GM
これは、ある日の飛空艇。
GM
昨夜がた飛び立ち、今日も何処かへ向かう船は
やることもなく平穏無事にワンダラーを乗せている様子
GM
ここは高い雲の上。
部屋の窓からは日差しが差し込んでいてすこしあたたかい。
GM
そんなベッドの上のひだまりに、ひとり丸まって眠っている。
 
すやぁ……
GM
遅くに帰ってきてからそれっきり。
GM
その寝息はただゆるやかに。
穏やかな時間がすぎてゆく…ここだけ時間が止まったみたいに。
フォーナ
今日もいつも通りに起きて、少し仕事を片付けた後
フォーナ
ご飯を食べに部屋に戻れば、凩はまだ寝ているようだった。
フォーナ
今日はよく寝てるなあ。寒いからかな。
フォーナ
具合悪いとかじゃないよね?
フォーナ
音を立てないように傍まで寄って、顔を覗き込む。
 
見た感じ呼吸も安定しているし、顔色も悪くはなさそう。
 
ただ、余程疲れていたのか ちょっとやそっとじゃ起きなさそうな気配。
 
こうして寝顔を見せることは、元々そんなに多くはなかったが
 
……冬はとても眠い、そうよく零していた。
 
今は、いつの間にかいなくなることもない。
 
無防備な姿のまま、そこに横たわっている。
GM
 
GM
 
GM
【ラウンド:朝】
GM
とりあえずダイスチャージどうぞ!
フォーナ
3B12 (3B12) > 11,10,11
フォーナ
え?
GM
んん…?
フォーナ
……?
GM
ええと……まぁそういうこともあります!
今のプレイスはワンダラーギルド、HOはひとつです
GM
◆凩〈人物/謎〉

 ベッドの中で眠っています。

🎲〔魔力感知:1〕【治療/調べ物/推理】
今の状態を調べます。

✅ 飛空艇:このHOはワンダラーギルドからのみ挑戦可能です。

✅ 一緒に……:アプローチ(紡ぐ)に成功すると、相互に深度を取得します。

✅ 赤い糸:HOが解決されるとプレイス移動が発生します。

✅ 起こす:このHOを解決せず手番を放棄することにより、シナリオを終了します。
 
スヤ……とよく眠っています。
フォーナ
シャワーを浴びても……?
GM
もちろん…!好きなだけやることをやると…よいです!
フォーナ
1d12 頼むシャワー!!! (1D12) > 2
フォーナ
*丁寧な処置にチャージ!ありがとうシャワー!

[ フォーナ ] 丁寧な処置 : 0 → 1

GM
朝シャワー、健康にいい!
フォーナ
最高~!
フォーナ
*凩が起きたときようにご飯も作っておくか
フォーナ
*シスチンで高級米とA5ランク肉でご飯作るぞ
フォーナ
*ガム
フォーナ
(7+0)B12<=6+0 手先 (7B12<=6) > 6,8,11,2,6,11,6 > 成功数4
フォーナ
*2を丁寧な処置に

[ フォーナ ] 丁寧な処置 : 1 → 2

フォーナ
というわけで出来ました 凩直伝肉巻きおにぎり
GM
いつものやつ!お手軽でおいしいラインナップですね。
GM
焼きたてでちょっとピリ辛いい匂いがします。
フォーナ
凩のだけ辛さ四倍!
フォーナ
家具は~おわり! 一応スマTVみておこ
GM
は~い、では話術補正がつきますね!
フォーナ
*このまま一旦手番をもらっちゃってよければもらっちゃうか
フォーナ
とりあえずごはんを作ってたべつつ……
フォーナ
*肉巻きおにぎりと味噌汁缶でチャージマンだ!
フォーナ
3B12 おにぎり (3B12) > 5,1,7
フォーナ
*転禍為福 リトルラックにチャージ

[ フォーナ ] リトルラック : 0 → 1

[ フォーナ ] 転禍為福 : 0 → 1

 
ご飯を食べている横でも安らかにねむる人間……
 
チャージできてよかったね、という顔をしているかもいないかも
フォーナ
まだ起きない……こころなしかチャージを喜んでいる気がする
フォーナ
1d12 お味噌汁も飲む (1D12) > 8
フォーナ
おいしいね
 
部屋にはおいしい朝ごはんの香り……
フォーナ
ご飯食べに来ないのかな~ とまた部屋を覗く
 
相変わらず起きてくる気配はありません
 
それはもう穏やかすぎるくらい
フォーナ
「…………」
フォーナ
具合が悪いわけでも、なにか異常を感じるわけでもない。
フォーナ
ただただ、穏やかに眠るその様子に少しだけ不安を覚えて。
フォーナ
横に座り込んで、起こさないよう手を握る。
フォーナ
*◆凩〈人物/謎〉 に治療で挑戦
フォーナ
*丁寧な処置使用

[ フォーナ ] 丁寧な処置 : 2 → 1

フォーナ
(8+1)B12<=6+1 治療 (9B12<=7) > 8,12,5,6,11,7,4,6,10 > 成功数5
フォーナ
*5を博識に 4をリトルラックに チャージ

[ フォーナ ] リトルラック : 1 → 2

[ フォーナ ] 博識 : 0 → 1

 
手に触れれば、少しひんやりとした感触。
 
それは体温のせいか、この冬の寒さのせいか 先まで冷たい。
 
相変わらず眠ったままのそれは、ちいさく寝息を立てたまま。
 
熱を求め、やんわりと握り返してくる
フォーナ
触れれば冷たさを感じる手に指を絡めれば、
応じるように握り返される。
フォーナ
もう一方の手で髪を撫でながら、それを見つめる。
 
……その毛束が赤く触れる。
 
陽を浴びたそれは、仄かに温く。
 
あなたをそっと眠りへと誘ってゆく
 
*プレイスの移動が発生します
 
それは、すこし瞬いた瞬間 引き込まれるように。
 
……ぬくもりと共に ゆらぐ。
 
🚪心象風景(外界?)

