビュン飛び回っている

都 紫陽花

(……もうちょっと溜めて……)

空摘 卯花

Tako氏とかの後ろに手を回している。いかにも持って動かしました感。

羽ノ浦みやび

ビューちゃんを運んでるかんじで……

都 紫陽花

「転んだっ」

都 紫陽花

振り向く。

羽ノ浦みやび

ぱっ!ストップ!

空摘 卯花

ストップ!

ファズ

目の前でがおー! ピタッ

パーシヴァル

ぴっ

GM

うまくできたかどうか 【がまん】で判定だ!

羽ノ浦みやび

2D6>=6 (判定:優しさ) (2D6>=6) > 3[1,2] > 3 > 失敗

空摘 卯花

ファズが大胆な場所すぎてちょっとびっくりして動きそうになったけどがまん。

空摘 卯花

2D6>=5 (判定:がまん) (2D6>=5) > 10[4,6] > 10 > 成功

羽ノ浦みやび

なぜか片足で止まってしまったのでころんだ。べしょっ!

空摘 卯花

あっ! みやびちゃんが!

GM

フレーバー判定なので眠気増やさなくて大丈夫です。

都 紫陽花

「あっ……」

都 紫陽花

「ふふ、みやび……ちゃんが次は鬼だ」

羽ノ浦みやび

「あ~ん」

ファズ

「みやび、だっせェ~~!」
 ケタケタ

空摘 卯花

「ふふ……それじゃ次はおねえさんも一緒に、こう……」
モリーちゃんをだっこして移動させる。

都 紫陽花

「私はどのおもちゃさんと遊ぼうかな……」

羽ノ浦みやび

(ファズくんは見えるんだからねっ ごまかされないんだからねっ)口パク

空摘 卯花

「けっこう大変です、これ……ハードモードです」

都 紫陽花

ポリーを抱えた。

空摘 卯花

複数のおもちゃを動かしつつ自分も動きつつ止まるのは、たいへん。

羽ノ浦みやび

「じゃあ、いくよ~!」

ファズ

「かかってこいやァ!!」

羽ノ浦みやび

だー、るー、まー、さー、んー、がー。

パーシヴァル

ふよふよ

おもちゃたち

わーわー

ファズ

とはいえ比較的そろりそろ~り

空摘 卯花

わたたたた!

都 紫陽花

(腰にくる……!)

羽ノ浦みやび

両手で顔を覆う。後ろでみんなが動く音。

空摘 卯花

おもちゃ動かしたり動いたり。

羽ノ浦みやび

「ころんだっ!」しゅばばっ!

空摘 卯花

ぴたっ!

パーシヴァル

ぴっ

ファズ

シュシュ ピタッ

都 紫陽花

動く。

都 紫陽花

「あ」

羽ノ浦みやび

「あ、あじさいおねえさん動いた~!」

都 紫陽花

「そんな~」

空摘 卯花

「あはは、すぐ動いちゃった……!」

都 紫陽花

「また鬼か~……」

羽ノ浦みやび

「こうたいこうたーい!」

都 紫陽花

「次はフェイントかけちゃおうかなー……なーんて」

都 紫陽花

ふふん……。

都 紫陽花

大人をなめるなよ……!

空摘 卯花

「フェイント……!?」

羽ノ浦みやび

「ふっふっふ、わたしたちのどーたいしりょくに勝てるかな……!」

ファズ

「オトナがナマいってやがるぜェ~~!?」

ファズ

「やってやろうじゃん!オウ!ウノハナァ!!」

空摘 卯花

「うん……っ、あ、はい!」

空摘 卯花

がんばるぞ~……。

都 紫陽花

「だーるまさん、が」

都 紫陽花

振り向かずにさっと横に動く。

都 紫陽花

「ころんだっ!」

都 紫陽花

そして振り向く!

空摘 卯花

「あっ!?」

羽ノ浦みやび

ぴた……ぴたたっ!

空摘 卯花

ぐらついて一歩踏み出してしまった。

都 紫陽花

「やぶれたり……!」

ファズ

「ギャッッ」 ふんづけられ

空摘 卯花

「ぐぬ……!」

空摘 卯花

「まいりましたあ~」

空摘 卯花

ファズ、どうしてそんなとこにいたの……。

ファズ

オウ!?コンビはニニンサンキャクだろうがよォ

ファズ

「なァにやってんだよォ ウノハナァ~~~」

パーシヴァル

「hahaha」

おもちゃたち

おもちゃもころんと転がったりなどしていた。

GM

外は大雨だけど、ちょっとしたレクリエーション。

GM

眠気が~9点回復!
[ 空摘 卯花 ] 眠気 : 7 → 0
[ 羽ノ浦みやび ] 眠気 : 15 → 6

GM

やったね!

空摘 卯花

楽しく目も覚めた!

羽ノ浦みやび

げんきいっぱい!

都 紫陽花

久々に遊んだきがするな……。

おもちゃたち

みんなよろこんでいます。

ノワール

みんなの姿を少し離れたところで、ひとり。
相変わらず煙草をふかしながら見ていた。

GM

GM

みんな遊んだね!

GM

何について調べる?

羽ノ浦みやび

とりあえずはノワールさんに中間調査報告かな~

GM

はーい


 探偵ノワール 

ノワール

ガラクタで作られた一角を探偵事務所としているらしい。

ノワール

「よう」

羽ノ浦みやび

少々危ういバランスのガラクタを崩さないようそーっと覗き込む。

パーシヴァル

「hi」

羽ノ浦みやび

「ハァイ」

ノワール

「2日目か、首尾はどうだ」

羽ノ浦みやび

「上々ってかんじでは、ないかな~」じゆうちょうの調査ノートを開く。

羽ノ浦みやび

ぺたんと座って。

羽ノ浦みやび

「おみなえしさまには会ったよ、おともだちの話も聞いたの」

ノワール

「姫さんに会えたか」

ノワール

「そいつはなにより……友達ってのは?」

羽ノ浦みやび

「オオツチさんっていうんだって。パーシィたちみたいな、内緒のおともだち……」

羽ノ浦みやび

「蜘蛛のおばけって言ってたよ」蜘蛛……?の絵を指す。

ファズ

「クモノスでぐるぐる シュミの悪いヤツだぜェ~~」

ノワール

「ふむ……」

ノワール

「蜘蛛、ね」

羽ノ浦みやび

「おともだちに、どこかに行ってほしくなくて、雨を降らせてるのかなって」

パーシヴァル

「そう、恋のstoryもね」

ノワール

「……」

ノワール

「お前たち開かずの扉は見たか?」

羽ノ浦みやび

「見てない!二階にあるお部屋?」

ノワール

「ま、行ってもいいが無駄だ。あそこはカギがかかってる」

ファズ

「オン!?!? オタカラでも隠してあんのか!?」

ノワール

「あそこの扉のモチーフが蜘蛛なんだよ。不思議だろ?」

パーシヴァル

「hmm」

ノワール

「なんか関係あるのかねえ……」

ファズ

「ま、まぁたクモかヨォ……」 や~ん

ノワール

煙草をふかす。

羽ノ浦みやび

「鍵……」

羽ノ浦みやび

鍵?の絵を描いておく。

GM

判定してもらうか……。

GM

そうだな……

GM

【ウソつき】で判定をお願いします。

羽ノ浦みやび

2D6>=5 (判定:ウソつき) (2D6>=5) > 6[1,5] > 6 > 成功

GM

成功ですね。

GM

ノワールさんは まあ……ウソはついてない。
ウソはついてないだけで。

GM

話をす、とすり替える。ように見える。いつも。

羽ノ浦みやび

もくもく煙……のイメージの向こう側。

羽ノ浦みやび

けむにまく、というやつ。

羽ノ浦みやび

じっとノワールさんを見る。

ノワール

「どうした?俺の自慢のサングラスに指紋でもついてるか?」

ノワール

自分の手でふきふき。

羽ノ浦みやび

「もうひとつ、お話聞いてね」

羽ノ浦みやび

「もうひとり、誰かに帰ってほしくない”ひと”がいるんだって」

ノワール

「ひとりどこじゃないだろ、ここは元おもちゃ博物館だぜ」

ノワール

「お前らに帰ってほしくないやつなんか、いくらでもいる」

羽ノ浦みやび

視線がそのかわいい刺繍の施された左足へ。

羽ノ浦みやび

「ノワールさんは?」

羽ノ浦みやび

「帰ってほしくない?」

ノワール

「……俺は」

ノワール

「お前らが無事にお家に帰れればいいと思っているよ」

ノワール

「ウソじゃない、ほんとのことさ」

羽ノ浦みやび

「うん……」

ノワール

肩をすくめるポーズ。

羽ノ浦みやび

「帰ってほしくないひと、いない?」

ノワール

「……」

ノワール

煙草を灰皿に押し付ける。

ノワール

「いないよ」

ノワール

今度は、

ノワール

ウソだった。

ノワール

帽子を目深にかぶってぴょんとガラクタを降りる。

羽ノ浦みやび

それを、うそつきって言えたら、たぶん。
もっと簡単なのかもしれないんだけど。

羽ノ浦みやび

みやびも、うそをつくことがあるから、できなかった。

羽ノ浦みやび

「中間報告は、こんなかんじ!」

ノワール

「おう、ご苦労さん」

羽ノ浦みやび

ぱたんとノートを閉じる。

ノワール

「無事に帰れるといいな」

ノワール

コートのポケットに手をつっこみ、とことこ歩いていく。

ファズ

「……………」
それをじぃ……と見つめている。

羽ノ浦みやび

「うん、パパもママも心配してるし……」毎日メッセージ送ってくるよ~。

羽ノ浦みやび

「宿題もあるしね」

GM

では、ここはこんなところ。

GM

雨は、まだ降っている。

GM



 夜 

GM

2日目の夜。

GM

非常食やカフェの残りをたべて、お客さんとか職員さんとなんてことはない話をして。

GM

夜にさそわれて自由な時間がやってくる。

GM

真夜中フェイズです!

パーシヴァル

ぶらり旅、してみるか!

GM

いいぜ~。

パーシヴァル

STT オバケぶらり旅表(8) > 人間について学習します。オバケ判定を行って下さい。成功すると、ランダムに好きな特技を1つ選びます。そのゲームの間、その特技を習得しているものとして、行為判定を行うことができるようになります。

パーシヴァル

2d6>=9 (2D6>=9) > 2[1,1] > 2 > ファンブル(【眠気】が1d6点上昇)

パーシヴァル

人。人。人。

パーシヴァル

普段、こんなに多くの人の目覚めから、眠りまでを

パーシヴァル

見守ることはない。

GM

知らない人たち。

GM

でも、今はアートパークという大きな傘の下で雨宿りをしている。

パーシヴァル

ベッドの上で、いびきをかく男性に。
子供をあやす母親に。

パーシヴァル

大人の心配を他所に、元気な子どもたち。

GM

2日間、人が雨宿りをするのに困らないだけの空間。

GM

スマホはあるし、パソコンも、テレビも。
洗濯機も、冷蔵庫も。

GM

暗闇もない、ひとりぼっちになる時間もない。

パーシヴァル

おばけは、どこから来るのか。
なんのために生まれるのか。

パーシヴァル

なぜ、死ぬのか。

パーシヴァル

なぜ、おとなになると見えなくなるのか。

GM

こんなに人がいるのに。

GM

空摘 卯花と羽ノ浦 みやび以外に、おばけの見える人はいない。

GM

倉庫には、今も。

GM

おばけになるかもしれないおもちゃと。
おばけだったかもしれないおもちゃが人よりもたくさん眠っている。

パーシヴァル

中庭の出入り口の傘を拝借して、外へ。

GM

中庭は暗いが、人が困らないだけの街灯がある。

GM

雨が降っている。

パーシヴァル

ひとり分の空間。

パーシヴァル

ぬかるみに、ひとり分の足跡が現れ、消える。

おみなえし

その行く先に、雨をふちどるような少女の輪郭が立っている。

パーシヴァル

同じ傘の中へ、立ち止まり。

おみなえし

見上げる気配。

おみなえし

「おばんです」

パーシヴァル

「やぁ」

おみなえし

「何か、御用か?」

おみなえし

あいかわらず泣きはらしたような目元。

パーシヴァル

「君は」

パーシヴァル

「私達のことをどう思う?」

おみなえし

「……お前たちのことを?」

おみなえし

「……そうだな……」

おみなえし

「ろうそくの火のようなものだな」

パーシヴァル

「ろうそく?」

おみなえし

「明るく、あたたかく、夜を照らしてくれる」

おみなえし

「ひとたび、扱いを間違えれば家を焼く」

おみなえし

「……そして、ろうそくの火は」

おみなえし

「灯したろうそくが、終わりを迎え」

おみなえし

「なくなって、また新しいろうそくに灯る」

おみなえし

「お前たちはろうそくではなく、ろうそくの火だと思う」

パーシヴァル

「なるほどね」

おみなえし

「だから。人は、ろうそくだ」

おみなえし

「いつか、なくなる……とわたいは思っている」

パーシヴァル

「…………」

おみなえし

この姿で言うのもなんだがな。とつけくわえて。

パーシヴァル

「君はとてもロマンチストなんだね」

おみなえし

「わたいじゃない」

おみなえし

「オオツチの言うたことよ」

パーシヴァル

「ほう」

おみなえし

「だから、」

おみなえし

「あなたがどんなろうそくになっても」

おみなえし

「灯りにゆきます、と……」

おみなえし

「……」

パーシヴァル

「ろうそくは、火を灯さなければそこにあり続ける」

パーシヴァル

「だけど、冷たいままだ」

おみなえし

「そうだ、夜を照らせない」

おみなえし

「今の人の世の、なんと明るいことか」

パーシヴァル

「…………」

パーシヴァル

「一吹きすれば、火は消えてしまう」

パーシヴァル

そうして、きっと。ろうそくが朽ちようとする前に。

パーシヴァル

再び灯されるのだろう。

おみなえし

「火を消さぬことなどできぬ」

おみなえし

「いつかその日は来る」

パーシヴァル

「燃やしすぎては、ろうそくを蝕んでしまう」

おみなえし

「風は吹く」

おみなえし

「ろうそくが終わる前に」

おみなえし

「突然、ある日、本当に突然訪れる」

おみなえし

「しかしな、お前さん」

おみなえし

「ろうそくは、絵を描くのにつかうのよ」

おみなえし

「わたいの絵を見ただろ、あれはろうと色水で描かれたのよ」

おみなえし

「火の消えたろうそくは、それに使う」

おみなえし

「人は絵を……描くのよ」

パーシヴァル

「…………そうかもしれないね」

パーシヴァル

人は勝手だ。

パーシヴァル

勝手なことを言う。

パーシヴァル

火はろうそくにはなれないし、絵を燃やしてしまう。

おみなえし

「ろうそくから消えた火は」

おみなえし

「……どこをさ迷っているのか」

パーシヴァル

思いが強ければ強いほど、それはおばけも人も蝕み、こうして、世界までも

パーシヴァル

人が強く思うことは
ねがうことは、ゆるされるのに
おばけにそれは、ゆるされない

パーシヴァル

君たちが喜んだり、悲しんだり

パーシヴァル

怒ったり、喜んだり

パーシヴァル

恋をすること

パーシヴァル

それらは我々にとって

パーシヴァル

ただ、大きな力となり、最後には爆発してしまう

パーシヴァル

「また、灯るよ」

おみなえし

「、ケホ」

おみなえし

咳をする。噎せこんで、うずくまる。

パーシヴァル

「君たちが、必要とすればいつだって」

おみなえし

「……そうだな……」

パーシヴァル

「彼も、また。灯ることができるように」

パーシヴァル

「鎮めてあげないとね」

おみなえし

「ああ、」

おみなえし

「わたいを呼ぶ声が聞こえる」

おみなえし

「……彼が家を焼く前に」

おみなえし

「消してやってください」

パーシヴァル

「うん」

おみなえし

「……彼の、弱点は」

おみなえし

「【がまん】……よ」

パーシヴァル

「ふふ」

パーシヴァル

「任せておくれ」

パーシヴァル

私は、人ではない。

パーシヴァル

しかし

パーシヴァル

ただのおばけでもない。

パーシヴァル

羽ノ浦みやびのスプーキーだ。

パーシヴァル

君にも、思い出してほしい。

GM

イノセントとスプーキーは。

GM

ずっと、ずっといっしょ。

GM

たとえ、契約なんてなくても。

GM

と、多くのイノセントが言う言葉。

GM

それから、どれだけ多くのろうそくに火が再び灯ったのか。

GM

みんな、知らない。

GM

GM

ではァ

GM

真夜中フェイズのつづきですっ!

ファズ

ちょっとばかし抜け出してエセ探偵をおっかけるぜ~~

GM

は~い


 廊下 

GM

夜。雨が屋根や窓を叩く音だけが聞こえる。

ファズ

まっくらまよなかおばけの時間。
雨音をくぐり廊下を風切り飛んでゆく。

ファズ

行く先は、もちろん『アイツ』のところだ。

GM

窓辺で煙草をふかしている。

GM

ぬいぐるみのような姿が見える。

ファズ

「オイ!!エセ探偵ッッ!!」 
 窓に叩きつけるようにギャン!と爆音が鳴る。

ファズ

抑えるニンゲンがいない為、ものすごく 響く。

ノワール

「なんだ、騒々しいな」

ファズ

「ここであったがヒャクネンメ!なんとかのオサエドキってヤツだ!」

ノワール

「またおやすみの必要なお嬢ちゃんがいるのかい」

ファズ

「おあいにく様! しっかり巻いてきたからな!!
 オレサマひとりのゴスイサンだ!!」

ファズ

ただしめちゃくちゃ爆音である。

ノワール

「ほう」

ファズ

「テメーにはハナシ付けとかなきゃいけねーからな!ジキジキにオデマシよォ!」

ノワール

「さて、何の話やら」

ファズ

「ハン!すっ呆けんじゃねェぜ!!
 オレサマのクリクリボタンがオミトオシなんだよォ」

ファズ

「そう!オマエのカラダがマックロクロスケだってェことはよォ~!!」

ノワール

「半分は黒猫だからな」

ノワール

「当然だ」

ファズ

ガチャガチャしているが、要はめっちゃ怪しいぞといいたいらしい。

ファズ

「フン!そーやってコドモはマケるんだろーが、オレはそんなにアマちゃんじゃあねーのよ。」

ファズ

「オマエ、なんか隠してんだろ。」 ずずい。

ファズ

サングラスに頭突きをせんがばかりに接近して。

ノワール

「このつぶらなおめめのことか?」

ノワール

「悪いね、さっき見せただろ」

ファズ

「ああ、そのおめめだ。」

ファズ

「……いや、正しくいうなら そうだな。
 そのクリクリおめめの先のハナシかもしんねーな。」

ノワール

「……なるほどね」

ノワール

ポケットからおもちゃのたばこを取り出して、差し出す。

ノワール

「素面じゃ出来ない話になる。付き合え」

GM

おばけ判定、してもらおうかな~。

ファズ

「ケッ!それでオトナのつもりかよォ~!」
それを口先でペイと掬うと、弦の間に差し込んだ。

GM

成功失敗に関わらず、話は進みます。

ファズ

2d6>=9  (2D6>=9) > 7[2,5] > 7 > 失敗

ファズ

煙草が弦に弾かれて鈍い音を鳴らした。

ファズ

「ったく、テメェのコトしか考えてねーのかよ。」
[ ファズ ] 魔力 : 8 → 6

ファズ

すくうようにして、手繰る 夜はおばけの時間。
なにかが浮き上がってもふしぎはあるまい。

GM

おばけにしかわからないたばこのあじ。

GM

出ない煙をもくもくさせる。

ファズ

「テメェも難儀なセーカクしてやがんぜ ったくよ~」
弦を揺らすと、得意げに煙がゆれる。

ノワール

「紫陽花に聞いてくれ」

ノワール

「俺はあいつのイマジナリーフレンドだからな」
【 紫陽花 / ノワール 】CHARACTER DATA

ファズ

「ケッ!!タニン様のせーにしてんじゃネェよ」
 悪態をつきながらもフン!と煙をはじく。

ノワール

「まあ、他人だな」

ファズ

「ああ、タニンタニン。 しかもとっときタチのわりィタニンサマよ。」

ノワール

「世の中の大半は他人だ」

ノワール

「人同士ですらそうなんだから、おばけにとっちゃよそのイノセントはどうでもいい存在だろうよ」

ファズ

「……そんでも、オマエにとってはそうじゃねェ」

ファズ

「そんくれーはわかってんぜ オレサマだって、イッパシのおばけサマだかんな。」

ノワール

「……あいつがここに来たのは、先輩とやらに仕事を押し付けられたからだ」

ノワール

「あんまり人様をとやかく言いたかないが、押し付けた男はそんなにいいやつじゃねえ」

ファズ

「ふぅん。 ま、イカニモ気の弱そうなねーちゃんだもんな。」

ファズ

そういうところは、ウノハナに似ている。

ノワール

「俺たちおばけは、ずっと一緒にはいてやれない」

ノワール

「特に……」

ノワール

「小学校が終わって、その次だ」

ノワール

「もう、見えなくなる。話せなくなる」

ノワール

「でも、俺たちからは見える」

ファズ

「…………。」
傍らに座して ふう と煙を吐く 素振り。

ノワール

「たまんないぜ、俺の大事な大事なイノセントが同級生に足つっかけられたり、水かけられたりしてるのを」

ノワール

「見てるだけってのは」

ノワール

「毎晩毎晩泣いてるのに、なんの声もかけてやれないのは」

ファズ

「……ケッ。ムナクソわりィ話だな ったく。」

ファズ

「そんで、テメェは?」

ファズ

「見てるだけ なにもできない。 で、こんなトコでナニしてんだよォ」

ノワール

「言っただろ、おもちゃどもの世話をしてる」

ノワール

「俺も第二のおばけ生ってやつを歩み始めたのさ」

ファズ

「やっすい同情の結果がソレか?」

ノワール

「お前も見ただろ。おばけも死ぬ」

ノワール

「その前にあいつにしてやれることがあるのなら、俺はどんなことでもする」

ノワール

「ただちょっと顔を出して、お前はいい女だぜって言ってやるのを、あきらめるのが“がまん”か?」

ファズ

「フン。だからテメェはなんなんだよ。
 死にぞこないの 寂しいオモチャをよすがにめでたしめでたし
 がまん?ただのゲンジツトーヒじゃねェの。」

ファズ

「オマエが助けたいのはなんなんだよ。
 アイツを助けたい? オレにはマッタクそーは思えねェがな。」

ファズ

「いいか? お前がやったのは ねんねんころり、そんでオシマイだ。」
 オレサマはつついてやったぞ!あのデコをガツンとな!!

ノワール

「あいつが未だに俺のことが見えないのは」

ノワール

「あいつがいい女だからだよ」

ファズ

「ケッッ!!ま~~た カッコつけかよォ!!」 ケッケッ

ノワール

「ダメな大人になったらずっと一緒にいられるぜ」

ノワール

「お前も今のうちに準備しておいたらどうだ」

ファズ

「ハンッ!オレサマに言いたいのはソレだけか??」

ファズ

「オマエのそーいうトコが嫌いなんだよオレはッ」

ノワール

煙草をふかし。

ノワール

「10年後に今とそっくり同じことを俺に言えると約束するなら」

ノワール

「俺はお前に渡すものがある」

ファズ

「上から偉そうなコト言ってんじゃねェ!!」 ベシッとたばこをはじいて

ファズ

「テメェは説教するばっかで、テメェのことがな~んもわかっちゃいねェ」

ファズ

「10年?20年? しらね~~~よッッ!!」

ファズ

「そんな先のコト、わっかるわけねェだろが!!!」

ファズ

「あのな。テメェは気付いてないだろーが、いちいちムジュンしてんだよ。
 アイツのことを助けたいっていいながら、なんもしねェ。
 他人さまにはなんも預けねェで、けむに巻く、ウソを並べる。」

ファズ

「その上10年後も、ジブンほっぽらかして、寂しがらずにのうのうと生きてろだァ?」

ファズ

「それはもう、オマエが寂しいだけだろが」

ノワール

「君なあ」

ファズ

「ンだよ てめー」

ノワール

「最初からそうだって言ってるだろ」

ノワール

「雨は降らせるもんじゃない、降るもんだ」

ファズ

「言われてねェ~~しッッ!!!!!
 あ~~~チクショウ、いちいちまわりっっくでェの……!!」

ノワール

「いいや、いい。君がここまで辿り着けるとはね」

ファズ

短絡的なオモチャ脳は、ただ力任せにブンブン羽を鳴らすだけだ。

ノワール

「君以外はもう多分……そうだな」

ノワール

「まあ、いい。いいんだ」

ノワール

「この雨は、オオツチが原因だ。それは違いない」

ノワール

「降り続けているのは、俺のセキニンだろうな」

ノワール

蜘蛛の形のカギを取り出して。

ノワール

「おもちゃ博物館の開かずの扉だ」

ノワール

「これを預かるスプーキーは、心が強く、孤独でなければならない」

ノワール

「ヤラズ雨を降らせるようなやつであってはならない」

ノワール

「ヤラズ雨は、もともとスプーキーだけなら抜けることが出来る」

ノワール

「ただ、そのとき二度とイノセントと会うことはできなくなる」

ノワール

「この雨を止めるには、オオツチを止めるしかねえ」

ノワール

「そして……そのあとも」

ノワール

「誰か1人、ここに残ってこの鍵を守る決まりだ」

ファズ

「……それがオマエだったってワケか。」

ノワール

「そうだ」

ノワール

「見ての通り、俺は落第者」

ノワール

「俺の信用がないのは、お前の言う通りだ」

ファズ

「…………。
 そうだな、オマエにはその鍵は向いてねェ。」

ノワール

「……お前がやってくれるか?」

ノワール

「言ったろ、10年後に今とそっくり同じことを俺に言えると約束するなら」

ノワール

「俺は君に渡すものがあると」

ファズ

「…………。」
 煙が流れてゆく。足りないボタンの行方を思いながら。

ファズ

ちいさな傷だとか、ぶつけた跡だとか。
なくしたもの、失ってどこかへいくものがある。
オモチャにとって、体の一部が欠けることは誇りだ。
オモチャにとって、傷というのはそういうものだ。

ファズ

……じゃあ、ウノハナは?

ファズ

「……それがあれば。」

ファズ

「雨からは抜けられるんだな。」

ノワール

「ああ、」

ファズ

「……雨がやんで、お前はどうなる。」

ノワール

「俺は元の探偵家業に戻るさ」

ファズ

「…………。」 じっと考える。得意でないなりに。ふかく。

ファズ

煙がゆるく揺蕩って。
そして、しばらくののち。

「……わかった。」

ファズ

「オマエがこっちについてこい。」

ノワール

「ついていったところでどうする」

ファズ

「ぶっちゃけてやる。
 オレにはそーいう難しいコトはよくわかんねェ!!」

ファズ

「……でもな、こっちにはウノハナがいる。」

ファズ

「みやびもパーシーもいる。」

ファズ

「オマエはしらねーだろーがなァ!
 わっかんねェことは、みんなで考えりゃ~タイテイのコトはわかんだよ。」

ノワール

「いいやつだな君は」

ノワール

「ふ、ならほかのおもちゃどもを連れてってくれ」

ノワール

「俺は最後まで紫陽花だけのスプーキーでいたい」

ノワール

「ここまで言わせるな」

ファズ

「ばっっっかやろう!!!!」

ファズ

「いや、てめーはバカだ!!!!」

ファズ

「紫陽花のスプーキーだから 行くんだろーが!!」

ファズ

「逃げ腰ヤローがナマいってんじゃねー!!
 お別れがなんだ!逃げてきたのはてめーだろーが!!
 そんなら、ケリをつけねぇおばけがあるか!!」

ファズ

べしべし!!翼でやわらかな頭をたたく。

ファズ

「諦めやら弱音ならオレサマのボタンが見つかってからいいやがれってんだ!」

ノワール

「……いずれにせよ、この雨が止んだら考えておく」

ノワール

鍵を放る。

ファズ

「ケッッ!!孤独きどってんじゃねーぞ!!」
 鍵をツノ(?)に引っ掛けて、大きく鳴らす。

ファズ

「テメーがなんて言おうが、オレは負けねーし、諦めねェからな!」

ノワール

「その意気だ」

ノワール

「オオツチによろしく」

ファズ

「ああ、ばっちりとっちめてやんよ!!」

GM

おばけ屋敷に挑戦することができるようになりました。

GM

夜はまだまだ、つづく。


  

GM

さあて!

GM

真夜中フェイズの続きです!

GM

各1手番ずつありますね。
※この辺に美味(命を捧げるにボーナス)か~?の声※

ファズ

とりあえずパス…をします!!

GM

では1d6をどうぞ!

ファズ

1d6 この鍵ってやつがよォ…… (1D6) > 5

ファズ

オラァ!!!!!
[ ファズ ] 魔力 : 6 → 11

GM

フレーバー美味するのは自由です。


 休憩時間 

GM

晩御飯をたべて、ちょっと一息タイム。

ファズ

どこからともなく、風が吹き抜ける。
騒がしいこのおばけのことだ。
いつもふらりとどこかへ飛んで行って、
そしてちいさな手元へと、戻ってくる。

ファズ

雨粒だったり、木の葉だったり。
時には埃まみれになって、やんやと場を騒がせる。

空摘 卯花

きょろきょろと辺りを見回していたが、慣れた風が吹き抜けてきて、そちらを見遣る。

ファズ

今日のおまけは、頭のさきにきらりと光るもの。

空摘 卯花

「やっと帰ってきた……、……それどうしたの?」

空摘 卯花

蜘蛛をかたどった鍵。見た目からして、一連の事件の、とっても大事なアイテムのような。

ファズ

「オウオウ、待ちくたびれたかァ!?
 まだまだ寂しがりのチビだな!!ウノハナはよ~!」

ファズ

騒がしいながら、すこし丁寧に着地する。
「お、コレか? どっかのさびしがり探偵からの贈りモンよ。」

ファズ

「どいつもこいつもまったくしかたねェったらないぜェ!アマちゃんがよォ」

空摘 卯花

どうやらお手柄らしいそれを、ぱちりと瞬きながら見つめ。

空摘 卯花

「すごい、そしたらこれでヤラズ雨も解決できるかも……!?」

ファズ

「かもじゃあねェぜ~!!
 なんたってこのオレサマがいるんだからな!
 オオツチのヤローのねぐらに殴り込みだァ!!」

空摘 卯花

「あ、でも、オオツチさんだけじゃなくてもうひとり……たぶんノワールさんだよね? ノワールさんは、雨を止めてくれる、のかな……」

ファズ

「……ああ、アイツもなんとかしてやんねェと。」

ファズ

「あいつ、やっぱり隠してやがった。」

ファズ

「思い切り詰めたら吐きやがった。
 アイツ、紫陽花のねーちゃんの、イマジナリーフレンド なんだってよ。」

空摘 卯花

「そっか……。あじさいおねえさんが帰したくない人なのかなって思ったけど、やっぱりなんだ」

ファズ

そのあとは、すこし言葉をにごして。
「……寂しいヤツなんだよアイツ。」

空摘 卯花

寂しさ。
おみなえしさまを思ったときにも想像したし、自分も寂しくなった。

空摘 卯花

ともだちがそばにいないことは、寂しいよ。

ファズ

「でも、それが カギ なんだってよ。」

ファズ

「そー言ってた。」

空摘 卯花

「……寂しくないといけないの?」

ファズ

「さァな!!俺はそーいう難しいことはわかんねェ!!」

空摘 卯花

「ん……寂しくなくても大丈夫ならいいんだけど」

ファズ

「ただま、こっちには ウノハナがいっからな。」

空摘 卯花

「……」

ファズ

「……なんにも問題ねェ。」 確かめるように頷いて。

空摘 卯花

「……そっか」

ファズ

「なんにせよ俺はツエーからな!!」

空摘 卯花

「つえーなら、わたしが居なくてもさびしくないんじゃないの?」

ファズ

「ハン!そりゃおめェ、ウノハナがだらしねーからだよ!」

空摘 卯花

「なんでわたしのせいなの!? ファズのほうがだらしないでしょ、散らかすし!」

ファズ

「ひとりでトイレにいけねェようなヤツに言われたくねェなァ!!」

ファズ

「オオン?それともまた電灯おっことしてやろうか!!」

空摘 卯花

「もっ……もうやめてよそれは! びっくりしたんだから!」

ファズ

「ケケケ!!」

ファズ

「……ま、その心配も無くなんだろ。 そのうちにな。」

空摘 卯花

「……、なんで……」

空摘 卯花

「……ヘンなこと言うね。ファズ、疲れてるんじゃないの?」

ファズ

「なんて顔してんだよオメェはよォ~~!!」

ファズ

「オレサマはいつだって元気モリモリだぜェ!!」

ファズ

ギャーン! と、高らかに鳴らすが。

ファズ

弦の張りが甘いのか、すこしヨレた音が響いた。

空摘 卯花

「音もヘンじゃん! やっぱ疲れてるんだ」

ファズ

「ヘンじゃねェし!!!!」

空摘 卯花

「ヘンだもん……また弾いたら元気出る?」

空摘 卯花

そっと指先で弦を撫でる。

ファズ

「ギャッ!!」 不意なことに弾けるように飛んだ。

空摘 卯花

「うわあっ!? ダメだった!?」

空摘 卯花

「さっきはこれで元気出てたからいいかなって思ったけど……」

ファズ

「いや……あ~…… 」わるかねェけどよォ……と語尾がもしょもしょ

空摘 卯花

「ヤだったら言ってね……う~ん……」

ファズ

「う……あ…… ギュイ……」

ファズ

「や、やっぱ明日にしねーか!?!?」

空摘 卯花

どうしたらいいんだろう? 困ったように小さく唸りながら今度はボディをなぞってみる。

空摘 卯花

「え!?」

ファズ

「ほらよ、雨がやんで…全部解決したらァ……ホラよ。」

空摘 卯花

「たしかに、ヤラズ雨も解決したらゆっくり眠れると思うけど……」

ファズ

「そうそう、晴れやかな中でお日様の光浴びてよォ!」

ファズ

「円満解決して、みんなしあわせになってよォ」

ファズ

「……めでたしってェかんじでさ。」

空摘 卯花

「……なるといいね」

空摘 卯花

ホントに全部まるっと解決なのか、ノワールさんのことも心配だけど。

ファズ

「なるだろ そりゃ。」

ファズ

お前、最近頑張ってるし。

空摘 卯花

でも、なるといい。めでたしめでたし、に。
物語の終わりに笑顔があるから、安心して本を閉じられるのだ。

ファズ

一応ひとりでトイレいってるし。

空摘 卯花

一応ひとりで行ってるよ。電気点けるけど。

ファズ

こいつなら、多分。

ファズ

こいつだからこそ、か。

空摘 卯花

わたしがちゃんとしてたら、ファズももう文句言わないでしょ。

空摘 卯花

文句言わずに、いっしょにいてくれるはずだから。

ファズ

背に乗せていた小さな体は、逆に抱えられるほどに。

ファズ

もう、わざわざ逃げてまわることも、ないしな。

ファズ

「…………」

ファズ

「……そういやさ、このボタン。」

ファズ

「なくしたって言ったろ。」

空摘 卯花

「……? うん……」

空摘 卯花

アートパークに来たのだって、なくしたボタンを探すためだ。

ファズ

「あれな、ぜ~んぶ ウソなんだ。」

空摘 卯花

「……えっ!?」

ファズ

「はは!ビックリしたろ!!」

空摘 卯花

「嘘……っ、うそ?! ほんと!?」

空摘 卯花

「ええっ、どっちなの~……」

ファズ

「ケケケ!どーだろなァ??」

GM

ウソつきで判定してもいいよ……。

空摘 卯花

2D6>=8 (判定:柔らかい) (2D6>=8) > 9[4,5] > 9 > 成功

GM

成功ですね……。

空摘 卯花

「……ウソついたのがウソだ!」

空摘 卯花

こっちが正解でしょ! とばかりに。

ファズ

「せいかいは~~~~~……」

ファズ

「教えてやるかよ ばーーーーかっっ!!」

空摘 卯花

「なっ、何それ~~~!! ひどい!」

ファズ

バタバタと愉快に飛び回る。 手の届かない場所でくるくると。

空摘 卯花

憤慨して手を伸ばすけれど、まだ届かない。

空摘 卯花

もしかしたら、もう少し背が伸びたら、届くのかもしれない。

空摘 卯花

卯花は、この一年でずいぶん背が伸びたから。

ファズ

そして、その手が届くころには きっと。

ファズ

「捕まってなんかやんね~よ!!」

ファズ

そしていつか。
伸ばす手が降ろされたとしても。

ファズ

振り続ける雨のせいかもしれない。キュルキュルと狂った音が鳴る。

空摘 卯花

ギターを教えてもらったら、調律の仕方も教えてもらえるはず。

空摘 卯花

雨が止んで帰ったら、教えてもらったら、今度はちゃんとなおしてあげる。

空摘 卯花

元気の出し方を、ヘンなののなおしかたを覚えてあげる。

空摘 卯花

ずっといっしょにいるために。

ファズ

おもちゃのギターは鳴り続けている。

ファズ

その指先は、きっとギターに向いている。

ファズ

オレサマはよく知っている。

ファズ

ウノハナは大きくなっても手を伸ばしてくれるだろうか。

ファズ

ホンモノのギターはでかいし、弦は固ェんだけどな。

ファズ

……こいつは、うまくやれるかな。

ファズ

それでも、オレサマは知っている。

ファズ

その指の小ささと、やわらかさを。

GM

さよならを、今日この日だって決められる人はたぶんなかなかいない。

GM

おばけも、たぶん。

GM

とってもすくない。

GM

GM

次はだれかなっ


 おばけ占い 

パーシヴァル

おばけ占いで魔女さんのお店を探そう

GM

は~い。

パーシヴァル

2d6>=9 (2D6>=9) > 7[3,4] > 7 > 失敗
[ パーシヴァル ] 魔力 : 10 → 8

GM

魔力を支払って成功!
ありました~!パパパパ~ン

パーシヴァル

yes!

GM

ショップのカウンターの下の戸だなを潜り抜けるとあるらしいです。

パーシヴァル

くるくる、風が集まって

パーシヴァル

そよそよ、髪がなびく。

パーシヴァル

風の通り道。不思議の小道。

パーシヴァル

妖精族が残した秘密の道標。

GM

こっち、こっちと光るように道を教えてくれる。

パーシヴァル

「みんな、listen。この建物には魔女のお店への入り口があるようだよ」

空摘 卯花

「え! 魔女のお店……」

羽ノ浦みやび

「魔女のおみせって、……魔女……?」

ファズ

「オ!なんだ~!?オタカラか~~!?!」

パーシヴァル

「こっちさ」

羽ノ浦みやび

ほわんほわんほわん…… 大きい三角帽子…… みどりのぶくぶく鍋……

パーシヴァル

ちょっと遊び心のある道をふよふよいく。

空摘 卯花

分厚い本とか……不思議な道具とか売ってるのかな……?
少しわくわくしながらついていく。

ファズ

ウノハナの後ろをぱたぱたとついていく。

GM

カウンター下の戸だな!

GM

ものが詰まってるようにみえるけど、奥が光っている。

パーシヴァル

階段を登って、部屋のポールを回って、ぐるっと一周。

パーシヴァル

たぶんそんな回り道は必要ないのだけど。

空摘 卯花

一周……。

空摘 卯花

ついていきます。

空摘 卯花

くるっ。

羽ノ浦みやび

てくてく ぐるぐる…… 

パーシヴァル

カウンターの下を指差す。

GM

ちょっと光が漏れている。

パーシヴァル

「here!」

羽ノ浦みやび

「光ってる!」

ファズ

一足遅れてついてゆく。 遠くで扉が閉まる音。

羽ノ浦みやび

戸棚の一番下を……くぐり抜ける!