 赤い糸の明晰夢

✅ 夢の中:このプレイス効果は「ワンダラーギルド」以外のプレイスに適用されます。

✅ 制約:アイテムの持ち込みができない代わりに、ファンブルが無効化されます。

✅ 希望:いつでも凩へのエモを上げることが出来ます。上げたエモの数だけ、好きなギフトにチャージできます。

✅ 縁:このプレイスでは時間経過しない代わりに、凩への〔深度〕ラウンドだけ行動が可能です。

✅ 明晰夢:手番中いつでもプレイスの移動が可能です。「ワンダラーギルド」へ移動するとシナリオが終了します。
 
【ラウンド:1】
 
気付けば、あなたは真っ白な世界にぽつり。
GM
その手のひらには、まだあたたかい一本の赤い糸。
フォーナ
瞼を開ければ、そこには見たことがあるようで、覚えのない白い風景。
フォーナ
手にはいつの間にか握られた赤い糸。
フォーナ
それはあたたかく、まるで生きてるように感じる。
フォーナ
なんとなくそれを、離してはいけないと感じて強く握りしめる。
フォーナ
これは、夢の中だ。
フォーナ
はっきりとそう感じ取れる。
フォーナ
……誰の?
フォーナ
夢なのだから、わたしのものなはずなのだけれど。
フォーナ
辺りを見回してから、一先ずどこかへ行こうと歩き出す。
GM
あたりは白くぼやけ、霞んで見える
GM
ただ、この一本の赤い糸だけがはっきりと 赤く染まってみえる。
GM
……ここは誰かの夢の中。
GM
幾重にも重なって紡がれた糸は少しづつ解けて道を作る
GM
道の先には、扉がふたつ。
GM
*プレイス公開
GM
🚪「デッキ」の扉

見慣れた飛空艇のデッキの扉。
遠くから風の鳴る音が聞こえる。

✅ノック:このプレイスを訪れた時、HO「デッキ」を公開します。

✅夢現:このプレイスから他のプレイスへ移動する時、このプレイスは消滅します。
GM
🚪「食堂室」の扉

見慣れた飛空艇の食堂室の扉。
合間からうっすらと光が漏れています。

✅ノック:このプレイスを訪れた時、HO「デッキ」を公開します。

✅夢現:このプレイスから他のプレイスへ移動する時、このプレイスは消滅します。
GM
……そしてその先に。
GM
遠く、続く赤い糸。
GM
*HO公開
GM
❓ 糸紡ぎ〈作業/謎〉

 真っ白な空間に赤い糸が続いています。

🎲〔より深く:2〕【観察/治療】
より深い場所を目指します。

✅一本道:このHOを解決すると場にある「扉」のプレイスが消滅します。
GM
どこへ向かうか、どこへ歩むか。
GM
どちらにしたって目覚めれば儚く消える これは夢。
フォーナ
遠く、遥か遠くに続く赤い糸。
フォーナ
その先に行けば、この場所にはきっと戻ってこれないと理解する。
フォーナ
そう。これは夢なのだ。
フォーナ
理解出来ることも、見慣れているけれど知らないこの場所も。
フォーナ
これは夢、というただそれだけ。
フォーナ
ふたつある扉。
フォーナ
それの、自分に近い、デッキへの扉をノックする。
フォーナ
ぼやけるような、不思議な感覚を覚えながら。数度、扉を叩く。
GM
鉄の軋むような音。すこしだけ型の古い扉が鈍い音をたてた。
GM
それはほんのすこし前までの見慣れた飛空艇のデッキの扉。
GM
……返事はない。 ただ遠くで風の音が鳴っている。
GM
プレイス移動しますか?
フォーナ
はい。
GM
*プレイスHO「デッキ」
GM
❓ デッキ〈作業/謎〉

 甘い煙の匂い。誰かの気配がします。

🎲〔誰?:2〕【観察/忍耐】
気配の元を探ります。

✅扉の奥:このHOは「デッキ」の扉からのみ挑戦可能です。
GM
扉が自然と開かれる。
GM
そこには、甘い煙の残り香。
フォーナ
ぎい、と鈍い音を立てて扉が開く。
フォーナ
ここはデッキだから。風が吹いている、と感じる。
フォーナ
それに混じって甘い香り。
フォーナ
「……凩?」
フォーナ
それと記憶を結びつけて、無意識のように名前を呼ぶ。
GM
どこかで、煙が揺れている。
GM
景色は煙と同じように、時折ゆらぐ。
GM
感じるのは気配だけ 誰かが、こちらをみつめている。
GM
デッキにかけられた白いシーツ。
GM
すこし歪んだ、鉄の手すり。
GM
今はすこし遠い景色の中で 遠く雲が流れていく。
フォーナ
空を見上げる。
フォーナ
今よりも狭いデッキには、誰のものか白いシーツが干されている。
フォーナ
*❓ デッキ〈作業/謎〉 に観察で挑戦
フォーナ
*【希望】の効果でエモを1点上げて誤り指摘にチャージします

[ フォーナ ] エモ(凩) : 0 → 1

[ フォーナ ] 誤り指摘 : 0 → 1

フォーナ
*リトルラックを使用
フォーナ
(4+0)B12<=6+0 観察 (4B12<=6) > 6,5,1,3 > 成功数4
フォーナ
*3を誤り指摘 5をリトルラックにチャージ

[ フォーナ ] リトルラック : 2 → 3

[ フォーナ ] 誤り指摘 : 1 → 2

フォーナ
辺りを見回す。
フォーナ
先ほどから感じてる、誰かに見られてる気配。
GM
……くす、と誰かが笑う声がした。
GM
風が吹く。
GM
白いシーツが翻って、それは あなたの視界を奪う。
 
それはふわりと 後ろに、着地する。
 
シーツはまとわりついたまま 風にはためき揺れている。
 
……煙たい気配が、ほんのすこし濃く染まる。
フォーナ
風に煽られる白いシーツのせいで、視界は真っ白なまま。
フォーナ
その中で後ろに、甘く濃い香り。
フォーナ
「凩?」
フォーナ
また名前を呼ぶ。
 