GM

おもちゃ箱のなか。

空摘 卯花

「わ、わ~……」
戸棚の奥が光っているのに目を瞠りながら潜り抜ける。

GM

小さくなっておもちゃ箱のなかを歩いているような、不思議なこみちがひろがっている。

GM

しばらくいくと、おもちゃの家のひとつに灯りがついて看板がぶらさがっている。

GM

「魔女のみせ」


 魔女の店 

羽ノ浦みやび

「かわいい~!」

空摘 卯花

「すごい……」

GM

ベルを鳴らすカラフルなひも。

パーシヴァル

「ほら、ふたりとも」

羽ノ浦みやび

きゃあきゃあ

空摘 卯花

わあわあ。

羽ノ浦みやび

「うーちゃんほらっ、せーので鳴らそっ」

空摘 卯花

「うんっ、せー、のっ……」

GM

リンゴ~ン

GM

ドアがひとりでにひらく。

ファズ

「すっかり仲良しだなァ~オマエら!」愉快そうにすりぬける。

空摘 卯花

「わ……! 勝手に開いた……」

羽ノ浦みやび

「自動ドアだ!」

羽ノ浦みやび

「おじゃましまーす」

魔女

「いらっしゃ~い」

空摘 卯花

「おじゃましま~……、……!?」

魔女

カウンターに足を投げ出したローブの男性が気だるげに声を投げかける。

空摘 卯花

おひげのはえた魔女……!?

空摘 卯花

魔女……!? 女(じょ)……!!?

パーシヴァル

「hi」

ファズ

「ヘローだぜェ!!」

羽ノ浦みやび

「魔……女!?さん?!」

魔女

「毎度~」

魔女

「魔女です、どうもどうも」

羽ノ浦みやび

えっ…… かっこいい……

魔女

「何か買い物してく?」

魔女

ここから先は買い物の自由行動を使うから注意してな。

パーシヴァル

「面白いものがたくさんあると思うよ」

空摘 卯花

「あ、えっと、えっと……」

空摘 卯花

きょろきょろ、うろうろ。

羽ノ浦みやび

「はっ。えっとえっと!」

GM

ハーブを束ねたもの。トランプのかかれたティーカップ。

ファズ

「ほ~ら早く決めねェとなぎ倒しちまうぞォ!」

GM

ボタンがやまほど入っているビン。

空摘 卯花

「待って待って……あ、ボタン!」

GM

よくわからない生き物の標本。

ファズ

「ほ~ん、ウノハナの服にぴったりだな。」

空摘 卯花

「え? わたし?」

空摘 卯花

ファズがボタンを見て自分に似合うか言い出さないのは珍しい。

ファズ

「ほら、コレとかどうよ?」 真っ赤なくるみボタン。

空摘 卯花

「確かにかわいいけど……ファズのボタン探さないの?」

ファズ

鼻歌まじりにひゅるひゅると回っている。

魔女

「おれのおすすめはオマモリだね」

ファズ

「ホラ、ニンゲンには必要なんだろ。オシャレとか……」

魔女

「なんか気に入ったのあったらオマモリに加工してやるから言ってな」

空摘 卯花

クルミボタンを摘まみ上げる。
深い青のワンピースに、ファズの身体のように真っ赤な色は鮮やかに映えていた。

空摘 卯花

「あっ、あ……でも……」

空摘 卯花

そういえばおこづかいを枕元に置いてきてしまったんだった。

羽ノ浦みやび

「んー?」自分が見ていたお人形を置いて、卯花ちゃんの手元を覗き込む。

空摘 卯花

「お、お金……忘れちゃった」

羽ノ浦みやび

「あっ、みやびおこづかい持ってるよお」

羽ノ浦みやび

ねこちゃんのお財布を取り出して、ぱちんと開ける。

羽ノ浦みやび

「おいくらですかっ!」

魔女

「100円だよ」

羽ノ浦みやび

「ひゃくえんある!」はい、とうーちゃんに渡す。

空摘 卯花

「いいの? それじゃ、えっと……」
ポケットを探って、ポリーにもらったキャンディを取り出す。

空摘 卯花

「貸してくれたお礼。お金はまた戻ったら返すね」

空摘 卯花

お菓子(レモンキャンディ)をみやびちゃんに渡します。
[ 空摘 卯花 ] お菓子 : 2 → 1
[ 羽ノ浦みやび ] お菓子 : 0 → 1

羽ノ浦みやび

「わーい」

羽ノ浦みやび

るんるん。うれしそう。

魔女

「そのボタンにする?」

空摘 卯花

「はい!」

空摘 卯花

お願いします、と手渡し。

魔女

「じゃ、失敬」

魔女

カウンターの上のビロードの布の上において。
まわりに石やらハーブやらをならべて。

魔女

「あぶらだかだぶら~」

魔女

ポン、と音がしてボタンがちいさな袋につつまれる。

魔女

「ほい、どうぞ」

空摘 卯花

ボタンが包まれる音に、わ、と小さく口を開ける。
「ありがとうございます!」

ファズ

「へぇ~~器用なモンだなァ」

羽ノ浦みやび

「まほうだ~!」

魔女

「……お、あたりがでたな」

魔女

「もう一個、ほい」

魔女

「こっちはお花だ」

魔女

小さなお花のお守りを渡した。

空摘 卯花

「当たった!?」
なにが? でもうれしい。

羽ノ浦みやび

「わ~!よかったねえ!」

空摘 卯花

「えへへ……こっちはみやびちゃんのお守りね」
当たった方はみやびに渡す。

ファズ

うむうむ。 頷きながら宙を飛んでいる。

羽ノ浦みやび

「えっ、いいの?」

魔女

「これからおばけ屋敷?ま、気をつけてな」

ファズ

「オウ!ばっちり守ってやんぜェ~~」

空摘 卯花

「はい、がんばります……!」

羽ノ浦みやび

「はあい!」

羽ノ浦みやび

もらったおまもりをパーシィに見て見てする。

パーシヴァル

「とってもcuteだよ、みやび」

魔女

「おばけとひとの世界の平和をよろしく」

パーシヴァル

「thanks、魔女氏」

魔女

「じゃ、またご縁がありましたらごひいきに」

ファズ

「オウ!ゴエンガアリマシタラな~!」

空摘 卯花

「ありがとうございました~……」

魔女

手をひらひら振る。

空摘 卯花

おばけとひとの世界の平和……なんか壮大になっちゃった……!

羽ノ浦みやび

「ありがとうございました!」

GM

GM

では今回はここまで!

GM

次回で、おそらく終わりますね……。

GM

がんばって!


  

GM

前回からのあらすじ!

GM

「ヤラズ雨」の謎、最後のパーツに辿り着いてしまったのはおもちゃスプーキーのファズくん。

GM

妖精のこみちをたどって魔女のお店にも行って、おばけ屋敷にむかう準備中。

GM

時間は夜。

GM

さいごの手番!

GM

羽ノ浦みやび

はい!

GM

みやびちゃんですね。
さて……。

GM

なにをいたしましょう?

羽ノ浦みやび

命を……捧げます!

GM

はい、血とか夢とか肉体とかを捧げてあなたのスプーキーの魔力を紡いであげてください。


 命を捧げる 

羽ノ浦みやび

おばけ屋敷に向かう前に、指差し確認。
いち、にの、さん。
おともだちに、おまもりに、おやつに。

パーシヴァル

なんとなしに、庭のほうに鼻が向いている。

羽ノ浦みやび

おばけ屋敷には、実は一回行ったことがある。
おばけが見える同じ学校のおともだちと。

羽ノ浦みやび

うーちゃんはたぶん、はじめてなんじゃないだろうか。
軽く窺おうとして…… パーシィの鼻の向いている先に気づいた。

羽ノ浦みやび

「……パーシィ?」

羽ノ浦みやび

雨が降っている。降り続けている。

羽ノ浦みやび

だれかの、どこにも行かないでほしいきもちが。

パーシヴァル

「ん?」

羽ノ浦みやび

「なに見てるの?」

パーシヴァル

「ヤラズ雨さ」

羽ノ浦みやび

「うん……?」傍に寄る。暖房は効いているはずだけど、少し、肌寒い。

羽ノ浦みやび

「まだ気になること、ある?」

パーシヴァル

「そうだね……」

パーシヴァル

おみなえしとの話を思い出している

羽ノ浦みやび

窓の外。雨の中。覗き込むようにして。

パーシヴァル

「誰かと一緒にいたい気持ちは」

パーシヴァル

「その誰かの幸せを願う気持ちより」

パーシヴァル

「強くなってしまうことが、あるんだね」

羽ノ浦みやび

「……」

羽ノ浦みやび

オオツチさんのこと。ノワールさんのこと。
おみなえしちゃんのこと。あじさいおねえさんのこと。

パーシヴァル

「大切な人と一緒にいたいと思うのは、大事な気持ちさ」

パーシヴァル

「だけど」

パーシヴァル

「その気持ちをぐっと、我慢して」

パーシヴァル

「笑顔でいないといけないことだって、ある」

羽ノ浦みやび

「……みやびも、ちょっとわかる」

羽ノ浦みやび

「まだ遊びたいのにおともだちが先に帰っちゃうとき、さみしいもん」

羽ノ浦みやび

「お父さんとお母さんがふたりだけで出掛けちゃうときも、さみしいし」

羽ノ浦みやび

「……でもそういうとき、行かないでって言ったら、ヤな気持ちにさせちゃうから」

羽ノ浦みやび

「がまん……」

パーシヴァル

木製の指が低い位置にある頭をなでる

パーシヴァル

「みやびはいいこだね」

羽ノ浦みやび

「みやびがいいこにしてたほうが、みんなうれしいもん」

羽ノ浦みやび

「……みやびは、ほんとのいいこじゃないけど」

パーシヴァル

「みやび」

パーシヴァル

「がまんをし続けるとね」

パーシヴァル

「それは、大きく膨らんで、いつか」

パーシヴァル

「ぱんぱんの風船のように爆発してしまう」

パーシヴァル

「だから、時々は、誰かを困らせてもいいんだよ」

羽ノ浦みやび

「みやびは、パーシィがいるから大丈夫なの」

羽ノ浦みやび

「パーシィと遊びに行くときは、がまんしてないから」

羽ノ浦みやび

「……でも、パーシィは?」

羽ノ浦みやび

「がまんしてること、ない?」

パーシヴァル

「私が?」

羽ノ浦みやび

「うん」

羽ノ浦みやび

「パーシィってぜんぜん怒ったりしないし」

羽ノ浦みやび

「ほら、ファズくんはけっこう……怒りんぼだけど」

羽ノ浦みやび

「パーシィはいつもみやびの言うこと聞いてくれるでしょ」

羽ノ浦みやび

けんかとかもしたことない。

羽ノ浦みやび

それって、もしかして。
本音じゃないって、ことだったり、するのかな?

羽ノ浦みやび

パーシィが恋してたってお話も、今日初めて聞いて。
それは隠してたんじゃないって、思うけど。

パーシヴァル

我慢。

パーシヴァル

我慢とは、きっと

パーシヴァル

もっと、がないと成り立たない。

パーシヴァル

もっと一緒にいたい。

パーシヴァル

もっと話したい。

パーシヴァル

もっと、近くに来てほしい。

パーシヴァル

自分はきっと、いま。

パーシヴァル

手元にあるもので満足しているのだろう。

パーシヴァル

「今は、ないかな」

パーシヴァル

昔は、どうだろう。

パーシヴァル

これからは、どうだろう。

パーシヴァル

「私は、みやびが元気でいてくれたら嬉しいよ」

パーシヴァル

今日はほんの少し、頑張りすぎてしまったけれど。

パーシヴァル

木製の指先に、赤いインクが滲む。

羽ノ浦みやび

「みやびはいっつも元気だよ、明日も、あさっても!」

羽ノ浦みやび

「……う~ん。ムヨクだなあ、パーシィは」

羽ノ浦みやび

何気なく手を取る。そこに滲むインク。血みたいに。

羽ノ浦みやび

「……あれ」

羽ノ浦みやび

「どうしたの、これ」

パーシヴァル

「これかい?」

パーシヴァル

「今日は、たくさん遊んだからね」

パーシヴァル

赤は移りこそしないものの、なんとなく湿っている。

羽ノ浦みやび

「えっ、だいじょうぶ?おばけ屋敷、行ける?」

パーシヴァル

「そうだな……」

パーシヴァル

手をくるりと回す。

パーシヴァル

「ばらばらにはならないさ」

羽ノ浦みやび

「怖いこと言わないでよお」

羽ノ浦みやび

「えっと、えーっと……」

羽ノ浦みやび

ポケットをもぞもぞ。もらったキャンディがひとつ。

羽ノ浦みやび

「お菓子、たべる?」

パーシヴァル

首を横に振る。

パーシヴァル

「それはもっておいで」

羽ノ浦みやび

「……んと、じゃあ」

羽ノ浦みやび

その腰に両腕を回す。

羽ノ浦みやび

ぎゅっと抱きしめる。

羽ノ浦みやび

背中を撫でて。

羽ノ浦みやび

「みやびは、パーシィが大事だから」

羽ノ浦みやび

「みやびに出来ることがあったら、言ってね」

羽ノ浦みやび

服の向こうに体温はないけれど、あったかい、ような気がする。

羽ノ浦みやび

おともだちのために出来ること、たくさんあるようで、すごく少ない。

羽ノ浦みやび

こんなにいっぱいもらっているのに、まるで、なにも。

羽ノ浦みやび

いつもそばにいるのに、それが当たり前なのに。
それをまるで特別なことみたいに喜んでくれるあなたに。

羽ノ浦みやび

「パーシィはみやびの大事なおともだちなんだから……」

パーシヴァル

「…………」

パーシヴァル

「そうだね」

パーシヴァル

この子は、本当は素直でいいこだ。

パーシヴァル

すなおと、いいこを両立するのは難しい。

パーシヴァル

「おばけはね」

パーシヴァル

「いや……」

パーシヴァル

「スプーキーはね」

パーシヴァル

「パートナーのイノセントの命をすこしだけもらうことで、強くなれるんだ」

羽ノ浦みやび

「いのち」またたく。

羽ノ浦みやび

「いのち!?」

パーシヴァル

「うん」

羽ノ浦みやび

「……えっと、……寿命……?」

パーシヴァル

「もっと、大切なものだよ」

パーシヴァル

たとえば、夢の隅っこ

羽ノ浦みやび

見上げる。相変わらず目のない顔。微笑んだ唇。

パーシヴァル

たとえば、毎日のちょっとしたひとこま

パーシヴァル

たとえば、心の真ん中のあたり

パーシヴァル

手をにぎったり開いたり

パーシヴァル

「みやびが、気づいたり、気づかなかったりする部分さ」

羽ノ浦みやび

怖い話のようだけど、パーシィの声色は優しい。

パーシヴァル

「そういう、人生のひとかけらを」

パーシヴァル

「もらうと、ちょっとだけ強くなれる」

パーシヴァル

「私はね」

羽ノ浦みやび

「あげる!」

羽ノ浦みやび

「いいよ、あげる」

パーシヴァル

「いいのかい?」

羽ノ浦みやび

「だって、みやびもパーシィにいっぱいもらってるもん」

羽ノ浦みやび

「人生?……おばけ生?の、ひとかけら」

パーシヴァル

「ふふ」

パーシヴァル

「みやび」

羽ノ浦みやび

お返し出来ることがあると思うと、それだけでうれしくて。

パーシヴァル

「君の元気が、私の中に」

パーシヴァル

「これからずっと残り続ける」

羽ノ浦みやび

いのちを捧げることだって、こわくはない。

パーシヴァル

「みつからないなくしもののようにね」

羽ノ浦みやび

「え~?」

羽ノ浦みやび

「見つからないのは、ちょっとヤだ……」

パーシヴァル

君はきっといつか、それを実感するだろう

パーシヴァル

今はわからなくても

パーシヴァル

「嫌かい?」

羽ノ浦みやび

「だって、みやびのあげたのなくしちゃったらさみしいよ」

パーシヴァル

「ふふ」

パーシヴァル

「なくさないさ、ずっと」

パーシヴァル

私はね

パーシヴァル

「もし、みやびが、君のひとかけらをくれるなら」

パーシヴァル

「目を閉じて」

羽ノ浦みやび

「ん、」

羽ノ浦みやび

迷わず閉じる。

パーシヴァル

大事なパートナーの右頬に手を添えて、その髪を後ろへ

パーシヴァル

とんがった歯で右の耳たぶをばちんとひと咬み。

パーシヴァル

じわと滲む真っ赤な血と、小さな丸い穴。

羽ノ浦みやび

小さい悲鳴。

パーシヴァル

「もういいよ」

羽ノ浦みやび

「えっ」遅れてくる、驚いた声。

羽ノ浦みやび

「……」

羽ノ浦みやび

痛い、ような、熱い、ような。

パーシヴァル

隠れた耳にちょっとだけ、わるい子

羽ノ浦みやび

肩にぽつんと血が落ちる。

パーシヴァル

私が見えなくなったとき

パーシヴァル

君は思い出せなくなるだろう

パーシヴァル

大切な一瞬を

パーシヴァル

大人への一歩を

羽ノ浦みやび

「…………び、っくりしたあ!!も~、パーシィ!」

パーシヴァル

「~~♪」

羽ノ浦みやび

それに、今はまだ気付かない。

パーシヴァル

「先生やお母さんたちには隠しておいで」

羽ノ浦みやび

耳がしびれてじんじんする。

羽ノ浦みやび

自分のされたことがいったいどんなことなのか。
自分のしたことがいったいどんなことなのか。

羽ノ浦みやび

まだ、知らない。わからない。気づかない。

羽ノ浦みやび

そうでないと、一緒にいられない。

パーシヴァル

ぽつりと、いつまでも残る小さな穴

羽ノ浦みやび

耳に触ると、ちょっとだけぬるりとして。

羽ノ浦みやび

ちょっとだけ、目の前のおばけがこわくなって。

羽ノ浦みやび

もう一度抱きついた。

パーシヴァル

「oh」

パーシヴァル

抱きとめて、頭をなでる。

パーシヴァル

いつか、立派なladyになるまで。

パーシヴァル

「君を守るよ、みやび」

羽ノ浦みやび

「……んん」顔を埋めたままだと、もごもごした声にしかならなかった。

羽ノ浦みやび

こわいのに、なぜか。
あげられるのなら、もっとあげたい。
そうおもう。

羽ノ浦みやび

それでも、そのもっと、は。

羽ノ浦みやび

今は、がまんしなくちゃいけない気がする。

羽ノ浦みやび

一緒にいたい、があなたのしあわせを。
わたしのしあわせを、どこかに隠してしまわないように。

羽ノ浦みやび

いまはこの痛みだけで。
[ 羽ノ浦みやび ] 元気 : 6 → 5

パーシヴァル

2d6 (2D6) > 7[3,4] > 7
[ パーシヴァル ] 魔力 : 8 → 15


 side:卯花 

ファズ

世界を閉ざすヤラズ雨。
それはあたりを囲うようにして降り続いている

空摘 卯花

雨の音を聞きながら、最後の確認。
ちらりとみやびちゃんを横目に見つつ、持ち物確認をしたりだとか。

空摘 卯花

その中でひとつ、手に取る。
買ったばかりのオマモリ。
あかいくるみボタン。

空摘 卯花

ファズのおすすめで、確かにかわいいし、オマモリにしてもらえてうれしいけれど……。

空摘 卯花

砂の一粒くらいの小さな、でも気になること。

空摘 卯花

ファズ、やっぱり何だかヘンだよ。

ファズ

灰色の景色の光をうけて、ぼんやりと影が落ちている。
中空を舞って、止まり。 窓辺を眺めてみたりだとか。

ファズ

騒がしさはすこし遠く。
雨の音がいつもより大きく聞こえる。

空摘 卯花

ずいぶんと静かなその姿も眺める。

空摘 卯花

「……ファズ」

空摘 卯花

そうっと、驚かさないように小さな声。

ファズ

声のする方へ 僅かに首が傾げられる。

ファズ

片方しかないボタンが光をかえした。

空摘 卯花

ひと揃いだったはずのボタンは今はひとつだけ。
その空席が埋まるまでの間のはずで。

空摘 卯花

「……なんでさっき、ファズのボタンを探さなかったの?」

空摘 卯花

「いつも言ってるじゃん。ボタンは~って」

ファズ

首を何度か傾けて。

「……そんな 変なコトじゃねーだろ。」

ファズ

「ほんのちょっとさ、思っただけだよ。」

空摘 卯花

「んん……」
そんなに変じゃない、なんて言われてしまうと言葉に詰まる。
違和感の全てを伝えられるほどオトナじゃないから。

ファズ

「…………。」
 すこし口ごもってから。
「ま、ウノハナには 世話になってるしな いつも。」

ファズ

「そう、そうだよ。ウン!
 オレサマからのマゴコロ……って~の!?」

「そうだよ、プレゼントぐらいいいじゃねーかたまにはよォ!!」

ファズ

「カーーッ 恥ずかしいコト言わせんなよなァ~!!」

空摘 卯花

違和感が膨らんだのに、それはいつも通りみたいに大きな声を聞いてすぐにしぼんでいく。

空摘 卯花

ヘンなのとか、不安なのとか。
そういうのはない方がいい。気のせいの方がいいでしょ?

空摘 卯花

思わず頬を緩める。
「なにそれ……うーん、あれみたい。ね、オセイボ」

空摘 卯花

お父さんやお母さんが贈ったり贈られたりしてるやつ。
日頃のお礼ってやつだ。

ファズ

「はは、なんだそれ。食えるヤツか?」

騒がしさを少しのせて、頭の上に不作法にとまる。

「ま、そうだな。お前とも随分長くなっちまったしな。」

空摘 卯花

「だいたい食べ物が来るから……高いゼリーとか、ハムとかだよ。
 今度来たらファズの分も取っといてあげる」

空摘 卯花

オセイボって、いつ来るものだっけ。
今は秋で、もうちょっとかな。
あんまり好きじゃないのが来たら、来年のをあげよう。

ファズ

「ばっかだなぁウノハナは!オモチャがメシ食うかよォ~
 オレサマは孤高のスーパーアーティストだぜェ!!」

空摘 卯花

「ええ~? 食えるか聞いたのファズじゃん! もう……」

ファズ

「オレサマはお人形さんじゃねーんだぜェ~!?
 ま、もらえるモンはもらうけどな!!
 ファンからのプレゼントは断らない主義だかんな!」

空摘 卯花

「結局食べなくて腐らせないでよ……?」

空摘 卯花

「それならわたしが食べちゃうもん」

ファズ

ギュワ~ンとにじむような音が鳴った。

「おお、食えるモンなら食ってみろ!!」

ファズ

「オレサマは誰よりも早く お前のモンを奪ってやんだ!」

ファズ

「オレのモンはオレのモノ!ウノハナのモンもオレのモンだ!」

ファズ

「よ~~く心に刻んでおくこったな!!」

空摘 卯花

「なんで!」

空摘 卯花

「もお~……ファズっていっつもそういうこと言う!」

空摘 卯花

怒ったみたいに文句を言うけれど、ほんとはちょっと安心していた。

空摘 卯花

いじわるされるのが好きなんじゃないよ。
ただ、いつも通りじゃないのは不安なの。

空摘 卯花

なんだか、今までが終わっちゃうみたいな気がするから。

ファズ

ひゅるりと風を切って飛ぶ。
茶化すように怒鳴り声を心地よく浴びる。
笑い声のような弦の音が。

ファズ

「そうだよ。いつもそういうコトにしておきゃいいんだ。」

ファズ

「そうすりゃ、お前も寂しかねーだろ。」

空摘 卯花

ああ、やっぱり、ちょっと、

空摘 卯花

いつも通りじゃないかも。

空摘 卯花

「……なにそれ。別に……さびしくなんかないよ」

ファズ

「ケッケ!!嘘だね!!!!」

ファズ

「そ~いえるやつが、そんなしみったれた顔するかよォ~!?」

ファズ

ギャハハ 不作法な笑い声 歪んだギターの音

空摘 卯花

「しみっ……たれてないもん! 今みやびちゃんもパーシーさんもファズもいるし!」

空摘 卯花

「大丈夫だもん……」

ファズ

するりと上空を 髪を掠めて

「ば~~~か!!」

ファズ

「オマエ、自分の顔見たことね~だろ!」

ファズ

「おめェ、みやびとパーシーにそんな顔できんのかよォ~」

空摘 卯花

「どんな顔!?」

空摘 卯花

そんなにひどい顔をしているだろうか、なんて、頬を両手で挟む。

ファズ

「ぜってー心配されんぜ、
 ダイジョウブ? ナニカアッタ? マ~カワイソウ!」

空摘 卯花

「似てない真似やめてよお」

ファズ

変な裏声を使ってケラケラ笑う。変な顔~

空摘 卯花

頬をこねる姿は幼くて、まだこども。

ファズ

「ま、でもな、昔よりはマシになったと思うぜ。」

ファズ

その姿に昔の面影を重ねながら、思う。
こいつもだいぶ大きくなったものだなと。

ファズ

きっといつかは、そのこどもの面影も 薄らいで

ファズ

「昔のオマエは 泣いてばっかだったし、下ばっか向いてた。」

ファズ

「もっともっと変な顔して、びしょびしょのクッシャクシャにしてよォ。」

ファズ

「脅かしたら震えて泣いてやんの!!」

空摘 卯花

「う……やめてよ、恥ずかしい……」

ファズ

おばけは目の前にいるってのに。
おばけを怖がるだなんて、変なやつ。
それがおもしろくって、おかしくって、ゲラゲラ笑った。

空摘 卯花

そうだ。昔の卯花はオバケが見えることに怯えて怖がって。
そんな困りごとを大人に言えるはずもなくて、唇を震わせては何も言えず、鳴き声ばかりが漏れて。

空摘 卯花

涙に濡れて下を向く視線は、いつしか少しずつ上がっていった。
脅かされて泣いた後に、怒るようになった。
いつしか、脅かされても泣かなくなって、文句を言うようになった。

空摘 卯花

飛び回るあなたを見上げて。

ファズ

大きく円を描くように回る。
その軌跡は追いかけるほどに広がって、
閉じられた世界をもおし広げていく。

ファズ

オモチャとは、おばけとは、友達とは。
そういう道筋を描くもの。

ファズ

「……だからよ。
 俺は、けっこーイイカンジだと思うんだよな。」

ファズ

「今のオマエのカオ……オレは好きだぜ。」

ファズ

小さく傾げた首になくした片側が、あなたを見つめた気がした。

ファズ

「随分ナマイキなクソガキになったとは思うがな!!」

空摘 卯花

「ナマイキって……」

空摘 卯花

「でも……うん……」

空摘 卯花

ありがとう、というのも何か違うような、それで終わっちゃうような気がして、曖昧な相槌だけを打つ。

ファズ

その様子をみて、フフンと得意げに羽を鳴らした。

ファズ

返事はただそれだけ。

上等じゃねーか 随分と上等だ オレのダチはすげーんだ。

空摘 卯花

もっとイイカンジになったら、ファズは文句を言わなくなるんだろうか。
そうしたら、ファズはどうするんだろう。

空摘 卯花

その先が分からない。見えない。考えたこともないけれど、線の先を辿って行ったら見えないが見えちゃった。

空摘 卯花

ファズは、いつまで一緒に居てくれるの?

空摘 卯花

……口を噤んだ。訊くのが怖くて。
訊いたら、一緒に居られなくなるときが近くなるような気がして。

空摘 卯花

ファズ、やっぱり嘘吐いたよ。
こんなことも怖くて訊けないし。

空摘 卯花

わたし、ぜんぜん、大丈夫なんかじゃないよ。

ファズ

陰る雨空に。

 コツン!

頭にひとつとび。

ファズ

「寂しがってんじゃねーよ、ばーか。」

空摘 卯花

「いたっ」

空摘 卯花

こつんと当たって、寂しさがちょっとだけどっかに行ってしまう。

ファズ

もう一回コツン。 さらにもう一度。 もう一度。

ばか あほ まぬけ さびしがり!

空摘 卯花

「うわっ、もう、髪ぐしゃぐしゃになる!」

空摘 卯花

コツンと当たって、ビュンと飛んで。
降り積もる寂しさはそうして少しずつどこかへ吹き飛ばされて。

ファズ

「髪の毛なんて気にしてんじゃね~よ!! ば~か ばか!」

空摘 卯花

「ばかじゃないもん、ファズのばか!」

空摘 卯花

ひとりじゃないから、こうして寂しさに埋もれることなく声が出せる。

ファズ

「バカって言ったヤツがばかなんだ バ~カ!!」

ファズ

そうだよ バカだよオレは 悪いか!!

ファズ

オモチャは子供に愛されてこそ、特別な愛着がないだなんてウソだ。

ファズ

それを、こうして押し込めているのは、オマエのため。
それを、言えないでいるのは、オレが弱いからだ。

ファズ

それは、隠れていた色が剥されていくようで、
なにもかもをダメにするようで。 モヤモヤする。

ファズ

アイツが言ってたのは……こういうことなのか?

ファズ

託された鍵が ちいさく擦れてチャリ、と鳴った。

ファズ

「……ウノハナは忘れてっかもしんねーけどな。
 今のオマエ、けっこー危ないことしようとしてんだぜ。」

空摘 卯花

「……え」

ファズ

「いくんだろ、ヤラズ雨を終わらせに。」

空摘 卯花

手の中のくるみボタンの存在を思い出す。
わたしたちはこれから、オバケのところに行ってヤラズ雨を止めるんだ。

空摘 卯花

それは、雨を止めてください、はいそうですか、なんかではきっと終わらなくて。
もしかすると怒ったオバケと戦わなきゃいけないかもしれない。

空摘 卯花

それでも。行かなければならない。
寂しくても怖くても行かなければならない。

空摘 卯花

「……行くよ。ずっとここにいるのは、できないでしょ……」

ファズ

「……だよな。お前は終わらせなきゃいけねェんだ。」

ファズ

「それは、ひとりやふたりの力じゃたりねーかもしんねェ。
 
 もちろん、オレも協力すっけど。」

ファズ

「パーシーとみやび、あいつらと仲良くやれよ。」

空摘 卯花

「うん……」

ファズ

「バカやって取っつかまんじゃねぇぞ。」

ファズ

「オマエ、ドジだから。」

空摘 卯花

「う……が、がんばる」

空摘 卯花

「ファズも助けてよ? やくそくだよ?」

空摘 卯花

不安げに見上げる。こわがりなところは、やっぱり少し残っている。

ファズ

「オオン!?心配してんのか!?
 オレが約束破ったこと、あるか~~!?」

ファズ

いっぱいある。そりゃもうたくさんある。

ファズ

でも、大事な時は 守ってやった。 いつだって。

空摘 卯花

本当にダメなとき、ひとりになりそうなときに、ファズは流れ星みたいに飛んでくる。

空摘 卯花

普段はウソついたりするけど……でも、ホントのホントに危ないときは、きっと助けてくれる。

空摘 卯花

「じゃあ、破っていい約束じゃなくて……ホントのホントね」

空摘 卯花

つまり、とっても大事なとき。

ファズ

「約束?ばっちりしてやんよォ。ホントのホント!
 ま~オレサマにまかせとけって!楽器オバケに二言はないぜェ!」

空摘 卯花

「うん」

ファズ

「オレはお前のスプーキーだかんな!」

空摘 卯花

いつもそうしてくれてるけど、きっと当たり前のことじゃない。
そんなことを約束する。

空摘 卯花

そうして、ちょっとずつ大丈夫になっていくんだ。

ファズ

大丈夫が増えてゆくたびに、失われるものがある。
大切だったことも、いつか当たり前になっていく。
けれどそれはなにもかも無くなるわけではなくて
そこに在り続けることが多分大切ってことなんだろう。

ファズ

おもちゃに生まれるってことは、多分そういうことなんだ。
そういう契約で結ばれた関係。 これもまた約束のひとつ。

ファズ

結んだ約束は、形のないそれは、どこへしまわれてゆくのだろう。

ファズ

ま、俺の知ったこっちゃあねーけどな!!

ファズ

約束ついでに、もう一度 コツン!と頭をつついてやった。

空摘 卯花

それにまた文句を言う。

空摘 卯花

この約束が仕舞われるのは、きっと、もう少し先のこと。

ファズ

煩く笑う声がほんのすこしだけ 行く路境を曖昧にする。

ファズ

今だけは。たったこの瞬間くらいは。
何もわからなくなってもいいんじゃないか。

ファズ

遊ぶのが仕事なうちはそれでいい。
これからのことは、これから決めればいい。
それまでは。 もう少し先までは。

ファズ

「お~し!じゃあ、気張っていくぜェ ウノハナ!」

ファズ

「怖いからって、泣くんじゃねェぞ~!」

空摘 卯花

「泣かないよ……、……たぶん」

ファズ

「多分じゃなくて ぜってーな!」

ファズ

いつも通りの横暴さで、頭をつついた。


 おばけやしき 

GM

さて、

GM

おばけやしきに突入しますか?

→ はい
  いいえ

羽ノ浦みやび

→ はい

空摘 卯花

→ はい

ファズ

→ はい!

パーシヴァル

→ はい

GM

では。

GM

開かずの扉の前。
扉のレリーフには蜘蛛があしらわれている。

GM

ファズ君の持っている鍵で開きます。

ファズ

「オウオウ!モノドモ準備はいいかよォ!!」
頭のてっぺんの鍵をブンブンまわす。

羽ノ浦みやび

「おー!」小声。

空摘 卯花

「う、……うん」
頷きはしたものの、やっぱり少し不安げ。

羽ノ浦みやび

「だいじょうぶだよ、うーちゃん」おててつなごね。

パーシヴァル

「Let's go!」

羽ノ浦みやび

いつのまにか、耳に絆創膏を貼っている。
じんわり血が滲んでいる。
それについては、なにも言わなかった。

GM

上へと続く階段が現れる。
元・おもちゃ博物館の塔の上へあがる螺旋階段。

GM

蜘蛛の巣だらけの、おばけの気配。

GM

ここから先は……おばけやしき!

ファズ

「ゲエ~~!!くものすゥ……」

空摘 卯花

みやびちゃんの手をギュッとにぎってがまんがまん……こわくないこわくない……。

パーシヴァル

「この先に彼がいるんだね」

GM

時間と空間がねじまがって、たいへんなことになっている場所へ。

GM

足を踏み出す。

ファズ

ブン!と首をふりふり飛んでゆく。クモノスヤローめェ…

GM

さて、本来おばけやしきはランダム表もあるのですが……今回はGMがご用意させていただきました。

GM

しばらく螺旋階段が続く。
しまわれてしまった思い出たちが、おもちゃの形をしてぷらぷらと揺れている。

羽ノ浦みやび

「うわあ」

GM

蜘蛛の糸に絡まってくったりとこちらを見つめている。

空摘 卯花

「ひえ……」

ファズ

「これはアクシュミだぜェ……」オエ~

羽ノ浦みやび

「ファ、ファズくんもあんまり先に飛んでいかないでね……」

GM

しばらく進むと、扉がある。
鍵は……かかっていない。

GM

扉をあけると、広い廊下。

パーシヴァル

「足元にも気を付けて」


 おばけやしき:1の部屋 

GM

【おばけやしき 1の部屋】
けんけんぱの廊下。
色とりどりの飛び石がならんでいる。
運動<バランス/8>で判定、成功するとクリア。
ちなみに、挑戦しなくても通り抜けて、次の部屋に行ける。

空摘 卯花

「これ……けんけんぱっ、していくってことかな?」

GM

飛び石の横は奈落でもなんでもなく、普通に道があり歩いて行けます。

羽ノ浦みやび

「かなあ?……」

GM

横断歩道の黒は地獄じゃないよ。

羽ノ浦みやび

【ズル】で代用判定……できるかな~?

GM

いいよ

GM

バランスをとらなくても、いろいろやりようはあるからねっ

羽ノ浦みやび

【ズル】なら……8!

羽ノ浦みやび

2D6>=8 (判定:ウソつき) (2D6>=8) > 6[1,5] > 6 > 失敗

パーシヴァル

お助け!2!
[ パーシヴァル ] 魔力 : 15 → 13

パーシヴァル

「みやび」

パーシヴァル

ふよ、と浮いて両手を下に伸ばす

羽ノ浦みやび

「ん!」その両手を掴む。

羽ノ浦みやび

けんけんぱだけど……両足でジャンプしちゃうもんね~

空摘 卯花

こちらはそのまんまバランスで判定!

空摘 卯花

2D6>=8 (判定:読書) (2D6>=8) > 8[3,5] > 8 > 成功

GM

けんけんぱっ!

空摘 卯花

けん、けん、ぱっ。

ファズ

「くっ…!うめぇじゃねェか……!!」 まわりでソワソワおばけ

空摘 卯花

ひとりでできちゃった。ふふん。

空摘 卯花

「けん、けん、ぱっ」

GM

最後の石を踏むと、どこかでカチ、と歯車の噛み合う音がする。

空摘 卯花

「よしっ」

ファズ

 ドン!!

羽ノ浦みやび

「わ、うーちゃん上手い!」

GM

天井からおみなえしの小さな花束がひとつ、落ちてくる。

空摘 卯花

「わあ!」

ファズ

「ケケケ!!ざま~みろォ!!」

羽ノ浦みやび

「おみなえし!」

空摘 卯花

ファズに押されてよろけた目の前に、おみなえしの花束がぱさり。

GM

持ってるといいことあるかもね!

空摘 卯花

「これ、持ってけばいいのかな?」
拾って携える。

GM

これでふたつめ。

GM

次の部屋への扉も、鍵はかかっていない。
ドアノブに手をかければすぐに開く。

空摘 卯花

井戸の周りにあった花束を思い出す。
あれも蜘蛛の糸が絡まっていたっけ。

ファズ

「どんどんいくぜェ~~!!」
 ドアに突き刺さらんが勢いで飛ぶ。

空摘 卯花

「ドア壊さないでよ~?」

空摘 卯花

がちゃり。

空摘 卯花

ドアを開けてそ~っと中を覗いてみる。

ファズ

その隙間をするりと抜ける。

GM

ふんわりおしろいのにおいがする。


 おばけやしき:2の部屋 

GM

【おばけやしき 2の部屋】
クローゼットの迷路。
いくつも同じ服、ちょっとだけデザインの違う服。
オシャレ<大人/10>で判定、成功するとクリア。
ちなみに、挑戦しなくても通り抜けて、次の部屋に行ける。

羽ノ浦みやび

「ふわあ!」

ファズ

「むぎゅう!」
 バサッと洋服に突き刺さる。

羽ノ浦みやび

「すごいすごい、お洋服いっぱい!」

羽ノ浦みやび

右を見ても、左を見ても、クローゼット、クローゼット!

空摘 卯花

お母さんがお出かけする時のにおいが鼻先を掠める。
お化粧のにおいだ。

ファズ

「なんだァ!?このヒラヒラァ!?」 からまりからまり

羽ノ浦みやび

テンション上がる~!

空摘 卯花

「破けちゃう、破けちゃうよ!」

空摘 卯花

絡まってるのをこわごわとほどく。

羽ノ浦みやび

「あはは、ファズくん似合ってる」

パーシヴァル

「…………」

ファズ

「ウ~~このやろ!このやろ!!」 レースまみれおばけ

空摘 卯花

ちょっとかわいいかも……。

パーシヴァル

「これは……何かヒントがあるのかな」

羽ノ浦みやび

「見てみて、こっちはうーちゃんに似合いそう」

空摘 卯花

「え? そ、そうかなあ……」
視線を向けたそこには、ちょっとよそ行きのお洋服。

空摘 卯花

……これ、どうやって着るやつ……?