それは、くす とおかしそうに笑った。
 
「……綺麗だよ。」
 
真っ白な視界のなかに、交じる赤い色。
 
それは、ひらりと舞って
 
あなたの手の中に。
フォーナ
手の中に赤い色。
フォーナ
咄嗟に、風で飛ばされないように、と両手で包む。
 
包み込んだものを開く。
 
……それはあたたかな ぬくもりを宿してそこにある。
 
ちいさな作り物の赤い花。
 
それは、いつしかなくしてしまったもの。
 
大切な思い出のひとかけら。
フォーナ
忘れるわけもない。
フォーナ
これは、あなたがくれた大事な宝物。
フォーナ
風に攫われていってしまった、赤い花。
フォーナ
仲直りの証で、新しい繋がりの色。
フォーナ
「……大事に、持ってたんだけどね」
フォーナ
あの日は風が強くて。
フォーナ
それにもう、少し枯れてしまっていた。
GM
……風が舞う。
GM
あれはすこしの悪戯心。
GM
きみに振り向いてほしくて 差し向けた一片。
GM
……きみは、ずっと大切にしてくれた。
GM
あの風にさらわれるまで ずっと。
 
煙がやさしく頬をなでる。
 
強い風は 白いシーツをドレスに変えて 踊るように。
 
またそれを、連れ去ろうとする。
 
「わたしにとっては、それだけで十分だったんだ」
フォーナ
聞き慣れた声がそう答える。
フォーナ
最初は、わたしが。
フォーナ
あなたに振り向いて欲しくてケーキに乗せた赤い色は、
あなたからわたしに。
フォーナ
連れ去ろうとする手から、白いシーツはするりと抜ける。
フォーナ
なにか応えようと思って、手の中の花を見る。
フォーナ
「わたしは、」
フォーナ
それでよかったと、そう言うあなたに
フォーナ
わたしが向けたのは自己中心的な愛で
フォーナ
思い返せば、そこで花なんて大事にしていなければ。
フォーナ
傷つけることもなかったのかも。
フォーナ
「…………」
フォーナ
「今は、後悔なんかしてないよ」
フォーナ
シーツがはためいて、揺れる。
 
「……わたしは、今でもすこし 後悔してる。」
 
「きみと、踊ってやらなかったことを。」
 
風が、煙と白い色をさらってゆく。
 
その中に赤い花びらが舞って。
 
あなたの手のひらには、赤い糸と
 
ちいさな宝石が残された。
 
……もう気配はどこにもない。
 
真っ白な景色が、雲をさらっていく。
フォーナ
もう甘い香りはそこにはない。
フォーナ
手の中には、可愛らしい宝石と赤い糸。
フォーナ
大事にそれを握りしめて。
フォーナ
……次のところへ行こう。
 
デッキの扉が、閉まる。
 
振りむけば、何もない。
 
視界に白い世界が広がる。
 
ぼやけた景色に残されたのは、扉がひとつと、遠くに続く赤い糸。
フォーナ
手の中にあるものの感触をしっかり確かめながら、歩く。
フォーナ
遠くへ続く赤い糸の方には行かず
フォーナ
残った扉の前に立って、数回ノック。
 
……糸は扉の先に続いている。
 
それが食堂室のものだとわかるのは、小さな張り紙たちのせいだろう。
 
ノックをすれば、それはゆっくりと開かれる。
 
甘くおいしそうな香りを携えて。
 
*プレイスHO公開
 
❓ 食堂室〈作業/謎〉

 どこか甘い香り。誰かが眠っています。

🎲〔誰?:2〕【観察/忍耐】
起こさないようにこっそり近寄ります。

✅扉の奥:このHOは「食堂室」の扉からのみ挑戦可能です。
 
扉の奥ですやすやと、小さな寝息が聞こえる。
 
あたりにはあまい、ケーキの香り。
フォーナ
甘い香りを感じながら、扉を開ける。
フォーナ
……これはたぶん、ケーキの匂い。
 
すこし懐かしい食堂には、見慣れたメモ書きや 誰かの残したティーセット。
 
時が移ろい、人や居所が変わっても
置き去りに遺されたものたちは また誰かの元へ。
 
いつしか誰かと語らった、古びた大きなテーブル。
 
そこに 白い影がひとつ。
 
 
 
【ラウンド:2】
フォーナ
先ほどとは違う甘い香りの中。なんだか見たことあるような影がある。
フォーナ
起こさないように、と。
懐かしい家具にほほえみ目を細めながらひとつひとつ指で触れる。
 
箸にスプーン誰かの食べかけ。よくわからないお土産と。
ここにも、少しづつ物が増えていった。
 
冷蔵庫にはどこかの国のマグネット……
 
そして オーブンの中には、ケーキ。
 
……白い影は、あなたに気付いていないよう。
 
寝息だけが小さく漏れている。
フォーナ
これはきっと、この”誰か”が焼いたもの。
フォーナ
邪魔しちゃ悪いな、と思い。ゆっくりと扉の方に引き返す。
 
背後で、ちいさく
 
もにゃ…と、つぶやく寝言。
 
それをかき消すように、景色は白に溶けていく。
 
残されたのは、赤い色。 それだけ。
フォーナ
白が戻ってくる。
フォーナ
聞こえた寝言を思い出して、くすりと笑う。
フォーナ
大丈夫、
フォーナ
気持ちはちゃんと伝わるし、頑張ったことは無駄にはならない。
フォーナ
そのケーキは大好きな人が、きっと口いっぱい頬張って食べてくれるから。
フォーナ
また焦げても、諦めないでね。
フォーナ
そうして心のなかで声をかけて。
フォーナ
遠く繋がる糸を手繰る。
フォーナ
……先に進もう。
フォーナ
*❓ 糸紡ぎ〈作業/謎〉 に治療で挑戦
フォーナ
*リトルラック使用

[ フォーナ ] リトルラック : 3 → 2

フォーナ
(8+1)B12<=6+1 治療 (9B12<=7) > 12,3,2,3,11,10,6,4,10 > 成功数5
フォーナ
*4をリトルラック 3を魔性と博識に