GM

ずっと壁つたいに歩くと、出口はこちらの描き文字。

GM

どうやら迷路をクリアしなくても、先にはいけるようす。

羽ノ浦みやび

「なーんだ、迷路じゃないみたい」

空摘 卯花

「そっか……」
ちょっとだけ、なぁんだ、って感じ。
「でも、色んな服があって楽しいね」

羽ノ浦みやび

「……」
手に取った可愛いお洋服を両手で抱いて、
ちょっと残念そうに唇を尖らせる。

空摘 卯花

「あ、みやびちゃんの持ってるのかわいいね」

空摘 卯花

「……ちょっとだけ、着てみない?」

羽ノ浦みやび

「うん、みやびこの色すき」

羽ノ浦みやび

「……着ちゃおっか!」

パーシヴァル

「きっと似合うよ」

空摘 卯花

みやびちゃんが似合いそうって言ってくれた服を手に取る。ちゃんと着れるかな……?

空摘 卯花

2D6>=10 (判定:読書) (2D6>=10) > 7[1,6] > 7 > 失敗

羽ノ浦みやび

2D6>=6 (判定:歴史) (2D6>=6) > 8[3,5] > 8 > 成功

ファズ

「こんなところでモタモタしてていいのかァ…?」

ま、楽しそうだし いいのか……?

空摘 卯花

「あうっ」
着ようとして、途中で引っかかっちゃった。

空摘 卯花

「あ、あれ? これどうなってるの……?」

羽ノ浦みやび

「あはは!上げたげる」

羽ノ浦みやび

背中のジッパーをじ~。

パーシヴァル

「背丈もぴったりだね」

ファズ

「ああ、どんくせーなァ…!!」

羽ノ浦みやび

それと、リボンをぎゅっ。

空摘 卯花

「ありがと……」
きれいにリボンも結んでもらって。

羽ノ浦みやび

ピアノの発表会とか、親戚のおねえさんの結婚式とか。
そういうので着るのより、なんというか、もうちょっと……

羽ノ浦みやび

じぶんでえらんだ、みたいな。

羽ノ浦みやび

そういうのが、うれしくて、くすぐったい。

GM

クローゼットのお洋服を着ると、足元にレッドカーペットが魔法のように敷かれて道を指し示す。

羽ノ浦みやび

「似合う?」

ファズ

おてつだい!しておくよ!
[ ファズ ] 魔力 : 11 → 8

羽ノ浦みやび

パーシーの前で軽くカーテシーのまねっこ。

ファズ

くるっとまわって 上から落っことす あかいくつ。

パーシヴァル

かたかたと拍手をする。

空摘 卯花

「わあ……みやびちゃん、テレビで見るひとみたい」

ファズ

「ウノハナァ~足元がお留守だぜェ~!」

空摘 卯花

おめかしをしたみやびちゃんに見とれていると、足元に赤い靴がからりと。

空摘 卯花

確かに……こういうの着るときって、靴も違うかも?

羽ノ浦みやび

「ふふ、ファズくんセンスあるう」

ファズ

「コイツも言ってたろ、足元に気を付けてってなァ!」

羽ノ浦みやび

テレビで見る人みたいって言われると、うれしくってくるくる回った。

空摘 卯花

しゃがんで手に取って、少し硬いそれに足を入れる。

パーシヴァル

「二人とも、素敵だよ」

空摘 卯花

いつもはしない、カツン、と硬くて高い音。

空摘 卯花

ほんの少しだけ、目線は高く。

空摘 卯花

「えへへ……」

ファズ

はき慣れた靴をひょいっとつまんで。畳んだ服の横に添えた。

空摘 卯花

くるっと回ったり……は、転んでしまいそうだから、裾がふわりとひらめく程度に。

ファズ

「ケケ!マゴにも衣装てェやつだな!!」

羽ノ浦みやび

きゃらきゃらとわらう。

空摘 卯花

「それっ……あ、似合ってるって方?」

パーシヴァル

立派な淑女だね。

羽ノ浦みやび

来年から中学生だもん!

GM

またおみなえしの花束がひとつ、落ちてくる。

古着の迷路を抜けると、また扉。
今度もまた鍵はかかっていない。

ファズ

「さて、どうだったっけかな~!オレ知らね~~!!」
くるくると回りながら扉にとんでいく。

羽ノ浦みやび

はしゃいだままに扉を開く。

空摘 卯花

もう、なんてまた文句を言いながら次の扉をくぐる。

GM

開けると、少しだけくらい小部屋。


 おばけやしき:3の部屋 

GM

【おばけやしき 3の部屋】
ちいさな椅子が3つ並んで、部屋に蓄音機が置かれている。
そばには封筒で一筆、

“この音楽が鳴りやむとき、みな椅子の背もたれに背をつけよ
立ちすくむもののみ 次の鍵を見つけるであろう”

音楽が鳴りやんだとき、イノセントは好きな特技で判定。
おばけはおばけ判定。
いちばん遅い人は椅子に座れない。
次の部屋には、鍵がかかっている。

GM

椅子取りゲームをしていただきます。

GM

準備が出来たら蓄音機が鳴り始めます。

GM

ので、準備ができたら手をあげてね。

羽ノ浦みやび

は~い! ノ

パーシヴァル

空摘 卯花

はい! ノ

ファズ

おうともよ! ノシ

GM

では!

GM

蓄音機がひとりでに奏でだすワルツ。

羽ノ浦みやび

「椅子取りゲーム……?」

空摘 卯花

「かな……」

空摘 卯花

上品だけど軽やかなピアノの音に合わせて、ゆっくりと椅子の周りを歩く。

羽ノ浦みやび

なんとなく歩いちゃう。ぐるぐる。

羽ノ浦みやび

「なんだか、たのしいおばけ屋敷だね」

ファズ

「お、いいセンスじゃねェか!」
 くるくるすい~
リズムに合わせて飛んでいる。

空摘 卯花

「うん。こわいところかなって思ってたけど、なんだか遊んでるみたいで楽しい」

パーシヴァル

「素敵な音楽だね」

羽ノ浦みやび

「前に行ったところは、もうちょっと怖かったな……」

ファズ

「ウノハナは怖がりだかんなァ~!
 あっちも手加減してくれてンのかもな!」

羽ノ浦みやび

でも、ここはたのしいし、かわいいし、素敵なんだけど。

羽ノ浦みやび

なんだかちょっとさみしくなるのは、なんでだろうね。

空摘 卯花

「だって、怖くない方がいいじゃん……!」

羽ノ浦みやび

「そうだよ~、怖くないほうがいいよ」

パーシヴァル

「おばけやしきは、こころの現れだからね」

羽ノ浦みやび

軽く踊るように、体を動かしてステップを踏むみたいに椅子の周りを歩く。

ファズ

「?? こころォ? つまりここのおばけは愉快ってェことかァ??」

パーシヴァル

2d6>=9 (2D6>=9) > 11[5,6] > 11 > 成功

羽ノ浦みやび

2D6>=5 (判定:優しさ) (2D6>=5) > 8[2,6] > 8 > 成功

空摘 卯花

2D6>=8 (判定:柔らかい) (2D6>=8) > 2[1,1] > 2 > ファンブル(【眠気】が1d6点上昇)

空摘 卯花

1d6 (1D6) > 4
[ 空摘 卯花 ] 眠気 : 0 → 4

羽ノ浦みやび

「オオツチさんは、」

羽ノ浦みやび

ーー音楽が止まる。

GM

その場から卯花の姿が掻き消える。

ファズ

「ウノハナァ!?」

GM

小部屋には雨音だけが響いている。

羽ノ浦みやび

「……うーちゃん?」

ファズ

くるくると旋回する。
「オイ!ウノハナ!! どこだ!? 返事しろ!!」

ファズ

2d6>=9 形ばかりやっておくね。 (2D6>=9) > 6[2,4] > 6 > 失敗

羽ノ浦みやび

「あれっ、えっ、うーちゃん?!」

GM

次の部屋への扉が、ひとりでに開いた。

パーシヴァル

「…………」

空摘 卯花

返事はないまま。

パーシヴァル

「いこう、ふたりとも」

パーシヴァル

「きっとこの先で待ってるさ」

羽ノ浦みやび

「え、」

羽ノ浦みやび

「……」

ファズ

「オイ、でもウノハナが……ギュ…」

ファズ

「ギュイ……」

羽ノ浦みやび

音が止まって、みっつの椅子が並んでいて、
座ってほしかったおともだちはいなくて。

羽ノ浦みやび

「…………」

ファズ

ウノハナが座るはずだった椅子。
そのまわりを名残惜しそうにくるくるまわる。

羽ノ浦みやび

「……行こう、ファズくん」

GM

座られなかった椅子に、おみなえしの花束がいつの間にか置かれていた。

ファズ

「…………」 ちらりとみやびの方をみて。

羽ノ浦みやび

「持っていこ」

羽ノ浦みやび

「きっと、だいじなものなんだよ」

羽ノ浦みやび

「こころのあらわれ、なら」

パーシヴァル

「…………」

ファズ

「…………そうか。」

「そうだな。」
 椅子の上のおみなえしの花をそっとくわえて、とんだ。

GM

4つめの花束。

GM

最上階への階段が、しばらく続く ──


 おばけやしき:?の部屋 

GM

── 真っ暗な部屋。

GM

空摘卯花が目覚めると、ひんやりとした地面に寝そべっていた。

GM

起き上がると顔に蜘蛛の巣が張り付く。

GM

蜘蛛の巣を振り払う自分の手が、なぜだか自分の手じゃないみたい。

GM

ふわふわで、縫い目があって、丸くて、ちいさくて。

GM

顔に触れたら、目が丸くて、4つくらい穴があいて糸が通っていて。

空摘 卯花

あれ?

空摘 卯花

わたし、どうしちゃったんだっけ。

空摘 卯花

ここは真っ暗でこわい。寒いし、寂しい。

空摘 卯花

起き上がろうとして顔に貼り付く蜘蛛の巣が、起き上がるなって怒ってるみたいでいやだ。

空摘 卯花

払いのけようとして、なんだか手がヘンな感じがした。

空摘 卯花

顔をこすると、ごしごしじゃなくて……なんだか……布がこすれるみたいな感じがして。

空摘 卯花

目のところには、ぽつんと少し硬い……ボタン。

空摘 卯花

「――――」

空摘 卯花

わたし、どうして、ぬいぐるみになってるの?

GM

みわたすと、すこしだけ見えてくるまわりの風景。

GM

すぐ近くにころんと転がっているアヒル隊長が見える。

空摘 卯花

あれは、準備室のおもちゃたちと一緒に居たおもちゃだ。

空摘 卯花

ねえ、すいません。こんにちは。
声をかけてみる。

GM

その奥に、いくつものしまわれてしまったおもちゃたち。

GM

着なくなったお洋服、途中で使いかけて終わったノート、もう履けない靴が見える。

おもちゃたち

「やあ」

おもちゃたち

声がした。

空摘 卯花

誰かの声が聴けることが、今はとても安心する。

空摘 卯花

あひるさんの後ろに、たくさん、たくさんの、もう使われなくなったものたち。

空摘 卯花

……ねえ、ここはどこですか?

おもちゃたち

「ここは、思い出の小部屋だよ」

おもちゃたち

「おばけやしきの隙間に落ちちゃったんだね、かわいそうに」

おもちゃたち

「なんとか出してあげれないかな」

空摘 卯花

おばけやしきの隙間?

空摘 卯花

……そうだ、わたし、椅子取りゲームをしていて、音楽が止まったから座らなきゃって、そう思ったけど転んで……。

空摘 卯花

そのときに落ちてきちゃったのかな。

おもちゃたち

うんうん言いながら、蜘蛛の巣だらけのおもちゃたちが集まってきた。

空摘 卯花

みんな蜘蛛の巣を被っている。
もう使われなくなったものたちに、蜘蛛がこうやって糸を張って蓋をするんだ。

おもちゃたち

「そうだ、未来のことを話して!」

空摘 卯花

未来のこと?

おもちゃたち

「思い出の小部屋をぬけるには、それがいちばんなんだ」

おもちゃたち

「これからしたいこと、将来の夢、いってみたい旅行先……」

おもちゃたち

「きみに、あると、いいなあ……」

空摘 卯花

これからしたいこと。
たくさんあるようでいて、いざとなるとなかなか思いつかない。
いつものわたしならうんうん唸っていたくらい、悩んで、少しずつ。

空摘 卯花

……さっき、お洋服を着たから。
大きくなったら、もっと大人っぽいものを着たりするのかな。
それは少し、気になるかも。

空摘 卯花

あと、あと。

空摘 卯花

そうだ! 中学校になったら、みやびちゃんに算数教えてあげるって言ったんだ。

空摘 卯花

だから、中学校の算数、がんばらなきゃ。

空摘 卯花

それと、それと……。

空摘 卯花

……ギターを教えてもらうの。

空摘 卯花

ファズが教えてくれるって言ったから、これからはヴァイオリンだけじゃなくて、ギターも弾けるようになりたい。

空摘 卯花

ファズはいつもロックなのって言って、耳が痛くなっちゃうけど……。

空摘 卯花

でも、ああいうのも……たまになら悪くないから。

GM

ちょっとずつ、体に今の時間が戻って来る。

GM

空摘 卯花 のからだが少しずつ、思い出の小部屋を抜け出す。

おもちゃたち

「その調子!」

おもちゃたち

「ずっと、考えて、ここを抜けるまで!」

空摘 卯花

ひとつひとつの想いが呼び水になって、次から次へと未来はあふれる。

おもちゃたち

「がんばって、名前も知らないけど、応援してるよ」

空摘 卯花

今やってるヴァイオリンの曲も、ちゃんと弾けるようになりたい。

空摘 卯花

中学生になったら、一人でもっと遠くまで遊びに行きたい。

空摘 卯花

もっと大きくなったら、県外までいけちゃうかな?

空摘 卯花

卯花は背が伸びるわねってお母さんが言ってた。もっと大きくて大人っぽい服も着られるようになるかも。

GM

おもちゃたちの声がだんだんと遠くなってゆく。

GM

気がつくと、螺旋階段に立っていた。

空摘 卯花

大きくなったら、今は頭の上ばかりを飛び回るファズとも――。

空摘 卯花

そんなことを考えているうち、いつの間にか、身体はぬいぐるみじゃなくなっていて。

空摘 卯花

知らない階段に、立っていた。

GM

足元に、おみなえしの花束がまたひとつ落ちている。

GM

これは、思い出のカケラ。

空摘 卯花

パーシーさんが言ってた。おばけやしきはこころのあらわれだって。

空摘 卯花

大切なものだから、心にいつまでもあらわれる。

空摘 卯花

花束を拾い上げる。だれかのたいせつなおみなえし。

GM

上の方で、みんなの足音が聞こえる。
大丈夫、追いつける!


 おばけやしき:螺旋階段 

空摘 卯花

「……あっ!」

空摘 卯花

思わず声が出た。

空摘 卯花

慌てて駆け出す。みんなに追いつけるかな。

空摘 卯花

かけっこのときみたいに息を切らす。
みんなの背中が少しずつ近くなっていく。

ファズ

――後ろから、もたついた足音が聞こえる。

「……ウノハナ!!」

ファズ

螺旋階段をまっすぐ落ちていく。

羽ノ浦みやび

「あっ……!?」

パーシヴァル

「oh」

空摘 卯花

「ごめん! 遅くなっちゃった!」

羽ノ浦みやび

振り返る。ファズくんが文字通り飛んでいく。

ファズ

くるりと回って背中にぶつかる。

羽ノ浦みやび

慌てて追いかけて。

羽ノ浦みやび

「よかったあ!」

ファズ

「なにやってんだバーーカ!!」

ぐりぐり頭をおしつけて。

パーシヴァル

「無事でよかった」

空摘 卯花

「こ、ころんで、転んじゃったんだよう……そしたら、おばけやしきの隙間? に落ちちゃって……」

ファズ

「どんくせーーなァッ!!
 気を付けろつったろ~~がよォ~~」

羽ノ浦みやび

「おばけやしきのすきま?」

ファズ

ぐりぐりぐり

空摘 卯花

「えっと、えっと……真っ暗なとこに、おもちゃたちと一緒に居た、あのあひるさんが居て……思い出の小部屋に落ちちゃったんだねって、言ってた」

空摘 卯花

「うう、なんていえばいいんだろう……」

羽ノ浦みやび

「……」

パーシヴァル

「…………そうか」

ファズ

「おもちゃ?なんでもいーぜ!無事ならよォ!!」

羽ノ浦みやび

「がんばったねえ」

空摘 卯花

「…………」

空摘 卯花

「……うん……」

空摘 卯花

少しだけ、目が潤む。

羽ノ浦みやび

「真っ暗、怖くなかった?」

空摘 卯花

「こわかった……」

羽ノ浦みやび

ぎゅっと、手を握る。

羽ノ浦みやび

「先に行っちゃってごめんね、」

空摘 卯花

その手が温かくて、握られた手もぬいぐるみの手じゃなくて。
今さっきまで、こわいところにいたんだってまた思って。
ぽろぽろと雫が零れる。

空摘 卯花

「うぅん……」

パーシヴァル

座る椅子がなくなったら

パーシヴァル

おばけがいくところ

羽ノ浦みやび

おでこを合わせる。

羽ノ浦みやび

「がんばったね……」

空摘 卯花

「うん、うん……」

パーシヴァル

椅子のまわりを燃やさないように

ファズ

「…………。」

ウノハナはよォ!

いつもの調子で言いかけて。
すいっと後ろにとびあがる。

パーシヴァル

焼け野原にしないように

GM

歩く、前に進む。
辿り着いてしまう、塔のてっぺん。

GM

おみなえしの花束はいくつありますか?

空摘 卯花

5つ!

空摘 卯花

持ってるのは4つ?

GM

すばらし!

GM

おみなえしの花束が5つあるので、オオツチの情報が公開になります。
【 おみなえし / オオツチ 】CHARACTER DATA


 おばけやしき:屋根裏部屋 

GM

暗い、屋根裏部屋。

GM

雨音が静かに響くなか、雨音のような時計の音がカチコチ、カチコチ聞こえる。

GM

蜘蛛の巣だらけの天井を見上げると、そこに。

オオツチ

おばけやしき「おもちゃ博物館だったところ」の主があなたたちを見下ろしていた。

オオツチ

「オミナエシ……?」

オオツチ

ふたりの少女にそう呼びかける声。

空摘 卯花

涙をぬぐい、その声に首を横に振る。

羽ノ浦みやび

「ちがうよ」

羽ノ浦みやび

「羽ノ浦みやび」

パーシヴァル

「…………」

オオツチ

「オミナエシ 匂ヒ スル」

空摘 卯花

「花束のこと……?」

オオツチ

「今度コソ 連レテ 行ク」

オオツチ

人の身体ほどの質量が天井から降って来る音。

パーシヴァル

「…………君は、まだ」

パーシヴァル

「恋をしているんだね」

オオツチ

応える声はない。

オオツチ

牙を剥き、腕を振り上げてそちらへ向かうばかり。

ファズ

「オイ!来るぞ! ウノハナ、みやびィ 気を付けろォ!!」


 おばけやしき:決戦 

GM

クライマックス……開始です!
◆ 雨蜘蛛「オオツチ」
 種別:盲霊
 弱点:がまん
 魔力:けっこうある
 特殊:【攻撃力:2】
【オバケだぞ】【エナジードレイン】【ねないこだれだ】【爪をとぐ】【花火】
【ヤラズ雨】
 1d6日のあいだ、局所的に魔法の雨を降らせる。
 魔法の使用者はその場を動けないかわりに、雨の中にいるものを閉じ込める。
 季節がめぐるたびに、鍵を預かりし者の感情を食らい、復活の日まで雨を蓄える。
 蓄えたぶんだけ雨を降らせる日数が伸びる。
 季節がめぐるたびに、がまん<友達/5>の判定に成功すると、その年は抑え込むことができる。
【次の靴、次の服、次の椅子】
 その場にいるイノセントを1ラウンドのあいだ、大人にする。
 大人になったさいの内容は魔法【背伸び】に概ね準拠する。
 弱点をひとつないものとし、行為判定のさいに「おとな」と「不良」のあいだを移動できる。
 ただし、そのあいだ「合体攻撃!」を行うことができない。
【長生き】
 生きてきたぶん、忘れられない思い出がある。
 思い出の品に触れると、このおばけは魔力に2d6のダメージ。
【リセットボタン】
 イノセントが全員ばたんきゅ~すると、おばけやしきの入り口まで時間を巻き戻す。

GM

行動順ですが~基本的にエネミーは後攻をいただきます。

GM

先攻してほしければ先攻します。

GM

PCたちからの行動でよいとのことなので!