[ フォーナ ] リトルラック : 2 → 3

[ フォーナ ] 魔性 : 0 → 1

[ フォーナ ] 博識 : 1 → 2

フォーナ
*3成功で通します
 
白の中、赤い糸を辿る。
 
その糸はすこし熱を帯びてゆるく世界を揺蕩っている。
 
それは時折分かれて、ほつれたり、途切れたり
 
惑うように、より深いところをめざす。
 
あなたは、歩みを止めずに進む。
 
白い世界に、ぬるくあまい煙と、冷たい風が吹く。
 
それはちいさな後悔を携えて、遠く彼方へ消えてゆく
 
これは、だれかの夢の中。
 
 
 
*プレイスを公開します。
 
🚪「榴蝕」の扉

古びた金縁のついた九曜風の扉。
酒と煙草の匂いがする。

✅ノック:このプレイスを訪れた時、HO「煙草」を公開します。

✅夢現:このプレイスから他のプレイスへ移動する時、このプレイスは消滅します。
 
🚪「白薔薇亭」の扉

どこかにある喫茶店の扉。
コーヒーの香りが漂っている。

✅ノック:このプレイスを訪れた時、HO「トバリ」を公開します。

✅夢現:このプレイスから他のプレイスへ移動する時、このプレイスは消滅します。
 
🚪「マザーグース」の扉

落ち着いた雰囲気のバーの扉。
扉には箒に乗った魔女の看板がかけてある。

✅ノック:このプレイスを訪れた時、HO「物語の魔女」を公開します。

✅夢現:このプレイスから他のプレイスへ移動する時、このプレイスは消滅します。
 
*HO公開
 
❓ 糸紡ぎ2〈作業/謎〉

 赤い糸の先に暗い空間が続いています。

🎲〔さらに深く:3〕【観察/治療】
さらに深い場所を目指します。

✅一本道:このHOを解決すると場にある「扉」のプレイスが消滅します。
 
 
 
【ラウンド:3】
フォーナ
歩みを進めれば、また扉。
フォーナ
それが今度は、みっつ並んでいる。
フォーナ
どれも見覚えのない扉ばかり。
フォーナ
その中で、一番目に留まったそれ。
フォーナ
豪奢だけれど古びた、金縁のついた九曜風の扉。
フォーナ
そこからは酒と、煙たい煙草の匂いがする。
フォーナ
ノックしようか少し悩んでから。
フォーナ
こんこんと、扉を叩く。
 
みっつの扉、その中でも一番古びて汚れたそれは
 
酒と煙草となにか古くて苦い味がする。
 
それは、掃溜めというのにふさわしい「榴蝕」の扉。
 
扉が開かれる。
 
九曜風のランプが灯る、暗い内装、豪奢な割にボロボロのカウンター。
 
*プレイスHO公開
 
❓ 煙草〈作業/謎〉

 カウンターに煙草が置いてある。

🎲〔誰のもの?:2〕【観察/忍耐】
席に座って考えます。

✅一杯いかが?:HO挑戦時、3D12を振ってギフトにチャージできます。

✅これもなにかの縁:HOを解決するとアイテム「タバコ」を入手します。

✅扉の奥:このHOは「榴蝕」の扉からのみ挑戦可能です。
 
カウンターの奥には雑多な酒瓶とグラス。店の中には誰もいない。
 
ただ、カウンターの上にぽつりと。
 
見慣れた赤い煙草が置かれている。
 
赤い外装に、金のレリーフ。向かい合う二匹の龍と異国の言葉。
 
それは、既に中身が何本か抜かれている。
誰かの持ち物だったのかもしれない。
フォーナ
煙たい部屋の中、目に入ったそれ。
フォーナ
近寄って、手に取る。
フォーナ
見慣れてる、とそう感じる。
 
手に取れば、中でから…と音がする。
 
漂ってくるのはほんのりと、甘い香り。
フォーナ
少し揺らして、中身があることを確認してからカウンターに戻す。
フォーナ
誰かの忘れ物。きっと置いておいたら取りに来るだろう。
フォーナ
微かな甘い香りを感じながら、部屋を後にしようと扉の方へ。
フォーナ
戻る手前で立ち止まり、辺りを見回す。
フォーナ
ボロボロのカウンター。暗い照明に見慣れない装飾。
フォーナ
ああ、ここが。と思う。
フォーナ
自分が住んでいた場所とはずいぶんと違う。
フォーナ
まるで正反対の様な雰囲気と匂い。それから派手さのある装い。
フォーナ
以前に訪れたときにも感じた、慣れない空気。
フォーナ
どこにいても誰かが見ているような、落ち着かなさがそこにはあった。
フォーナ
……早く次に行こう。
 
足早に扉を出ようとするあなたの後ろに、誰かの気配。
 
目の端に赤いものがうつる。
 
それはくすぶる煙と共に、白に溶けていく。
 
……扉が閉まる。
 
煙の気配はもう、どこにもない。
フォーナ
改めて、夢にしてはあまりにも意識がはっきりとしていて、
様々な感覚を感じ取れているなと思う。
フォーナ
失くなった煙たさを思いながら、次へと進む。
 
あれが誰のものだったか 今ではもうわからない。
 
あなたの元に結ばれた、赤い糸がここにあるだけ。
 
残された扉はふたつ。
フォーナ
道なりに、と言っても白い空間がただ漠然と広がっているだけではあるが。
フォーナ
今度は、どこかの喫茶店の扉。
フォーナ
コーヒーの香りが扉の外にまで漏れている。
フォーナ
ノックなんているかなと思いつつも、軽く扉を叩く。
 