羽ノ浦みやび

よ~し【合体攻撃】だ!!

パーシヴァル

おう!

パーシヴァル

ピーカーブー!

羽ノ浦みやび

2d6 ピーカーブー! (2D6) > 5[1,4] > 5

パーシヴァル

2d6 (2D6) > 7[3,4] > 7

GM

ゾロ目!

パーシヴァル

yes!
[ 羽ノ浦みやび ] 元気 : 5 → 4

GM

ダメージは2d6+1!

羽ノ浦みやび

2d6+1 (2D6+1) > 11[5,6]+1 > 12

パーシヴァル

いいぞ、みやび!

GM

2倍だから24ダメージ!

羽ノ浦みやび

けんかは苦手なパーシィだから、手をつなぐ。

オオツチ

腹の牙が少女の首をめがけて大口を開ける。

パーシヴァル

手をつないだまま、屋根のほうへふわりと飛ぶ。

羽ノ浦みやび

「っ……!」目はつぶらない。怖くない。

パーシヴァル

「ジャンプだ、みやび」

羽ノ浦みやび

うそ。ちょっと怖い。でも。

羽ノ浦みやび

両足で、ジャンプ!

オオツチ

ガシャン!!と自分から壁に強かに体をぶつける。

パーシヴァル

「ダンスは苦手かな?」

オオツチ

からだが大きいぶん、ダメージも大きい!

ファズ

「ヒュウ!やるじゃねェか!!」

空摘 卯花

「わぁ……! すごいすごい!」

パーシヴァル

みやびの腰を支えて、きれいに着地!

羽ノ浦みやび

まるで大人のダンスみたいに。

パーシヴァル

息ぴったりのわんつーステップ

オオツチ

なりふり構うことなく、今度はもうひとりの少女の眼の前へ躍り出る。

ファズ

「こっちも負けてらんねェなァ~~!!」

空摘 卯花

「ひゃっ……! う、うん!」

空摘 卯花

【合体攻撃】だ~!

空摘 卯花

2d6 ピーカーブー! (2D6) > 4[1,3] > 4

ファズ

「しっかりつかんでろよォ ウノハナ~!」
懐に飛び込んでゆく。

ファズ

2d6 ピーカーブー!! (2D6) > 6[3,3] > 6

GM

成功!しかもゾロ目!

GM

ダメージは2d6+1です。

空摘 卯花

2d6+1 (2D6+1) > 4[1,3]+1 > 5

GM

2倍で10点!
[ 空摘 卯花 ] 元気 : 6 → 5

空摘 卯花

ファズに掴まる。
いつかの日、初めて出会ったときもこうして。

空摘 卯花

ぎゅっと!

空摘 卯花

しっかり掴まないと、振り回されちゃう。

ファズ

「っしゃー!飛ばしていくぜェ!!」

 その手を掬い取るようにして、ゆっくりと持ち上げる。

ファズ

すこし重たい身体をのせて……じわりと加速してゆく。

ファズ

「突撃すんぜェ~~~!!」

GM

突撃だ!

オオツチ

パキパキ、バラバラと時計の歯車が零れ落ちる。

オオツチ

おばけだから血は出ないかわりに、その存在のカケラが零れ落ちてゆく。

ファズ

歯車と共に欠け落ちるもの。
傷も厭わず飛び込んで、砕く。

ファズ

なんだか懐かしい気分だ。

オオツチ

「オミナエシ……オミナエシ……」

空摘 卯花

「……違うよ」

空摘 卯花

「わたしたちは、あの子じゃないよ……」

オオツチ

たくさんの腕が、手探るように少女たちの方へ伸びる。

オオツチ

【次の靴、次の服、次の椅子】を使用。

オオツチ

オオツチの身体が纏う時計が一斉に鳴りだす音。

オオツチ

時計の針が進む、12時をこえて魔法がかかる。

GM

もう履けなくなった靴を脱いで、ひとまわり大きい靴を買わなきゃなんない。

GM

大人になったら、必要な靴が増えて。

GM

クローゼットも自分で選んだ服や、着なきゃなんない服が増えて。

GM

椅子に座って、宿題とか将来のこととか、毎日立ち向かうものがいっぱい、いっぱい増えてゆく。

GM

イノセントふたりは1ラウンドのあいだ【大人】になります。
合体攻撃が使えません。

GM

それどころか、パートナーは……まだ見えてるかな?

羽ノ浦みやび

髪が伸びる。背が伸びる。
胸が。腰が。輪郭が。繋いでいるはずの指先が。

羽ノ浦みやび

きゅうに。

空摘 卯花

視線が高くなる。視界が急に広くなる。
服が小さくなって、靴も履けなくなって。

空摘 卯花

赤い靴が転がった。

羽ノ浦みやび

誰と手をつないでいたんだったか。
どうしてここにいるんだったか。
曖昧になる。不安になって振り返る。
ーー誰を?

羽ノ浦みやび

「パーシィ」

空摘 卯花

急によく見えるようになった視界が、あまりにも広い、寂しいくらいに。

パーシヴァル

「ここにいるよ、みやび」

パーシヴァル

約束しただろう

パーシヴァル

いつも傍にいると

空摘 卯花

誰かの欠けた視界。誰が?

空摘 卯花

「ファズ……」

パーシヴァル

姿が見えなくても、声が届かなくても

パーシヴァル

私は君のそばにいるよ

空摘 卯花

不安になって零した声は、何処か艶めいて。

ファズ

「ウノハナ……?」

不意に、背中が軽くなる。

浮き上がる身体と反するように
すりぬけるようにして、赤い靴が転がってゆく。

パーシヴァル

きみがひとりぼっちでないとき

パーシヴァル

私も、ひとりきりにはならないさ

羽ノ浦みやび

取り戻そうとするようにその手を。
硬くて、冷たくて、でも優しい手を握る。

パーシヴァル

でも、君が心細いとき。

パーシヴァル

その手を求めるときは

パーシヴァル

「みやび」

パーシヴァル

目の前に立って、その手をとり

パーシヴァル

持ち上げた指に固い唇で触れる。

羽ノ浦みやび

「うん、」

羽ノ浦みやび

ずーっといっしょ。

羽ノ浦みやび

だから、だいじょうぶ。

空摘 卯花

指先が彷徨う。その指すらも大きくなって、不安になる。

空摘 卯花

ファズが見えない。
この手も、ファズをすり抜けるんじゃないの?

空摘 卯花

「ファズ、どこにいるの……」

ファズ

「オイ、何やってんだウノハナァ!?」

 見慣れた姿はそこになく。
 天を 空を 舞ってから、見下ろす。
 またどこかに落っことしてしまったのだろうか。

ファズ

ただ、呼ぶ声を頼りに風を切る。

 大きくなったその姿にめくばせする。
 なんだこれ。幻か……?

ファズ

頭にくるりと飛び乗ると。
いつものように、つついてみる。

「……おまえ、だれだ?」

空摘 卯花

ファズに焦点の合わない不安げな輪郭は大人びて、あの赤い翼を探すように見上げている。

空摘 卯花

その視線が、頭への衝撃でまた下がる。

空摘 卯花

「いたっ」

空摘 卯花

「ファズ、ねえ、わたしここだよ……」

空摘 卯花

あなたの見覚えのない大人は泣きそうになりながらつぶやいた。

ファズ

つつきごたえのあるこの頭……情けないその声。

「……オマエ、ウノハナか!?」

空摘 卯花

「そうだよお……!」

ファズ

「オイオイ、随分でっかくなったじゃね~~か!!
 これじゃあ乗せらんねェぞ!?!?」

空摘 卯花

「そんなこと言われても……! 勝手に大きくなっちゃったんだもん!」

空摘 卯花

姿は大人になっても、口調がそのまんまだ。本人確認ができる。

ファズ

「その顔で、なっさけねェ声出してンなよォ~~」

 似合わねェの!! 強めにつついておく。コノッ

ファズ

な~んだ、いつものまんまじゃねェか。

 そうだよな。オマエがどんな姿になっても……

ファズ

安心したように 宙に浮かび上がる。ふわりと。

GM

次のサイクルに移ります。

GM

またどっちからでも大丈夫ですよ。

羽ノ浦みやび

1d100 (1D100) > 17

空摘 卯花

1d100 (1D100) > 13

パーシヴァル

1d100 (1D100) > 30

ファズ

1d100 (1D100) > 56

GM

卯花ちゃんから。

空摘 卯花

こうなったのはオオツチがおみなえしさまを恋しがっているからだ。

空摘 卯花

その寂しさを、埋めてあげられはしないだろうか。

空摘 卯花

「オオツチ……」

空摘 卯花

小さな、おみなえしの花束を差し出す。

空摘 卯花

井戸の傍に残されていた花束。心の中に何度もあらわれる大切なもの。

空摘 卯花

おみなえしさまは、きっとこれを何度も貰っていたんだろう。

空摘 卯花

彼から。

空摘 卯花

「……これは、あなたが贈ったものでしょう?」

空摘 卯花

おみなえしさまとオオツチのことを【空想】しながら花束を差し出します。

GM

判定をどうぞ!

空摘 卯花

2D6>=6 (判定:読書) (2D6>=6) > 8[2,6] > 8 > 成功

オオツチ

少女を口へほうり込もうと伸ばした手が、止まり、たよりなげで儚い花束へ向けられる。

オオツチ

「ア、アア……」

オオツチ

たくさんの手のうちのひとつが、その花束に触れて紙のように燃える。

オオツチ

「アアア……!」

オオツチ

思い出のかがやきに焼かれて、おばけの身体が燃え落ちていく。

オオツチ

ちょっと、ろうそくの香りがした。

空摘 卯花

驚いて小さく悲鳴を上げ、花束を取り落とす。
けれど、彼の何かに触れたのは確かみたいだ。

GM

取り落とされた花束は、役目を終えて光になって消えた。

GM

2d6のダメージ。

空摘 卯花

2d6 (2D6) > 6[2,4] > 6

GM

6ダメージ。

GM

次はみやびちゃん。

羽ノ浦みやび

燃え上がる足。ろうそくの香り。
未だ彼処にひとり、立ち尽くすおみなえしのことを想う。

羽ノ浦みやび

身を投げてしまうほどの想いを。

羽ノ浦みやび

「おみなえしちゃんだって、きっとあなたに会いたいよ」

羽ノ浦みやび

でも会えない。こうして雨に閉じ込めている限りはきっと。

羽ノ浦みやび

蜘蛛の糸のかかる花束。
どれほど長いときを越えて、また手渡されることを待っていることだろう。

羽ノ浦みやび

「でも、このままじゃ、会えない、……いっしょにはいられないんだよ」

羽ノ浦みやび

あなたがこうしているかぎりは。

羽ノ浦みやび

それはどんなにか、いたましいことだろう。

羽ノ浦みやび

2D6>=5 (判定:優しさ) (2D6>=5) > 3[1,2] > 3 > 失敗

空摘 卯花

みやびちゃんにオマモリ使います~!
[ 空摘 卯花 ] オマモリ : 1 → 0

羽ノ浦みやび

2D6>=5 (判定:優しさ)振り直し! (2D6>=5) > 2[1,1] > 2 > ファンブル(【眠気】が1d6点上昇)