アンティーク調のウィルズベリーではごくありきたりな喫茶店の扉。
 
ノックをすれば、カランとベルの音が鳴る。
 
「いらっしゃい」 店員の声。
 
*プレイスHO公開
 
❓ トバリ〈人物/謎〉

 夜の気配がする獣人の男。凩の友人のようだけれど……

🎲〔話を聞く:2〕【話術】
カフェでお話をします。

✅一杯いかが?:HO挑戦時、3D12を振ってギフトにチャージできます。

✅これもなにかの縁:HO挑戦と同時に「トバリ」へのアプローチの宣言が可能です。

✅扉の奥:このHOは「白薔薇亭」の扉からのみ挑戦可能です。
 
よくある喫茶店、客はだれもいない。
 
薄紫色の髪の店員が、いつものようにグラスを磨いている。
フォーナ
そこはよくあるふうな喫茶店。
 
「ようこそ、白薔薇亭へ」
 
「友人のよしみだ。ゆっくりしていくといいよ。」
フォーナ
「友人……」
 
それだけ言うと男はまた仕事に戻っていく。
 
赤い糸は途切れず繋がっている。
 
そのまま立ち去っても、彼が咎めることはないだろう。
フォーナ
その赤い糸を見て、ああなるほどと思う。
フォーナ
客のいない店内を少し見渡してから。
フォーナ
「コーヒー一杯だけ、いいですか?」
フォーナ
店員にそう声をかけ、カウンターに座った。
 
店員はちいさく微笑むと、手際よくコーヒーを淹れてゆく。
 
しばらくすれば、差し出される一杯のコーヒー。
そして おまけの ちいさな砂糖菓子。
 
ちいさな星型の金平糖。
 
「ごゆっくり。」
フォーナ
お礼を言ってから、ソーサーを持ち上げてカップに手をかける。
フォーナ
*❓ トバリ〈人物/謎〉 に話術で挑戦 同時にアプローチも兼ねます
フォーナ
*リトルラック 博識 使用

[ フォーナ ] リトルラック : 3 → 2

[ フォーナ ] 博識 : 2 → 1

フォーナ
(4+1)B12<=6+1+1 話術 (5B12<=8) > 3,8,4,7,4 > 成功数5
フォーナ
*4をリトルラックと博識にチャージ

[ フォーナ ] リトルラック : 2 → 3

[ フォーナ ] 博識 : 1 → 2

フォーナ
一口コーヒーの飲んだあと、
フォーナ
あの、と声を掛ける。
 
長い耳が揺れる。
 
「……なんだい?」
 
「ああ、コーヒーのお代なら必要ないよ。」
 
「これはサービスのようなものだから。」
フォーナ
「サービス、ですか」
フォーナ
「……ありがとうございます」
 
「ここには、わざわざ立ち寄ってくれる人もそういないしね。」
 
「皆、話し相手が来るのを待ち望んでいるのさ。」
 
「ここにいるのは 寂しがりばかりだ。」
フォーナ
その言葉を聞いて振り返る。
フォーナ
客席を見渡す。
 
席には誰も座っていない。
 
店の中はがらんとしている。
フォーナ
またひとくちコーヒーを飲んでから、口を開く。
 
「昔はたくさん人が来たものだけれどね」
 
「最近はめっきりさ。」
フォーナ
「……あなたは、凩のお友達?」
 
頷く。
 
「ああ、古くからの友人だ。 こちらに来てからの、だけれどね。」
 
微笑んで、コースターを指さす。
 
「白薔薇亭」と書かれた白い紙のコースターには、ウィルズベリーの住所が添えてある。
 
「……僕は、ヨルノトバリ。 皆は僕のことをコウモリと呼ぶ。」
 
「ここでは便宜上 そう名乗るようにしている。」
フォーナ
「コウモリ……」
フォーナ
「それじゃあ、コウモリさん」
フォーナ
「わたしは……凩と同じギルドの、フォーナです。」
コウモリ
「ああ、きみのことは よく知っている。」
コウモリ
「かけがえなく、凩の大切なひと。」
コウモリ
「……言わずともわかる。 その糸がその証。」
フォーナ
手のひらにある、糸を見る。
フォーナ
「ふふ、ちょっと恥ずかしいですね。」
コウモリ
微笑む、お似合いだよと添えて。
コウモリ
「ここに来られるってだけでも大したものだよ」
コウモリ
「彼も それだけ、大切に想われているということだ。」
フォーナ
「…………」
フォーナ
「あの、そもそもここって……」
フォーナ
苦いコーヒーを飲んで、夢のはずだよね、と頭で考える。
コウモリ
「ああ、ここは夢の端っこ。」
コウモリ
「彼の中に存在する、どこでもないところ。」
フォーナ
「じゃあこれは、凩の夢の中?」
コウモリ
「そうともいえるし、そうでないともいえる。」
コウモリ
「ここの存在はひどく曖昧だ」
フォーナ
金平糖を噛めば、甘い味が広がる。
フォーナ
これもそのような気がするだけなのか。
 
それは不思議と確かにそこにあるように感じる。
 
かり、と歯で噛み潰せば、小さな星は甘く溶けてゆく。
フォーナ
「……ここは、どこまで奥に続いているんですか?」
フォーナ
糸は遠く、暗闇へ伸びていた。
コウモリ
「……ここは、どこまでも果てがない。」
コウモリ
「そして、どこまでも何もない。」
コウモリ
「大切なのは、その縁さ。」
フォーナ
「縁……」
コウモリ
「それが、ここを夢たらしめて、世界を存在させている。」
コウモリ
「彼の縁と、きみの縁。」
コウモリ
「それが結ばれて、僕はいまここにいる。」
フォーナ
赤い糸を見る。
フォーナ
そうか、これが。
フォーナ
「…………」
フォーナ
「凩は、わたしのことあなたになんて話してましたか?」
コウモリ
「……彼が、僕に語ることは何もないよ。」
コウモリ
「僕が、彼のことを知っているだけ。」
コウモリ
「例えば……きみのことを」
 
上からぽてり。と何かが落ちてくる。
フォーナ
「……?」
フォーナ
それを見る。
 
あなたの手のひらの上に……へちゃけたあざらし。
コウモリ
「それみたいに、可愛がっていること……とか。」
フォーナ
「………………」
フォーナ
ふっ、と思わず吹き出す。
フォーナ
「ふふ、ああ……だから……」
フォーナ
よくこんな顔のばかり買っているんだな、と笑う。
フォーナ
「わたしこんな顔ですかねえ?」
コウモリ
「……ふふ、彼からすればそうなんだろう。」
コウモリ
「僕からすれば……もっと美人に見えるけどな。」
フォーナ
「それはそれは、お褒め頂いて光栄です」
フォーナ
「凩が知ったら拗ねちゃうな~」
コウモリ
微笑んで返す
コウモリ
「たまには嫉妬くらいさせてやんないと」
コウモリ
「……まぁ、このことはご内密に。」
コウモリ
指を一本立てて微笑むと、白い牙がちらとのぞく。
フォーナ
はあいと小さく返事をする。
フォーナ
コーヒーが無くなったカップを見ながら、
最後のひとつの金平糖を口に運ぶ。
フォーナ
「今度、宴会をするんです。」
フォーナ
「凩と、わたしのための」
コウモリ
「……そうらしいね。」
コウモリ
「どうにも、大切な席と見える。」
フォーナ
「……凩のために、最初はわたしがどうしてもって言ってたもので」
フォーナ
「彼は了承はしてくれたけれど、
今でも少し、無理言ったんじゃないかと思ってるんです。」
コウモリ
「心配しているのかい? 無理をさせたんじゃないかと。」
フォーナ
「そう、ですね。心配……」
フォーナ
「ずっと、独りよがりで話を進めてるんじゃないかと……」
コウモリ
「あいつはわかりやすいようで、伝わりづらいところがあるからね。」
コウモリ
「……大丈夫さ、それは僕が保証しよう。」
コウモリ
「戸惑いこそすれ、きみの願いは無駄ではないよ。」
フォーナ
「そうかな……そうなら、いいな」
コウモリ
「それを 確かめにきたんだろう。」
コウモリ
赤く続く糸を、指さして
コウモリ
「結ばれたってことは、そういうことさ。」
フォーナ
「ふふ……責任重大だ」
フォーナ
コースターを手に、立ち上がる。
フォーナ
「これ、貰ってもいいですか?」
コウモリ
「もちろん」
コウモリ
「……向こうの僕にもよろしく伝えておいてくれ。」
フォーナ
「はい」
フォーナ
「会えて良かったです。凩の友達と……コウモリさんと」
コウモリ
「それはよかった」
コウモリ
「……であれば この縁が、よきものでありますように。」
コウモリ
そう言ってゆるりと手を振る。
フォーナ
「ええ。コーヒー、美味しかったです」
フォーナ
また、と手を振って扉を出る。
 
からん、とドアベルが鳴って
 
扉が閉まる。
 
それは金平糖のように、白い景色にとけていく。
 
*トバリからフォーナへ LOVE「縁」を取得します。
 
残る扉はひとつ。
 
 
 
【ラウンド:4】
 
赤い糸、それはこれまで紡いだ縁のかたち。
 
そのゆく先はどこへ続くのか。
 
それを決めるは紡ぎ手次第。
 
白い空間に赤が揺らいでいる。
フォーナ
残った扉の前まで歩く。
フォーナ
繋がった糸は揺らぎながら、手の中にぬくもりを伝えている。
フォーナ
あの暗闇の奥はどうなっているんだろう。
フォーナ
そう思いながら、落ち着いた風合いの扉を見る。
 
古ぼけた木の扉には魔女の壁掛け。
 
鈍い金色のノブ。扉には『マザーグース』の文字が刻印されている。
 
見たこともない扉だけれど……これは夢。
 
その先にあるものがなんであるか、あなたにはわかる。
フォーナ
扉をノックする。
 
薄闇が差し込むようにして、扉は静かに開かれる。
 
*プレイスHO公開
 
❓ 物語の魔女〈人物/謎〉

 何でも知っているという噂のマスター その正体は魔女だという。

🎲〔話を聞く:2〕【話術】
バーでお話をします。

✅一杯いかが?:HO挑戦時、3D12を振ってギフトにチャージできます。

✅これもなにかの縁:このHOを解決した時、日用品「片裁ち鋏」を入手します。

❔片裁ち鋏(日用品):何かを断ち切る為の鋏。片方しか刃がない。

✅扉の奥:このHOは「マザーグース」の扉からのみ挑戦可能です。
フォーナ
一歩店内に入れば、そこは知らないけれど知っているバー。
 
そこに広がるのは世闇に星屑を散らしたような、不思議な景色。
 
色とりどりの酒瓶に、カウンターテーブル。
 
そして、その真ん中に佇むは……『物語の魔女』
 
「ようこそ、マザーグースへ。」
フォーナ
不思議な空間に目を瞬かせながら、カウンターテーブルの先を見る。
フォーナ
「ここは……」
 
「ただのバーさ。」
 
「もっとも……この扉を通るには、随分珍しい客人だがね。」
フォーナ
「……ここも凩のお友達のお店?」
 
「いいや、ここは 物語る 場所。」
 
「……必要かどうか決めるのは、きみ自身だ。」
 
そう言って、テーブルにことりと置かれたのは 片刃の鋏。
フォーナ
「これは?」
 
「縁の品さ。」
 
それの、と言って 赤い糸を指す。
 
「誰かにとって大切で、誰かにとっては不要なものだ。」
フォーナ
手にとって眺める。
フォーナ
片方にしか刃がない、不思議な鋏。
 
留め具の外れたそれは半分に割れていて、使い物にならない。
 
真っすぐ伸びた刃は鋭く、その刃先はちいさく欠けている。
フォーナ
「これを使えば、これが切れる?」
フォーナ
赤い糸を指す
 
「……それをするには、工夫が必要だろうね。」
 
「それは、一度使われている。」
 
それを、
 
「断ち切るために」
フォーナ
「…………ここに」
フォーナ
「凩が来る時に?」
 
指先を一本立てる。
 
「この先は、お客人のみのサービスだ。」
フォーナ
「ふふ、ごめんなさい」
フォーナ
鋏をカウンターに戻す。
フォーナ
「たぶん、今はこれは必要ない」
フォーナ
「代わりにもっと良い物があるから」
 