羽ノ浦みやび

三度目の 正直 自分のお守り 使います
[ 羽ノ浦みやび ] オマモリ : 1 → 0

羽ノ浦みやび

2D6>=5 (判定:優しさ) (2D6>=5) > 6[1,5] > 6 > 成功

羽ノ浦みやび

2d6 (2D6) > 11[5,6] > 11

羽ノ浦みやび

きっとわたしのことばなんて、あなたには叩きつける雨と変わらない。
それでも、言わずにはいられないんだよ。

羽ノ浦みやび

「おみなえしちゃんが、好きなら、大事なら、……いっしょに、いたかったなら」

羽ノ浦みやび

「こんなこと、だめだよ」

オオツチ

オミナエシの花束の光に燃える腕で胸を掻き毟る。

オオツチ

「オ、ミナエシ……」

オオツチ

「食

オオツチ

ッた

オオツチ

ラ、いなく

オオツチ

なる」

羽ノ浦みやび

「っ………………」

オオツチ

それが、身を投げた理由かもしれない。

オオツチ

そんなことは誰もわからないけれど。

オオツチ

ただ蝋のように解けてゆくおばけが苦しむばかり。

GM

次はパーシィさんだね。

パーシヴァル

花束を返そう

パーシヴァル

いろんな恋のかたちがある

パーシヴァル

ほしいと思う気持ち

パーシヴァル

たすけたいと思う気持ち

パーシヴァル

しあわせにしたいと思う気持ち

パーシヴァル

しあわせであってほしいと思う気持ち

パーシヴァル

そばにいたいと思う気持ち

パーシヴァル

そして

パーシヴァル

「Mrオオツチ」

パーシヴァル

君が少しでも

パーシヴァル

2d6>=9 (2D6>=9) > 11[5,6] > 11 > 成功

パーシヴァル

彼女のことをわかりたいという気持ちを、持っていたのなら。

パーシヴァル

手のひらから、風に乗って

パーシヴァル

花束がほどけ、小さな花びらがオオツチの元へ運ばれていく。

パーシヴァル

「好きも、大切も」

パーシヴァル

「愛も」

パーシヴァル

「伝えない優しさだって、あるものだよ」

パーシヴァル

2d6 (2D6) > 2[1,1] > 2

オオツチ

障子に幼子が指で穴をあけるように、おばけの身体に穴が穿たれる。

オオツチ

好きも、大切も。
愛も、伝えない優しさも。

オオツチ

学ぶ前に終わってしまった生。

オオツチ

「……ガ……、ギ……」

オオツチ

体から蜘蛛の子を散らすように歯車が落ちる。

GM

ファズくんの番です。

ファズ

携えた花束をもって、オオツチの元へ飛ぶ

ファズ

愛だとか恋だとか、そういう厄介な心のことは よくわからない。

ファズ

わかるのは、寂しさだとか、心許なさだとか。

ファズ

オモチャは求められるところへと、贈られるものだから。

ファズ

求め焦がれる気持ちなど 知りはしなかった。

ファズ

「オレはお前のコト、嫌いだ。」

ファズ

「縛り付けて、捕まえて。汚すばっか。
 ……オマエ、自分のコトしか考えてねェだろ?」

ファズ

「……たまにはさ、向き合ってやらねェといけねェんだよ。」

ファズ

「ちゃんと大切にしてやんねェとダメなんだよ。」

ファズ

「……あいつらは、ずっと大事にしてきたんだよ。」

ファズ

「だからさ、これ以上苦しめてやんなよ。」

ファズ

「オマエだって、苦しいんだろ。」

ファズ

オモチャとは。今の幸せの為にあるもの。
思いつくことといえば、オオツチへこれを贈ることくらい。

ファズ

それは、苦しみ そのものかもしれないけれど。

ファズ

2d6>=9 (2D6>=9) > 10[5,5] > 10 > 成功

ファズ

絡まる糸が 解けてゆく

ファズ

2d6 (2D6) > 7[3,4] > 7

GM

7ダメージ。

オオツチ

光の粒のような花が触れるそばから、まぼろしの炎が燃えて。

オオツチ

大人の影をふたつだけ照らしておもちゃ博物館だったところの、開かずの部屋の暗闇を燻らせた。

オオツチ

どう、と巨体が倒れる音。
焚火の音を立ててスプーキーだったおばけが燃えていく。

オオツチ

焚火の音は、雨音に似て、そのふたつが花束の光にただ融け合うばかり。

オオツチ

伸ばす手もなく、呼ぶ名前もなく。

オオツチ

卒業式に書かれるだろう、担任の先生の贈る言葉さえその日のうちに消されるように。

GM

ころん、とネジをひとつ残して消えた。

GM

たぶんきっと、どんなおもちゃにも合わないだろう。

GM

クライマックス終了です。


 決着 そして 

GM

小窓から外が見える。

GM

雨が弱くなっている。

GM

ヤラズ雨の終わりが近い。

GM

恐怖判定忘れてたので、この戦いで怖かったかどうか後から判定しちゃおっか。

GM

【勇気】で判定です。

羽ノ浦みやび

2D6>=10 (判定:優しさ) (2D6>=10) > 10[4,6] > 10 > 成功

空摘 卯花

2D6>=7 (判定:読書) (2D6>=7) > 8[3,5] > 8 > 成功

GM

怖くなかったね……。

GM

おもちゃ博物館だった場所の、天井裏に住むおばけは封印されました。

ノワール

「……やりやがったか、」

ノワール

入り口の方から声がする。

羽ノ浦みやび

どこか呆然とその場に立ち尽くす。

羽ノ浦みやび

いつもなら真っ先に上げるような安堵の声もなく。

空摘 卯花

ゆっくり、ゆっくりと。
この雨が終わることが分かって。

空摘 卯花

そうすると気が抜けて、へたり込んでしまって。

空摘 卯花

「……、あ」

羽ノ浦みやび

「……」

空摘 卯花

ぺったんと尻もちをついた身体が、いつもの、背の順ちょっと後ろくらいの大きさに戻っていることにやっと気が付いた。

羽ノ浦みやび

「あ。……うーちゃん、だいじょうぶ?」

羽ノ浦みやび

手を伸ばす。その手はもう、ちいさくて。

空摘 卯花

「……うん」

空摘 卯花

小さな手を取る手も、また小さくて。

空摘 卯花

これから大きくなる手。まだ大きくない手同士が、かさなった。

羽ノ浦みやび

そっと引く。重なった指先はほんのりと熱い。

羽ノ浦みやび

「がんばったねえ」

空摘 卯花

「みやびちゃんもね」

羽ノ浦みやび

「へへ」

GM

真夜中フェイズのサイクルがすぎたものとし、眠気を振ってもらいましょう。

パーシヴァル

二人の姿を見下ろす。

パーシヴァル

いつか、本当に大人になるまで

パーシヴァル

あとどれくらいだろうか。

羽ノ浦みやび

1d6  (1D6) > 5

空摘 卯花

1d6 (1D6) > 1

羽ノ浦みやび

「ん~~」

空摘 卯花

「……みやびちゃん、ねむたい?」

羽ノ浦みやび

立ち上がったはいいものの、まぶたが重い。
目を擦り、ちいさくうなずく。

羽ノ浦みやび

「もー、むり、かもお……」

空摘 卯花

「いっぱいがんばったもんね……そういえば夜だし……ふあぁ」
眠たそうな姿につられるように、こちらも欠伸。

羽ノ浦みやび

ふらふら。

ノワール

「いい子のイノセントは寝る時間だぜ」

ノワール

「はやく部屋に戻って寝な」

パーシヴァル

「それがbetterだね」

ファズ

「ったく最後までしかたねェなぁ~~」

ノワール

「……起きる頃にゃ雨は上がってるよ」

羽ノ浦みやび

「うん……」

GM

ここで寝てしまっても、運んでくれる存在がいるということ。

GM

それはささやかな祝福。

空摘 卯花

ファズが連れてってくれるよね。
そう思うと、よけいに眠くなっちゃって。

パーシヴァル

くらやみのなか。
手を引く役目も、ずいぶん前に終わってしまった。

羽ノ浦みやび

夜中にひとりでトイレに行けるようになって、もうずいぶん経つ。
おかあさんにもおとうさんにも内緒のことも、たくさん増えた。
今日もきっと、その1ページ。

GM

まどろみは大人になっても平等にやってくる。

ファズ

ほら、落ちんなよォ。ぶつくさと文句をたたえ
横たえるように、おもちゃの身体に重みを沿わせて。
催促するように肩をつついた。

GM

夜ふかしできる時間が少しずつふえてゆく。

パーシヴァル

「おやすみ、みやび」

羽ノ浦みやび

「ん~……」甘えた声でうなずいて。

空摘 卯花

肩を突っつかれるのが、今は何だかくすぐったい。
ふにゃりと笑って、身を預けた。

GM

そして、朝までたのしいゆめをみるのが。
こどもたちの本当のお仕事。

ファズ

今から見る夢の邪魔にならないように。
足並みをあわせて。ゆりかごは揺れている。

GM

おもちゃたちも手伝って、こどもたちはお布団のなかに運ばれてゆく……。


 お別れの朝 

GM

次の日の朝。

都 紫陽花

「起きて、起きて……ふたりとも」

都 紫陽花

「お家に、帰れますよ~……!」

空摘 卯花

「んん~……」

都 紫陽花

お腹に力の入っていない声でなるべく元気よく呼びかける。

羽ノ浦みやび

「んむぅ…………」

羽ノ浦みやび

眠い目をこすりこすり、身を起こす。

都 紫陽花

まだ寝せてあげるべきだろうか……。
それとも親御さんのために頑張ってせかして起こすべきだろうか……。

都 紫陽花

わからない……。
けど、わからないなりに……やっていくしかない。

都 紫陽花

大人ってそういうものだ……。

都 紫陽花

「ほら、お顔洗って来て」

都 紫陽花

「水道の水が冷たくて、気持ちいいよ」

空摘 卯花

「はぁい……」

羽ノ浦みやび

「はっ。おはようございます!」ねむいこえ。

都 紫陽花

「はい、おはようございます……」

羽ノ浦みやび

起き上がって、卯花ちゃんと顔を見合わせて。

空摘 卯花

まだ眠気の残る顔で、視線を合わせてちいさく笑う。

都 紫陽花

「異常気象、終わったみたい。ふたりともお家に帰れるよ」

都 紫陽花

「よかったね……」

GM

もう窓から雨の音はしない。

GM

古い屋根を叩く水の音も、葉っぱを鳴らす風の音も。

羽ノ浦みやび

「平和、守っちゃったね」顔を近づけて、ささやく。

空摘 卯花

「ね」
雨の音が終わって、いっそう静かな気がする朝だから、しっかり声を潜めて。
ふたり、いや、よにんの、もしくはもっとたくさんのオバケや幽霊たちとの秘密。

GM

おもちゃ博物館だった場所、の秘密。

GM

そして、ひとり以外知らない秘密が。

GM

ひとつ。

GM

アートパークは少しずつ慌ただしく、帰り支度をしはじめていた。

GM

イノセントたちも、それにならう。
支給された朝ごはんや、着替えに着替える。

GM

そして、お母さんやお父さんが迎えに来たという職員からの連絡。

都 紫陽花

紫陽花お姉さんが見送る。

GM

そのうしろに、大人には見えないおもちゃたちの姿。
こっそり背景にまぎれて手を振っている。

空摘 卯花

「あじさいおねえさん、ありがとうございました」

空摘 卯花

ぺこりと一礼。

羽ノ浦みやび

「おせわになりました!」いっしょに一礼。

空摘 卯花

そうして顔を上げて、後ろに見えるおもちゃたち。
本当に大人たちには見えてないのかな……。

羽ノ浦みやび

「……」視線が、ノワールの姿を探す。

おもちゃたち

じゃあな!

羽ノ浦みやび

いいのかな。なんにも言わなくて。

おもちゃたち

ばいばいね!

おもちゃたち

ピピ!

パーシヴァル

会いたいと思えば会える。
それでも、大抵、最後までこない『また』。

おもちゃたち

Adiós

おもちゃたち

また会おう!

おもちゃたち

 

羽ノ浦みやび

ひとりひとりに、ゆびさきだけ小さく振る。

パーシヴァル

see you なのか goodbye なのか

GM

さよなら、さよなら。
大人には聞こえない、約束にはいたらないあいさつ。

パーシヴァル

でも、重要なのはきっと

パーシヴァル

出会ったという事実

空摘 卯花

スカートに少し隠して、そっとおもちゃたちに手を振る。

パーシヴァル

おもちゃたちと、博物館に手を振る。

GM

前庭を通って、門を出る前。
そのかげにひとり。

ノワール

「よう、」

ノワール

小さいトランクの上に座ってくまとねこがはんぶんのスプーキー。

ノワール

「世話かけちまったな」

羽ノ浦みやび

「ノワールさん」

ノワール

「名探偵だったぜ、ふたりとも」

羽ノ浦みやび

ぶい。

空摘 卯花

「ノワールさん、その……」

空摘 卯花

「あの……あじさいおねえさんに……えっと……」

空摘 卯花

なんて言えばいいのか、自分でもまとまらない。
けれど、こんなに近くに居て、声もかけられないなんて。

羽ノ浦みやび

「なにか、言っておきたいこと……いまなら」

パーシヴァル

「…………」

羽ノ浦みやび

卯花ちゃんの言葉を継ぐように。

羽ノ浦みやび

自分たちなら、伝えることはできる。ーーどう思われるかは、ともかくとして。

ノワール

「……」

ノワール

手紙を一枚、差し出す。

ノワール

「そこの赤いのに言われてな」

ノワール

「書いたよ、はじめて」

パーシヴァル

「Mr……」

ノワール

「あんたなら、届けられるだろ」

ノワール

ヒト型のスプーキーを見上げて。

パーシヴァル

「そうだね、やってみようか」

パーシヴァル

手を差し出す。

パーシヴァル

手紙を受け取って

パーシヴァル

風の宅急便を使用します。
届け先は、書き手の大切な人。
『風の宅急便』
自分の持っている小さな物品や手紙を
知っている人に届ける魔法。
[ パーシヴァル ] 魔力 : 13 → 11

パーシヴァル

紫陽花へ

GM

届くべきときに。
魔法のように、きっとそれは届く。

パーシヴァル

手元にふわりとそよ風が集まって

パーシヴァル

手品のように、ぽん、と

パーシヴァル

消えてしまう

GM

この雨が紡いだ、小さな想いのリレー。

ノワール

「ありがとう」

ノワール

そして、ずっとさっきから口を開かない赤いスプーキーを見上げて。

ノワール

「……あとは、頼んだ」

ファズ

宙に浮いたおもちゃが、空中で ぷい と目線をそらす。

空摘 卯花

「……? ファズ、何か頼み事されたの?」

空摘 卯花

確かに鍵をもらってきてたけど。
それと一緒にお願い事があるなら、きっともう終わってるはずだ。

空摘 卯花

だって、ヤラズ雨は解決したんだし。

GM

失恋坂伝説が、人々の思い出から消えない限り。
おばけは死なない。

GM

小さな史跡が繋いでいく、摩訶不思議な雨。
おばけ屋敷は、そう。いつの間にかできるもの。

GM

ほんとうの、ほんとうのおしまいは。
このアートパーク……おもちゃ博物館がなくなってしまったとき。

ファズ

そのおもちゃは 首をかしげて、しらんぷり。

ファズ

ちょっとすました顔で宙を舞っている。
いつもとなんにもかわらない。
すこし静かなこと以外。

ファズ

2d6>=9 クラフトブロック! (2D6>=9) > 10[5,5] > 10 > 成功
[ ファズ ] 魔力 : 8 → 5

GM

成功ですね。

ファズ

……たぶん、彼女はきづかない。
 おもちゃのおばけにできた、僅かな小さなつぎはぎ。

ファズ

それはあたかも、それがあるように空を飛び続けている。
『クラフトブロック』
魔法のブロックを創り出す魔法。
そのブロックですきなアイテムを作成できる。

空摘 卯花

2D6>=9 (判定:がまん) (2D6>=9) > 9[3,6] > 9 > 成功

GM

成功ですね……。

GM

ほんとうに、気づかなかった?

GM

ずうっと一緒にいたのに。

ファズ

……いいや、それは一緒にいたからだ。

ファズ

ずっと、一緒にいられると 思っていたからだ。

ファズ

……そう、思いいたるより。
考えるよりも先に。それは頭をコツンと叩いた。

ファズ

……お邪魔を、します!
[ ファズ ] 魔力 : 5 → 4

GM

では、卯花ちゃんの判定は失敗。

空摘 卯花

「ねえ、ファズ、」

空摘 卯花

また、ヘンな感じだ。
不安が、散っていったはずの雨雲のように心に集まっていく。

空摘 卯花

それを軽く吹き飛ばすように、こつりと衝撃。

空摘 卯花

「あたっ……もお……」

ファズ

コツン! コツン! コツン!

羽ノ浦みやび

「なんか朝から、静か……あっ」いたそ~。

ファズ

ギャハハと、笑うように。 嘲るようなギターが高く響く。

空摘 卯花

「なんなの、話したくないなら言ってよ……、」

パーシヴァル

ふわ、と浮いて。
その様子を見守る。

羽ノ浦みやび

「もう、いじめちゃだめだよ~」卯花ちゃんをかばうように軽く手を翳す。

空摘 卯花

その、コツンという音が。

空摘 卯花

あのとき赤い靴が落ちた音に似ていて。

GM

ふたりなら終わったお話が。
友達がいると、続いていく。

空摘 卯花

吹き飛ばされるはずの暗雲を、引っかけた。

空摘 卯花

「――」

GM

かかとを3回鳴らして、お家に帰っても。
魔法の国が続いたように。

空摘 卯花

「パーシーさん」

空摘 卯花

半ば無意識に訊いていた。

空摘 卯花

「朝から、ファズと話した?」

空摘 卯花

パーシーさんにお助けを求めます。

パーシヴァル

こころ、というものは。

パーシヴァル

きっと、こどもにも、おとなにも、おばけにも

パーシヴァル

大事なものだから

羽ノ浦みやび

つられて、パーシィを見る。

パーシヴァル

そのかたちが、やわらかいまま

パーシヴァル

支える両手を離してしまったら

パーシヴァル

誰が、そのこを受け止めるのだろう

パーシヴァル

「話していないよ」

パーシヴァル

お助けをします。
[ パーシヴァル ] 魔力 : 11 → 9

GM

では、卯花ちゃんの判定は成功。

パーシヴァル

「うのはな」

パーシヴァル

「君のこころに、ファズは映っているかい」

パーシヴァル

そうして、鼻が真っ赤なおもちゃへと向く。

空摘 卯花

首を振る。

空摘 卯花

ファズ、あなた、そんなお行儀いい音で笑わないでしょ。

ファズ

……向けられた鼻先と反対方向にぷい。と顔が向く。

パーシヴァル

呼んでごらん。

空摘 卯花

駆け出す。今はあの赤いヒールのある靴じゃないから、すぐに駆け出せる。

パーシヴァル

彼もきっと、出会うために、そこにいた。


 ファズ 

空摘 卯花

来た道を戻って、泊まっていた準備室まで。

空摘 卯花

途中であじさいおねえさんが目を丸くしていた気がするけど、今は挨拶もしてられない。

空摘 卯花

あのおもちゃたちが集まる場所。

空摘 卯花

そこへ向けて、大きな声で。

空摘 卯花

「ファズ!!!」

ファズ

一瞬、おもちゃたちがざわめく。

ファズ

おもちゃの家の方で がしゃん!と音が鳴って。

ファズ

目にもとまらぬ速さで。何かがするりと飛びだしていった

空摘 卯花

「こら、待て……!」

空摘 卯花

咄嗟に、飛び出していったように見えた側へ飛びつくように。

ファズ

階段にはちいさなブロックと、ミニチュアの家具がぱらぱらと。

ファズ

あとは、だだっ広い廊下が広がるだけ……それだけだ。

ファズ

なんにもない な~んにもないない。

空摘 卯花

居ない。見つけられない。追いつけない。

空摘 卯花

ひとりぼっちだ。

ファズ

ちいさな赤いおもちゃが、ぱたぱたと追いかけてくる。

空摘 卯花

それでも、それでも。

ファズ

なにやってんだよぉ と、言いたげな顔で。

ファズ

来た道から羽を振り 帰ろうと示してくる。

空摘 卯花

心に立ち込める雲が、ぽつり、ぽつり。

空摘 卯花

止んだはずの雨を降らせる。

空摘 卯花

こんなの、こんなのじゃ、

空摘 卯花

ふたりじゃないよ。

ファズ

空はとっくのむかしに晴れ間が見えて。
おうちに帰ればみんなもとどおり。
いつもの日常が帰ってくる。

ファズ

ふたりはずっとずっといっしょ。

ファズ

こわいのも、かなしいのも、それは騒がしさをもって覆い隠ししてくれる。

ファズ

なんにもかわりはしないだろ?

空摘 卯花

「……、ファズの……」

空摘 卯花

「っ、ファズの、ばかっ、」

空摘 卯花

かなしいよ。さびしいよ。

空摘 卯花

こんなのじゃ、静かすぎて、

空摘 卯花

何にも、吹き飛ばしてくれないよ!

空摘 卯花

「わた、わたしのことっ、きらいにっ、なったなら、」

空摘 卯花

「言えばいいでしょ!!」

空摘 卯花

「なんでっ、なんでっ、だまっていっちゃうのお!」

空摘 卯花

「ギター教えてくれるって言ったじゃん! うそつき!」

空摘 卯花

「ばかっ……ぅくっ、ファズのっ、ばかぁ……っ!」

ファズ

「う」

ファズ

「うるせえなぁ!!!!ガタガタガタガタオマエはよォ!!!」

ファズ

廊下に大きく、ギターの音がこだまする。

空摘 卯花

「っ……ぐす……」

空摘 卯花

「……ファズ……ファズ……っ」

ファズ

はっと、気付いたように。少しばかりの静寂が戻ってくる。
からくり仕掛けのオモチャが頭をつつく。

ファズ

泣くなよばか。 ばか ばか ばか!!

GM

雨音がおおいかくしてくれないさみしさ。

空摘 卯花

「だっ、だってっ、だまっていなくなったの、そっちじゃん!」

空摘 卯花

「なんにもいわないでっ、うそっ、うそついて!」

ファズ

「オレ様は……ここに、いるだろうがよ。」

ファズ

頭をつつくオモチャの片割れが、困ったように首を傾げる。

空摘 卯花

「ちがうもん! これじゃファズじゃない!」

空摘 卯花

からくり仕掛けの精巧なレプリカ。
これはこれでいいものだけど、よくはなくて。

ファズ

「ああん!?ケチつけてんじゃね~~ぞ!てめェ!!」

ファズ

ウノハナのブンザイで!!コノヤロ!コノヤロ!

空摘 卯花

「だって何にも喋んないし、静かすぎるしっ!」

ファズ

ギュイィ……

空摘 卯花

「音だって……音だって違うもん!」

空摘 卯花

……そんな気がする。たぶん。めいびー。

ファズ

「ボタンを見つけられないヤツがな~~に言ってやがんだ!!」

ファズ

ああ、もう!! コイツ、黙らせてくんねェな……!!

ファズ

「とっとと、帰れ!! しっしっ!!」

ファズ

一緒にかえるぞ!オラッオラッ! 頭突きをしている

空摘 卯花

「ファズも一緒に帰るのっ! なんでこっちにいるのお!」

ファズ

…ふっと、音が途切れる。

ファズ

「…………それは」

ファズ

言ってしまって、いいのだろうか。
すべて明かしてしまったら、もう戻れなくなる気がする。

ファズ

「……ぼ ボタンを探しにいくんだよ。」

空摘 卯花

「…………今までわたしといっしょだったじゃん」

ファズ

「お前には……もう時間がねェし。これ以上付き合わせんのも悪ィしな。」

空摘 卯花

「何それ……別に、急いでないよ……」

ファズ

「ホラ、エセ探偵いただろ?
 アイツがいいおばけの穴場を教えてくれるってんだ!」

ファズ

「あの時はおばけに囲まれてモミクチャにされたからな~!」

ファズ

「多分、おばけの世界におっこちたんだろ たぶん」

空摘 卯花

たくさんの言葉がファズから出てきて、それだけ自分の言葉は引っ込んでいく。

ファズ

「だいじょうぶだって、見つけたらまた迎えにいくからよ~!」

空摘 卯花

それならと納得してしまいそうになる頭と、それでもと縋りたい心と。

ファズ

「そのちょ~っとのあいだ、寂しくならね~ようにって、な??」

ファズ

「気付かれないよ~にこっそり入れ替えといたのによぉ~
 むしろ、オレサマの優しさに感謝してほしいくらいだぜ~?」

空摘 卯花

「……オバケの世界くらい、一緒に行くもん……」

ファズ

「……馬鹿ウノハナ。ついてきて、お前に何ができるってんだ。」

ファズ

これから、大人になるお前に。

ファズ

おばけのオレの為に、何が出来る?

空摘 卯花

「……本当に、ほんとうに、今じゃないとだめ?」

空摘 卯花

「ギター、まだ、教えてもらってないし」

ファズ

「ダメだな。」

空摘 卯花

「オバケの世界で、ボタン見つかるかどうかも、分かんないじゃん……」

ファズ

「……ギターなら、こいつにだって教えられるよ。」

ファズ

「ボタンだって絶対に見つかる。」

空摘 卯花

「…………」

ファズ

「…………寂しくなんてさせねーし…」

ファズ

「こいつがいれば、ずっと傍にもいられる。」

ファズ

「それじゃ、だめなのか。」

空摘 卯花

おとなの兆しが、こどもの聡い部分が、ここでやめておけ、と諭してくる。

空摘 卯花

ファズはずっとボタンを探していたし。

空摘 卯花

ちょっとの間だって言うし。

空摘 卯花

代わりのファズも、ギターを教えられるって言うし。

空摘 卯花

今すぐじゃないとダメだって言うし。

空摘 卯花

だったら、これで、がまんすればいい。

空摘 卯花

なのに。

空摘 卯花

「……わたし、今まで、ファズのわがままたくさん聞いてきたもん」

空摘 卯花

「これじゃ、だめだよ」

空摘 卯花

「わたしのわがまま、ひとつくらい聞いてよ……」

ファズ

「それじゃあダメなんだ」

ファズ

「それじゃあ、ウノハナはしあわせになれない。」

ファズ

「お前を不幸にする願いなんて 聞くもんか。」

ファズ

風を切る音。 それと共に ぱらら と、おもちゃの欠片がこぼれて。

ファズ

今一度、戻ってくる 静寂。

空摘 卯花

ああ。もう。

空摘 卯花

もう、だめなんだ。

空摘 卯花

わたしのためなんて言われたら。

空摘 卯花

わたし、おりこうにしてるしかなくなっちゃうよ。

ファズ

レプリカが、じゃれるようにして頭を寄せてくる。

空摘 卯花

「……っ、う……」

空摘 卯花

「うぁ、っく、ひぐっ、うう……っ!」

ファズ

そして 雫にはじかれる ちいさな 弦の音。

ファズ

ここにいるから ここにいてやるから ずっと

空摘 卯花

代わりのファズが、そばにいる。

空摘 卯花

だからもう、ファズとはいっしょにいられないんだ。

空摘 卯花

それが、ちいさな弦の音でいっそう感じられて。

空摘 卯花

「うあっ、うああん、うああん……っ」

ファズ

オモチャはずっとこどもの友達だけど。
大人になって気付いてしまえば、
それはただのがらくたになってしまう。

ファズ

ここは、そんなオモチャたちが集う場所。

ファズ

どうすれば泣き止んでくれるのか。わからない。
にせものだから?ほんものじゃないから?