「……そうか。」
 
そう言って、置かれた鋏をカウンターへとしまい込む。
 
「それじゃあ、飲みたくなったらまたおいで。」
 
「知りたいことがあるなら、教えてやろう。」
フォーナ
「あなたのお店にも、住所はある?」
 
首を振る。
 
「けれど きみが望めば、いつでも。」
 
「この縁がある限り」
 
そうやって、赤い糸を示す。
 
「それは いつでも ここにある。」
フォーナ
「じゃあきっと、また会えますね」
 
目を細めてから、ああ。とつぶやく。
フォーナ
「次はちゃんと、客として」
フォーナ
扉に手をかける。
 
「きみが 求めるならば、すぐ傍に。」
フォーナ
出ようとして、少し足を止める。
フォーナ
「……ああ、お名前」
フォーナ
「それも、客としてきてから?」
 
「……メル・ロワ。 物語の魔女。」
 
それはグラスに揺れるようにして溶けていく。
 
まるでなにもなかったみたいに、ふっと白く。
フォーナ
赤い糸だけが揺れる。
フォーナ
「自己紹介しそびれちゃった」
 
虚空に糸が続いている
 
自己紹介はまたいつか、その日がくるときに。
フォーナ
虚に向かって歩き出す。
フォーナ
この足はどこまで行けるのか。
フォーナ
この糸はどこまで続くのか。
フォーナ
それを決めるのは──
フォーナ
*❓ 糸紡ぎ2〈作業/謎〉 に治療で挑戦
フォーナ
*リトルラック 博識使用

[ フォーナ ] リトルラック : 3 → 2

[ フォーナ ] 博識 : 2 → 1

フォーナ
(8+1)B12<=6+1+1 治療 (9B12<=8) > 5,8,11,1,4,4,7,1,2 > 成功数8
フォーナ
*1を転禍為福に 4を博識とリトルラック

[ フォーナ ] リトルラック : 2 → 3

[ フォーナ ] 転禍為福 : 1 → 2

[ フォーナ ] 博識 : 1 → 2

フォーナ
*7成功で通し
 
糸を手繰り進んでゆく。
 
それは、少しづつ深く複雑に絡みあって、根のほうへ。
 
じわり、と冷たさが染みる。
 
それは、心に刺すような 冷ややかさを伴って 暗闇へ。
 
 
 
糸は縺れ、ところどころ途切れ、細くなってゆく。
 
*HOを公開します。
 
❓ 赤の宴席〈作業/謎〉

 暗闇の中に灯る蝋燭と赤い糸飾り、そして。

🎲〔解く:3〕【忍耐/治療】
絡んだ糸の先に影ひとつ。

✅糸の先:このHOを解決すると、HO「人影」を公開します。
 
❓ 糸紡ぎ3〈作業/謎〉

 糸の先は、ただ赤く。

🎲〔奥深く:4〕【観察/治療】
暗く深い場所を目指します。

✅遠い場所:このHOを解決すると場にある未解決のHOが消滅します。
 
暗闇の中に、灯りが射す。
 
ほつれた赤い糸の先。 赤い色の絡み合う暗闇に 光。
 
それは道をつくるように、何かを取り囲んでいる。
 
……うっすらと、血の匂いがする。
 
 
 
【ラウンド:5】
フォーナ
血の匂いの中。
フォーナ
駆け寄り、それに手を伸ばす。
 
手を伸ばしたさきには、糸。糸。糸。
 
絡まり合う、赤い糸。
 
道を塞ぐようにして、赤く糸が巡らせてある。
 
祭壇のようにして、飾られる赤い蝋燭と、結ばれた祝いの糸飾り。
 
その奥になにかある。なにかいる。
フォーナ
絡まり、先にいかせまいと張り巡らされた糸をひとつひとつ、解くように。
フォーナ
*❓ 赤の宴席〈作業/謎〉  に治療で挑戦
フォーナ
*リトルラック、博識、丁寧な処置 使用

[ フォーナ ] リトルラック : 3 → 2

[ フォーナ ] 博識 : 2 → 1

[ フォーナ ] 丁寧な処置 : 1 → 0

フォーナ
(8+1+1)B12<=6+1+1 治療 (10B12<=8) > 2,1,3,9,7,5,9,8,5,11 > 成功数7
フォーナ
*9成功で通します
 
その指先は、絡み合った縁の先を手繰る。
 
それは、解かれば、血のように赤くにじませて解けてゆく。
 
その向こうには、黒い影。
 
*HO公開します。
 
❓ 人影〈作業/謎〉

 赤い宴席の真ん中に座する人影。

🎲〔誰?:4〕【話術/忍耐】
その影の正体を確かめます。
 
それは、赤い糸に紛れるようにそこに座している。
 
赤い布時に、金の装飾。
 
それは蝋燭の光に照らされて、鈍く輝いている。
フォーナ
指先が糸を掻き分け、解けたそれで赤く染まる。
フォーナ
赤い布、金の装飾。
フォーナ
見間違えるはずもなく。
フォーナ
「凩」
フォーナ
名前を呼ぶ。
 
それは、応えない。
 
目を閉じ、天を見上げたまま
 
そこに、座するのみ。
フォーナ
それでも何度も、名前を呼ぶ。
フォーナ
本当にそれが凩なのかどうかも
フォーナ
定かではないまま
 
暗闇の中照らされたその面影は、誰かに似て。
 
その細い体躯を捧げている。
 
名を呼べば、糸がゆるくほどけ 血の匂いが濃く染まる。
 
影が手を伸ばす、天に向かって。
 
何かを求めるようにして。
フォーナ
泣きそうな声で名前を呼んで。
フォーナ
本当にそうかどうかもわからないのに、
フォーナ
手を伸ばす。
 
縺れた糸をかきわけるようにして、あなたの白い手が伸ばされて。
 
すこしだけ、それにふれる。
 
……瞬間、影は動きを止め
 
目と目が合う。
 
真っ赤な彩に塗られた瞳が、そちらを見た。
 
「…………誰?」
フォーナ
血の色の様な赤と目が合い。
フォーナ
それはそうして声を出す。
フォーナ
「……こ、がらし」
 
聞きなれた声で、それは甘くささやく。
 
「……ここに、来てはいけないよ。」
 
「はやく、お帰り。」
フォーナ
「っ、」
フォーナ
覚えのある、大好きな人の声でそれは話す。
フォーナ
泣き出しそうになる声を抑えながら、残り少ないと感じる時間の中で
フォーナ
何を伝えられるか考える。
 