ファズ

つぎはぎのブロックはただ、おばけがそうするように、頭をつつく。

空摘 卯花

突かれるたび、首を振る。
ちがうよ。ちがう。

空摘 卯花

どうしたって、代わりは代わりで。
ファズはファズなんだよ。

空摘 卯花

そんなことも、上手く言えないまま。

空摘 卯花

お父さんとお母さんが職員さんに連れられて探しに来るまで。

空摘 卯花

ずっと、ずっと、雨の中。

GM

大人は、子供の悲しみのぜんぶを知ることができないままやってくる。

GM

おうちに帰ろう。

GM

ご飯を食べて、暖かい布団で眠ろう。

GM

それ以上幸せなことなんて、きっとないって。
大人は、心から思っている。


 side:みやび 

羽ノ浦みやび

なんとなく、追いかけられなくて。
パパやママには忘れ物が、なんて言って。
パーシィとふたり。

羽ノ浦みやび

だまって窓越しの中庭を見る。

羽ノ浦みやび

大人たちの騒がしい声も今は遠い。
雨の降っていないアートパークは、知らない場所みたいに静かだ。

GM

雨はもう止んでいるのに、雨が止むのを待つような時間。

パーシヴァル

「…………」

羽ノ浦みやび

無意識に耳朶の絆創膏をいじる。

パーシヴァル

いつも、そう。

パーシヴァル

自分から話しかけることはあまりなかった。

パーシヴァル

困っているとき、悲しいとき、寂しいとき。

パーシヴァル

そっと手をとり、ひっぱりあげたり

パーシヴァル

楽しいおしゃべりをしたり

パーシヴァル

ただ、となりに立っていたり。

羽ノ浦みやび

「おてがみ」

羽ノ浦みやび

「いいな。みやびもうーちゃんに書こうかな」

羽ノ浦みやび

どこか話題を探すような沈黙があって、ふとつぶやく。

パーシヴァル

「連絡先は聞いたのかい?」

羽ノ浦みやび

「うん、」

パーシヴァル

「えらいね、みやび」

羽ノ浦みやび

ほら、とスマホを見せる。
安全な、こども用のメッセージアプリ。

羽ノ浦みやび

「学校違うからね~」

パーシヴァル

「…………」

パーシヴァル

「そうだね」

羽ノ浦みやび

だから、たぶん、通話もチャットも、いつでも。できる。
人間のともだちは、いつでも。

羽ノ浦みやび

おばけの、ともだちは?

パーシヴァル

一覧に表示される連絡先が

パーシヴァル

スクロールしないと見れなくなるのはいつからだろう

羽ノ浦みやび

この一覧に、パーシィやファズくんが載ることは、ずっとない。

パーシヴァル

何もないから、『そういえば』って

パーシヴァル

思い出すこともなくなってしまう

パーシヴァル

君のまわりはきっと

パーシヴァル

色んな人にかこまれていく

パーシヴァル

今は丘の上から全部を見渡せても

パーシヴァル

近くに来る人。大きな人。隙間にはいる人。

パーシヴァル

そういうもので、君の世界はいっぱいになっていく

パーシヴァル

「みやび」

羽ノ浦みやび

「ん?」

パーシヴァル

「帰ったら、何をする?」

羽ノ浦みやび

「……ん~、宿題やんなくちゃ」

パーシヴァル

連絡先の一番上にずっとある

パーシヴァル

見えない名前。

羽ノ浦みやび

困ったとき。悲しいとき。寂しいとき。

羽ノ浦みやび

驚いたとき、楽しかったとき、嬉しかったとき。

羽ノ浦みやび

一番初めに呼ぶ名前。

パーシヴァル

この特等席も、いつか誰かの居場所になる

パーシヴァル

「それじゃ、私は」

パーシヴァル

「資料探しゲームをしないとね」

羽ノ浦みやび

「頼りにしてる~」

羽ノ浦みやび

わらって。

羽ノ浦みやび

笑うけど、すぐにそれは掻き消える。

羽ノ浦みやび

「……うーちゃんたち」

羽ノ浦みやび

「だいじょぶかな」

パーシヴァル

「心配かい?」

羽ノ浦みやび

「……ほんとは」

羽ノ浦みやび

「……」

パーシヴァル

「みやび」

パーシヴァル

「悩んだときは」

パーシヴァル

「君のいちばん大事な声に従うんだ」

パーシヴァル

たくさんでも、おおきさでもない

パーシヴァル

それを捕まえる手段を、君はもう知っているはずさ

羽ノ浦みやび

パーシィを見上げる。

羽ノ浦みやび

「うん」

羽ノ浦みやび

踵を返す。ーー走り出す。

パーシヴァル

その後ろをふよふよとついていく。


 ヤラズ雨 

空摘 卯花

赤い目元と沈んだ表情で、再び門をくぐる。

羽ノ浦みやび

それを、引き止める声がある。

羽ノ浦みやび

「うーちゃん!」

空摘 卯花

「……みやびちゃん……」

羽ノ浦みやび

息を切って駆け寄って。

羽ノ浦みやび

「ファズくんは」

空摘 卯花

「っ……」
首を横に振る。

空摘 卯花

「どうしてもダメ、って……言われて……」

羽ノ浦みやび

両手を握る。

羽ノ浦みやび

「どこ?!」

空摘 卯花

「……たぶん、準備室のどこか……」

ファズ?

ギュイー!
 それは宙を舞い、飛び出してくる。

ファズ?

ここにいんじゃねェかよ~ と言いたげ。

羽ノ浦みやび

2D6>=5 (判定:ウソつき) (2D6>=5) > 5[1,4] > 5 > 成功

GM

成功していったな……。

ファズ

お邪魔しとくか!
[ ファズ ] 魔力 : 4 → 3

ファズ?

ぐわ~っと飛んでいって大きな音を鳴らそうとする。

パーシヴァル

「…………」

パーシヴァル

おたすけしよう
[ パーシヴァル ] 魔力 : 9 → 8

羽ノ浦みやび

ジャンプして、赤いおもちゃを両手で捕まえる。

パーシヴァル

ナイスキャッチだ、みやび!

ファズ?

ぎゃ!!!!
驚くように飛びあがると パキッとちいさな音がした。

パーシヴァル

「どうしたんだい、ふたりとも」

パーシヴァル

「喧嘩は良くないよ」

羽ノ浦みやび

ちいさな音に驚いて。
「あっ、あっ、ごめん、だいじょうぶ?」

ファズ?

『ギュイ、ギュギュイ~~~ッ』
 はなせ~ はなせ~

羽ノ浦みやび

「……この子は、」

空摘 卯花

「ファズが、代わりにって……」

羽ノ浦みやび

「……」

羽ノ浦みやび

「もっかい、一緒いこ!」

パーシヴァル

「…………」

パーシヴァル

「うのはな、みやび」

パーシヴァル

「君たちは、彼の言葉を聞いたのかい?」

羽ノ浦みやび

握りつぶしてしまわないくらいの強さで片手にファズくんのみがわりを。
片手にうーちゃんの手を握る。

羽ノ浦みやび

「みやびはまだ!」

パーシヴァル

「うのはな」

パーシヴァル

「ファズは、君の……何なんだい?」

空摘 卯花

「…………」

空摘 卯花

いっつも突かれて。いっつも怒られて。
でも大事な時は助けてくれて。
ギターを習う約束をして。
ずっと一緒にいたい、

空摘 卯花

「友達、だよ……」

パーシヴァル

「うん」

パーシヴァル

「それがわかっているなら、大丈夫」

パーシヴァル

「ファズ」

パーシヴァル

「君も聞いているのなら、でておいで」

パーシヴァル

「君にとってうのはなが、友達ならば……ね」

レプリカ

「…………。」
 おもちゃがパーシィを見上げて、首をふる。

パーシヴァル

「まさか、ぜっこーなのかい……?」

レプリカ

『ギュイ…』
それは返答の代わりに、小さく飛びあがると廊下を抜けていく。

羽ノ浦みやび

伝えない優しさがある、と。言ったのは、パーシィだ。
……たぶんファズくんは、とってもやさしい。

羽ノ浦みやび

大事なお友達にほど、言えないこともきっとある。

羽ノ浦みやび

卯花ちゃんの手を引いて、そのおもちゃを追いかける。

空摘 卯花

おもちゃを追って、手を引かれて、再び廊下へと。

パーシヴァル

その後を、ふよふよと。

パーシヴァル

響く足音は二人分。

ファズ

……行く先は、開かずの扉があった場所。

ファズ

扉の前にそれは佇んでいる。

羽ノ浦みやび

「ファズくん」

羽ノ浦みやび

その前に、ずん、と立つ。

ファズ

「…………。」 

羽ノ浦みやび

「なんでうーちゃん泣かしたの」

ファズ

ぷい。 それは同じようにそっぽをむいた。

ファズ

ただ、その首にはちいさな鍵がかかっている。

羽ノ浦みやび

「ファズくん!」

羽ノ浦みやび

「拗ねてないでなにか言いなさいっ」

空摘 卯花

「……どうしてその鍵、まだ持ってるの?」

ファズ

ぷぷいのぷい。

羽ノ浦みやび

「こらっ」むず。掴もうとする。

パーシヴァル

「尋問かい?」

ファズ

ふわっと浮き上がって逃げる。

羽ノ浦みやび

「あっ。もーっ、言わなきゃわかんないでしょっ」

パーシヴァル

「…………」

パーシヴァル

「君たちが聞きたいのは」

パーシヴァル

「本当にそれなのかい?」

パーシヴァル

「ねえ」

パーシヴァル

「友達なんだろう?」

羽ノ浦みやび

「……」

羽ノ浦みやび

「……どうして、相談してくれないの」

羽ノ浦みやび

「どうして一緒に考えてって、言ってくれないの」

ファズ

友達 その言葉にぴくりと反応して。少しだけうつむく。

羽ノ浦みやび

「……みやび、ファズくんとうーちゃんがなんで喧嘩してるのかまだわかんない」

羽ノ浦みやび

「なんでお別れになっちゃうのか、わかんないよ……」

パーシヴァル

「ファズ」

パーシヴァル

「君も、おいでよ」

ファズ

首をふる。そういう訳にはいかない。
手の届かない場所で、漂いながら。

パーシヴァル

「そうやって拗ねてると」

パーシヴァル

「おばけ屋敷になっちゃうよ」

GM

昨日の夜の、おばけ屋敷みたいに。
おばけの行く末のひとつ。

空摘 卯花

「……ファズ。ホントの理由があるなら教えて。ちゃんと聞くから……」

空摘 卯花

「うそついたり、ごまかすんじゃなくて」

空摘 卯花

「ちゃんと聞きたいよ……」

ファズ

「これは オレが、きめたことだ。」

ファズ

「隠し事なんてなにもない。ただ、言わないだけだ。」

ファズ

「もういいだろ!早く出てってくれよ。」

ファズ

「追っかけるより、戻る場所があんだろが。」

ファズ

「どかねェならグチャグチャに騒ぐぞ!!
 お前らの耳が聞こえなくなるまでう~~んとなァ!!」

パーシヴァル

「…………」

パーシヴァル

「言いたくないんだね」

羽ノ浦みやび

「やだ!帰んない!」

羽ノ浦みやび

「このままじゃ納得できないでしょ!」

ファズ

「おばけにゃおばけの道理ってモンがあんだよ!!!」

ファズ

「オコサマ風情がナマいってんじゃあねェ~~~!!」

羽ノ浦みやび

「ともだちにはともだちに通すスジってのがあるの!」

羽ノ浦みやび

「いまのファズくんはぜんぜんスジ通してない!」

ファズ

「うるせ~~~~~~ェッッ!!!」
 不愉快で歪んだノイズが鳴り響く。駄々っ子のソレだ。

羽ノ浦みやび

耳を塞ぐ。ぼろ、と涙が零れる。

羽ノ浦みやび

「うるさくても!ファズくんが話してくれるまで帰んないから!」

羽ノ浦みやび

怒鳴るように返す。

ファズ

怒鳴る音に重なるように音圧もまた強くなる。
「でてけ でてけ でてけ !!!!」

パーシヴァル

「…………」

空摘 卯花

「うるさっ、うるさいって、ファズ、やめて……!」

パーシヴァル

「君が話したくないのは」

パーシヴァル

「自分のためかい?」

ファズ

「オマエに何がわかる」 歪んだ声が響いている。

ファズ

この気持ちが わかってたまるか

GM

ここが潮時かな。

パーシヴァル

「わからないから聞いてるのさ」

GM

ファズくん。
がまん<友達/5>で判定をしてください。

GM

おばけ判定なので目標値は9です。

ファズ

「オレは……オレは……ッ」

ファズ

2D6>=9 (2D6>=9) > 3[1,2] > 3 > 失敗

GM

止んだはずの雨が。

GM

雄弁に降り出す。

パーシヴァル

「oh」

空摘 卯花

「えっ」

GM

本来なら、これを季節がめぐるたびに。

GM

何年も、何年も続けていかなきゃいけない。

羽ノ浦みやび

ふう、ふうと肩で息をして。

ファズ

雨の音に、ノイズが掻き消える。

パーシヴァル

「…………」

パーシヴァル

「ファズ」

パーシヴァル

手を差し出す。

ファズ

「………………。」

ファズ

それは、手の届く位置まで降りてくる。

パーシヴァル

「私が変わろうか?」

パーシヴァル

「私には大切な約束がある」

パーシヴァル

「きっとそれを、守れなくなってしまうけれど」

羽ノ浦みやび

その言葉に涙で濡れた目を丸くする。

羽ノ浦みやび

「ぱ、」

羽ノ浦みやび

でも、飲み込む。ぶるぶると唇を震わせて。

空摘 卯花

止んだはずのヤラズ雨が降り出して。
鍵を持ったファズは開かずの扉の前からどかなくて。
それで、ようやく分かってきたところではあるけれど。

空摘 卯花

だからって。

ファズ

「……それが、どれだけ残酷なことか、わかってんのか。」

パーシヴァル

「わかってて受け取ったんだろう?」

ファズ

「お前に、代わりはいないぞ。」

パーシヴァル

「みやびは私の大切なイノセントで、友人だ」

パーシヴァル

「だけど」

パーシヴァル

「君たちも友人だ」

羽ノ浦みやび

「…… …… ……」

パーシヴァル

「私はね、喧嘩が苦手なんだ」

羽ノ浦みやび

小さな手を固く握る。

空摘 卯花

みやびちゃんが、唇を震わせるのを見た。
小さくこぶしを握るのも。

パーシヴァル

「君が話せないなら」

羽ノ浦みやび

知っている。パーシィが喧嘩が苦手なこと。
私がこんな風に怒ったら、困ってしまうこと。

パーシヴァル

「私が代わるよ」

空摘 卯花

「……だからって、だめだよ、パーシーさん」

羽ノ浦みやび

「うーちゃん、」

空摘 卯花

「みやびちゃんを放っておかないで」

パーシヴァル

「…………」

空摘 卯花

「……ファズ」

空摘 卯花

涙に濡れる瞳が、真っ直ぐに赤いオバケを見つめる。

ファズ

差し出される手を見つめながら、雨の音を聞いている。
なによりの原因がここにあることもわかっている。
けれど。

羽ノ浦みやび

だいじょうぶだよ、とは。すぐには言えなかった。

パーシヴァル

「…………」

パーシヴァル

「離れたら、ぜっこーかい?」

ファズ

ふたりをじっとみる。

パーシヴァル

「放っておくことになるのかい?」

空摘 卯花

「……それは……」

パーシヴァル

「君は……」

パーシヴァル

「ファズに放っておかれると思ったんだね」

パーシヴァル

「それは寂しいね」

空摘 卯花

「…………」
うなずく。

ファズ

ギュイ… と小さく絞りだすような音が鳴った。

ファズ

「……でも、これしかなかった。」

ファズ

「これしかないんだよ」

ファズ

雨はまた、世界を閉じ込めようとしている。

パーシヴァル

「ファズは」

パーシヴァル

「放っておきたいわけじゃないようだね」

空摘 卯花

そのことは、雨が雄弁に語っている。

空摘 卯花

「……ファズ」

空摘 卯花

「離れたら、絶交? もう会えない?」

ファズ

「……んな、ワケ…… ねーだろ。」

ファズ

「ばか」

ファズ

おもちゃのファズがパラパラと、砕けていく。

空摘 卯花

「……うん。わたしの方が、ばかだった」

空摘 卯花

「ごめんね。わたしの方が決めつけて、駄々こねて……」

空摘 卯花

そっと、心に凝っていた重苦しい雲が薄れていく。

ファズ

ぷい。と背を向ける。

「最初っからそう言ってんだろが。」

空摘 卯花

「……ねえ、会いに来てもいい?」

空摘 卯花

「ギターは、そのときに教えてよ」

ファズ

「……でも、それじゃ 」

ファズ

言いかけた言葉を 飲み込んで。

ファズ

降りしきる雨の中、鍵を見つめた。

空摘 卯花

「寂しくなくなるまで居るよ」

空摘 卯花

「来る度に、ちゃんと晴れるまで」

ファズ

「…………そうか」

ファズ

「お前は、俺の……ダチなんだもんな。」

パーシヴァル

「…………」

パーシヴァル

「私も会いに来るよ」

羽ノ浦みやび

「みやびも」

ファズ

「…………オマエら……」

ファズ

小さく歪むような音。

パーシヴァル

来週が来月になり、来月がそのうちになり、そのうちが『いつか、また』になっても

パーシヴァル

「私は真夜中ならひとっ飛びだしねっ」

空摘 卯花

いつか、あの赤い靴よりも大きくてもっと大人びたデザインのそれが履けるようになるころ。
その約束も、途切れてしまうのかもしれない。

空摘 卯花

けれど、それまでは。

空摘 卯花

それまでは、どうか。

羽ノ浦みやび

連絡先の一覧には載らないともだちのために。
いつか思い出の引き出しのなかにしまってしまう約束でも。
それでも、いまこのとき、心から。

パーシヴァル

友達はたったひとりじゃなくたっていいだろう?

ファズ

からくりの足りないネジが少しづつ噛み合っていくような心地。

ファズ

ずっときしんでいた弦がきりきりと、するような。

ファズ

「真夜中に闇討ちかァ~!? 受けて立とうじゃねェか!」

空摘 卯花

「あははっ」

ファズ

「笑ってる場合じゃねェぜ!
 次はテッテーレッスンしてやっからな!!
 ウノハナも覚悟しとけよォ!?」

パーシヴァル

「大声では敵わなそうだし、ラッパでも調達してこようかな」

羽ノ浦みやび

「いいな、みやびも何か楽器やろうかな……」

ファズ

「オン!?それじゃバンド対決だな!?!?」

ファズ

「ギャハハ、おもしろくなってきやがったぜェ~~~!!」

パーシヴァル

「賑やかになりそうだ」

空摘 卯花

「それじゃ、次に行くときは二人も誘って来ないとね」

GM

ここはアートパーク。
市民のみなさまは、いつでも歓迎。

GM

……もちろん、おばけも!

ファズ

「それじゃあ、最後にいっちょオレサマのファズを聞いていきやがれ!」

ファズ

張り詰めていた弦をぴんと、のばして。鳴らす。

ファズ

さみしくも、かなしくもない、ただただ愉快な音色で。

空摘 卯花

今度は、その音色にちゃんと笑えた。

空摘 卯花

雨上がりの雲間から日が射すように。

パーシヴァル

「nice!」

パーシヴァル

いつでも、君の隣に

パーシヴァル

この手はあるよ。

羽ノ浦みやび

「なんだ、ファズくん上手じゃない!」

パーシヴァル

ひとりじゃない。

パーシヴァル

君も、私も。こどもたちも。

GM

さあ。
雨が強くなる前に、帰ろう。

GM

そしてまた、おいで。

GM



 🧸 

GM

それから、しばらくして。

GM

イノセントとスプーキーにそれぞれ手紙が届く。

都 紫陽花

『みやびちゃん、うのはなちゃん
おひさしぶりです。おぼえてるかな?』

都 紫陽花

『紫陽花です。
実は私、大学でお裁縫をやってるの』

都 紫陽花

『それを活かして、おもちゃ博物館でおもちゃのお医者さんをやろうかなって』

都 紫陽花

『思って……。
よければ、遊びに来てね』

GM

ノワール

『よう、元気か。
あの件では世話になったな』

ノワール

『おれは今全国を巡って、あの鍵を預かったおばけどもを探してる最中さ』

ノワール

『そいつらを引き連れて、協約作ってる連中に直談判しに行こうと思ってるんだ』

ノワール

『持ち回りで鍵を持ったって、いいだろ。なぁ?』

GM

GM


ご近所メルヒェンRPG
  ピーカーブー

『雨糸町アートパーク』

GM

GM

おしまい!