蝋燭の灯り、炎がゆれる。
 
「はやく」
 
まなざしは、ゆるく微笑んで。
 
「大丈夫、まっすぐおいき。」
 
「……わたしが、ここにいるから。」
フォーナ
手をまた伸ばす。
フォーナ
「わたし、」
フォーナ
「絶対、あなたをひとりにはしないから」
フォーナ
「何があっても、傍にいるから」
フォーナ
「だから、」
フォーナ
声が涙ぐんで揺れる。
 
それは、不思議そうに笑って。
 
蝋燭の火が
 
消える
 
訪れる静寂と、暗闇。
 
その中で、手を引く者がある。
 
赤い糸の先 元来た場所へ 導くように。
フォーナ
その手は、刺さるような冷たい暗闇の中で
フォーナ
わたしの手を引く。
 
冷たさに、ぬくもりがまじる。
 
それはその身を抱くようにして 柔らかく包み込むようにして。
 
冷たさが、暗闇が、遠ざかっていく。
 
「……フォーナ」
 
呼ぶ声がする。
フォーナ
ああ。夢が醒める。
 
薄く天から灯りが射す。
 
「フォーナ、おきて」
 
あたたかな温度がかえってくる。
 
ひきあげるようにして、それは ゆっくりと。
フォーナ
その直前、一度だけ後ろを振り返る。
 
随分遠くなった、糸の先。
 
そこに小さく灯りが灯るのが見えた。
フォーナ
それが見えてから
フォーナ
安心して、声に応じるように瞼を開く。
 
瞼を開けば、白く眩い世界。
 
差し込む日差し
 
そこは……あたたかな、腕の中。
フォーナ
目を開ければ眩しそうに、日差しを腕で遮り。
フォーナ
「…………おはよう」
フォーナ
瞬きすれば、涙がこぼれる。
 
手に、雫がおちる。
 
「……どうしたの?」
 
いつもの声。いつものぬくもりで、それは問いかける。
フォーナ
「ふふ」
フォーナ
夢を見てたの、と微笑んで返す。

不思議そうな顔で覗き込む。
フォーナ
そういえばと思い返して、手のひらを見る。
フォーナ
あの場所で貰ったいくつかのもの。
 
そこには、赤い宝石と花びら。 ……そしてコースター。

「だいじょうぶ? こわい夢でもみた……?」
フォーナ
それを見て、また笑う。
フォーナ
「ううん。大丈夫」
フォーナ
「……そうだな、どちらかと言えばあれは、」
フォーナ
「希望の夢」

……ぱちくり、瞬いて。

「ふふ……なにそれ。」 小さく笑って返す。
フォーナ
「凩のお友達に会ったよ」
フォーナ
ほら、とコースターを見せる。

それを手に取ると、また目を丸くする。

「……これ、どこで?」
フォーナ
「だから言ったでしょ」
フォーナ
「夢の中」

首を傾げる。

「もしかして、からかってる?」
フォーナ
「ふふ」
フォーナ
「こっちは凩に貰ったんだよ」
フォーナ
そう言って宝石も見せる

「あ、それ……!」

たしかひきだしに入れたはずの、赤い宝石。

「これを、わたしが……」
フォーナ
「うん」

すこし考え込んでから

「……不思議なこともあるもんだね。」

そっと、宝石に触れる。

「これはね、魔術訓練の時に作ったものなんだよ。」
フォーナ
「へえ?」

拾い上げて、光にかざす。

「……愛のかたち。」

日差しの光を浴びて、それはより一層赤く輝く。
フォーナ
「……これが、凩の?」

「ああ、赤い組紐。 
 これがわたしの……想いの形なんだとおもう。」

手のひらの上にそれを返して。

「……わたしが手渡したというのなら」

「きっときみが持つべきものなんだろう。」
フォーナ
「……嬉しいな」
フォーナ
凩から貰った、凩の想いの形。
フォーナ
それは、思い出の赤い花。

それを見ると、自然と笑みがこぼれる。

「いい夢だったんだね。」

「よかった。」
フォーナ
「うん、とっても」

そこに抱いたまま、手に触れる。

温度を分け合った手のひらはぬるく
ただやわらかな日差しが射している。
フォーナ
手を握って、温度を確かめる。
フォーナ
「ごはん、食べる?」

握り返す、それは結び目。

「もう、はらぺこ。」
フォーナ
「ふふ、全然起きてこないからもう冷めちゃったよ」

「ごめん、ごめん。」

「どうも寒いのは苦手でね。」

ゆるく、抱きしめてから 離す。
フォーナ
「もういいの?」
フォーナ
離れていく身体を目で追いかけながら。

「……うん、随分 長い夢を見ていた気分でね。」

少し笑うと、赤い布地が翻り キッチンの方へかけていく。
 
ベッドには、窓からさすひかり。
 
まだ日は高くのぼる。
 
飛空艇は、いつものように この空の上を飛んでゆく。
 
たかく、たかく。
 
遠い場所を目指して。
 
 
 
 
 
【忘却判定】
フォーナ
2B12<=6 (2B12<=6) > 8,1 > 成功数1
フォーナ
リダでした ありがとうございます
 
【報酬】
 
◆ソウル
 ・深度増加:3点
◆功績点
 ・解決したHO:6点
◆ギフトガチャチケット
 ・1枚
 
以上です!
フォーナ
改めてありがとうございました!!!!
 
おつかれさまでした!!